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ひかりTVが4K-IP放送を11月30日開始、4K STBレンタルは月額900円に値下げ

 NTTぷららは、映像配信サービスの「ひかりTV」において、従来の4K VOD配信に加え、光回線を用いた商用IP放送サービス(4K-IP放送)を11月30日より開始する。4K-IP放送と4K-VODの商用サービスを全国で展開するのは日本初としている。

4K-IP放送を11月30日から開始

 チャンネル数は2つで、総合編成の「ひかりTVチャンネル 4K」を11月30日に、エンタメ/報道/ライフスタイルニュース専門の「モデルプレス TV by ひかりTV 4K」を12月19日に提供開始。放送時間帯は、両チャンネルとも10時から26時。

 既存のひかりTV見放題サービス「お値打ちプラン」、「テレビおすすめプラン」、「ビデオざんまいプラン」、「基本放送プラン」加入者は、手持ちの4K対応テレビ/チューナを使って追加料金不要で視聴できる。4K対応テレビ/チューナが無い場合は、HDでのサイマル放送を視聴可能。

 なお、同社は既存の4K-VOD配信においても新サービスを発表。11月30日より新たにHDR対応コンテンツを配信するほか、スマートフォン向けの4K VOD配信も行なう。4K VODサービスの詳細は別記事で掲載する。

ドラマや映画、お笑い生中継、SNS連携番組など。STBレンタルは半額の900円に

 ひかりTVでは、'14年10月より4KのVODサービスを開始しており、'15年4月からは、地上波テレビ番組の4K見逃し配信も行なっている。11月30日からは、新たにチャンネル形式で番組を流す4K-IP放送も開始。なお、4月に行なった上期事業説明会では、「12月中に開始する」と予告していた。

4K-IP放送を11月30日開始
総合編成「ひかりTVチャンネル 4K」
エンタメ/報道/ライフスタイルニュース専門の「モデルプレス TV by ひかりTV 4K」

 総合編成の「ひかりTVチャンネル 4K」(Ch104)では、ドラマやドキュメンタリー、映画、バラエティ、音楽、スポーツ、オリジナル番組などを用意。吉本興業との協力により、生中継番組として「ルミネtheよしもと」お笑いライブや、「熟NEWS」情報バラエティ番組(仮)を用意する。

 ひかりTVオリジナル番組として、SNS「部活DO!」と連携した「4K Fes.~超進化系映像ショー~」も12月下旬に放送開始予定。MCに、バイきんぐの小峠英二、小島瑠璃子など名前に「K」を冠する通称“K能人”を迎えたバラエティ番組。放送中にSNSで撮影秘話や裏話を暴露したり、未公開映像やコミュニティ限定企画を配信することなどを計画している。

SNS連携の4K番組を12月下旬放送

 「モデルプレス TV by ひかりTV 4K」(Ch105)では、タレントやモデル、アーティストなど話題の人物をクローズアップしたエンタメ情報や、ファッション、美容、グルメなどのコンテンツが観られる。ひかりTVのスタジオから4K生放送するニュース番組を中心に、再放送や、収録番組で編成する。

 視聴には、対応チューナ(STB)の「ST-4100」を4K/HDMI 2.0/HDCP 2.2対応テレビに接続する方法(ファームウェアバージョンアップが必要)と、対応チューナ内蔵の4Kテレビ「REGZA Z20Xシリーズ」(12月17日対応開始予定)を利用する方法がある。対応チューナ内蔵テレビは、シャープやLGが今後発売モデルにおいて対応を決定するほか、パナソニックも検討中としている。

 ひかりTVチューナ「ST-4100」の4K-IP放送対応ファームウェアアップデートは、11月24日に実施。月額レンタル料金は現在1,800円だが、12月利用料金からは、半額の900円に値下げする。

 「ST-4100」にUSB HDDを接続することで、4K-IP放送番組の録画も可能。ただし、録画した番組を再生できるのは録画時に使用したテレビのみで、DLNA/DTCP-IP経由で別室のテレビで再生することはできないほか、スマホなどへの持ち出しにも非対応。

チューナ「ST-4100」もアップデートで4K-IP放送に対応

'16年3月までに4K-VOD 700本に拡大。吉村作治氏「本物より素晴らしい」

板東浩二社長

 17日には2015年度下期の事業説明会を開催し、板東浩二社長が4K-IP放送などのサービスを説明。ゲストとしてエジプト考古学者で早稲田大学名誉教授の吉村作治氏や、4K番組を提供するコンテンツプロバイダらも来場した。

 現在配信している4K-VOD作品は10月末時点で453本。'15年度末('16年3月末)には700本へ拡大する予定。4K-VOD対応テレビは、現時点で5メーカー/約60機種まで拡大している。コンテンツ拡充の施策としては、専門学校HALとの協力で「ひかりTVクリエイターズ チャレンジ」を4~10月に開催。大賞には、アリの視点から眺めたという映像作品「SMALL LIFE」が選ばれた。今後も教育機関やクリエイターとの連携で4K映像制作の仕組み作りに取り組むという。

4K作品の拡大予定スケジュール
4K-VOD対応チューナ内蔵テレビの拡大
4K映像制作の取り組み

 ひかりTVの4Kサービスにおいて、新たに4K-IP放送が加わることで、板東浩二社長は「4Kに対応した日本最大のスマートTVプラットフォームを構築する。4Kのトップランナーを目指してこれからもビジネス展開する」と述べた。

4K対応の日本最大のスマートTVプラットフォーム構築を図る

 4K-IP放送開始に合わせて、4K番組の出演者やコンテンツプロバイダも来場し、放送予定内容を紹介した。吉村作治氏は、「人類の遺産 古代エジプト5000年」という4K番組に出演。ツタンカーメンの秘密に迫る重要な証拠など、発掘調査の最前線を紹介する。4K収録については「準備が大変で、撮っているときの注文も多いが、できあがりを観てびっくりした。本物より素晴らしい」と述べた。

 4K-IP放送に生放送コンテンツを提供する、よしもとクリエイティブ・エージェンシーの山地克明氏は、「漫才、コント、コメディ形式などあらゆる笑いを取りそろえる。4Kで、臨場感が今までに比べて格段に違うので、我々の劇場の客が奪われるのではと心配している(笑)。来年に向けて1つ番組も用意する予定」とした。

 「モデルプレス TV by ひかりTV 4K」を運営するネットネイティブの松下佳憲氏は、「4Kの新しいメディアの領域にチャレンジしたい。アカデミー賞やグラミー賞など世界のひのき舞台で活躍する人や、国内の活動を含め、これからもオリジナルのニュース報道を行なう」と述べた。

左から、吉村作治氏、板東浩二社長、よしもとクリエイティブ・エージェンシーの山地克明氏、ネットネイティブの松下佳憲氏

(中林暁)