シャープ、堺工場の液晶生産能力を倍増。4原色パネルも

-第10世代マザーガラスを月産72,000枚体制に


竣工披露には各進出企業代表者が参列

4月16日発表


 シャープは、テレビ用液晶パネルの需要増を受け、大阪堺市の「グリーンフロント 堺」における液晶パネル工場の生産能力を、7月をめどに現在の2倍となる72,000枚体制に強化する。

 グリーンフロント 堺の液晶工場は、世界初の第10世代マザーガラスを採用。独自の光配向技術UV2Aによる、高コントラスト/省エネが特徴な40型以上の液晶パネルを生産している。現在はマザーガラスを月36,000枚投入し、フル操業を行なっているが、これを7月に2倍の72,000枚体制に引き上げる。

 今後、UV2Aや4原色技術などを搭載した液晶パネルを製造。さらなるコスト競争力の強化を図り、液晶テレビやデジタルサイネージ用などの大型ディスプレイ市場を切り開くとしている。

 16日に開催された、竣工披露式では、シャープの町田会長、片山社長、シャープディスプレイプロダクトの佐治社長らシャープ関係者に加え、工場進出企業の代表や、大阪府の木村副知事、堺市の竹山市長、吉永小百合さんらが参列した。

グリーンフロント 堺テープカットには吉永小百合さんも参加シャープ町田勝彦会長

 シャープ町田会長は、「『グリーンフロント 堺』で液晶工場を2年弱の短期間で建設から稼働まで行なえたことは画期的。歩留まりのトラブルもなく、順調に立ち上がった。技術者が第8世代、第10世代と世代を追うごとに機械を熟知して対応することができるようになったことによるもの。地域の皆さんのご協力もあって、スムーズに稼働できたと喜んでいる。本日、液晶パネルの生産能力を7万2,000枚体制にすることを発表した。国内は、エコポイントの影響で、3月末には販売店やメーカーの在庫は完全になくなり、相変わらず引き合いも活発だ」と、生産能力の増強により、堅調な需要にこたえると語った。

 また、太陽電池工場についても、「今週の12日から出荷を開始し、1年半という短期間で立ち上げることができた。これも画期的なこと。余剰電力買取制度が昨年スタートし、住宅用は前年の倍のペースで動いている。また、世界的にもソーラー発電所の建設が活発。液晶テレビと太陽電池、ともにフォローの風が吹いている」とした。


(2010年 4月 16日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]