レッツ、720p 3D撮影可能な29,800円の小型ビデオカメラ

-裸眼3D液晶モニタ搭載。サイドバイサイド記録


3Dカメラを手にするレッツ 新規事業部の坂口裕介課長

8月下旬発売

直販価格:29,800円


 レッツ・コーポレーションは、ポケットサイズで720pの3D動画/静止画が撮影できるビデオカメラ「3Dsunday pocket HD camera」(サンデー・サンデー・ポケット・エイチディー・カメラ)を8月下旬より発売する。直販価格は29,800円。

3Dsunday pocket HD camera。上部に2つのレンズを備える

 本体上部にある2つのレンズからの映像を、サイドバイサイド方式の動画/静止画で記録可能な3Dカメラ。2Dでの撮影も行なえる。外形寸法は118×72×23㎜(縦×横×厚さ)、重量は約148g(バッテリ含む)。

 1/2.5型、約500万画素のCMOSを搭載。フォーマットは動画がMPEG-4 AVC/H.264(音声はAAC)で、静止画がJPEG。記録解像度は動画が1,280×720ドット/30p(16:9)、静止画が2,592×1,944ドット(4:3)だが、サイドバイサイドのため、3D映像の場合は横方向の解像度が半分(動画は640×720ドット)となる。2D撮影時は右目側のレンズを使用する。記録メディアはSD/SDHCカード(最大32GB)と内蔵128MBメモリ(後述する編集ソフトを含む)。

 レンズは固定焦点(F2.5)で、35㎜換算の焦点距離は45㎜。4倍デジタルズームも搭載する。左右レンズ間の距離は4㎝。背面の液晶モニタは2.4型/480×240ドットで、3D撮影した映像をパララックスバリア方式の3Dで表示、裸眼で立体視が可能。裸眼視での視距離は約30㎝。内蔵マイク/スピーカーはステレオ。ホワイトバランス/露出補正はオート。10秒のセルフタイマーも利用できる。

 ミニHDMI出力端子を備え、テレビなどに3D/2D映像と音声を出力可能。3D対応テレビで立体視が可能となっている。HDMIケーブルも付属する。

 本体底面にスライド式のUSB 2.0端子を備え、パソコンに直挿し可能。撮影したサイドバイサイドの3D映像を、PCでアナグリフ方式(赤青メガネ使用)に変換できるソフト「ArcSoft TotalMedia HD Cam」も本体内に収録。このソフトではカット編集も行なえるほか、YouTubeへの3D/2D動画アップロードも可能。なお、このソフトでの視差調整は行なえない。対応OSはWindows XP/Vista/7。赤青メガネも付属する。

 電源はリチウムイオンバッテリ「NP60」(1,200mAh)で、動画の連続撮影時間は約60分。充電はUSB経由で行なう。バッテリは2個同梱する。

SDカードスロットやミニHDMI端子部底面の三脚穴とUSB端子部裸眼立体視対応の2.4型液晶を搭載。操作ボタンは3D/2D切替えや、録画/停止など。中央にジョイスティックも備える
発表会場で行なわれた、3Dテレビでの表示デモ。パナソニック/シャープの3Dテレビ(フレームシーケンシャル)や、ヒュンダイの3Dテレビ(偏光方式)を使って動画/静止画が3Dで表示された
付属PCソフトでは、サイドバイサイドからアナグリフへの変換や、カット編集、YouTubeアップロードが可能


■ 低価格3Dカメラでコンテンツ不足解消へ

発売経緯などを説明したレッツの坂口氏

 情報通信機器事業を手掛けるレッツは、映像を融合させたマルチメディア展開として、約15年前から3D映像製品の取り扱いを開始。研究機関や、医療系の大学病院、科学館/博物館に、業務用3Dカメラなどの製品を納入してきた。2005年には、2台のHDVカメラで撮影した映像を使用する3D映像編集ソフトも発売している。

 コンシューマ向けの小型3Dカメラは同社初。発売の経緯について、レッツの新規事業部の坂口裕介課長は「各家電メーカーが3Dテレビを投入しているが、3Dで観られるコンテンツが不足している。このため、3Dテレビの購入を迷っている人などに向けて、低価格で気軽に3D撮影ができるカメラを発売する」と説明した。

 業務用の製品は自社製だが50~60万円と高価。今回の製品は台湾のメーカーと共同で仕様を検討しており、低価格でコンパクトな製品を開発したという。


(2010年 7月 29日)

[AV Watch編集部 中林暁]