ソニー、ESシリーズの3ウェイフロア型スピーカー
-「I-ARRAY」ツイータで広指向再生。1台約20万円
ソニーは、高級クラスのハイスタンダードシリーズ「ESシリーズ」のスピーカー新製品として、広い指向特性を実現したフロア型の「SS-NA2ES」(Natural Acoustic Speaker System)を12月8日に発売する。価格は1台199,500円。
同社のリファレンスモデル「ARシリーズ」の設計思想と技術を継承した、3ウェイフロア型スピーカー。新たに独自開発の「I-ARRAY System」を採用し、高域の指向特性を広げたことが特徴で、自然で心地良い音楽を楽しめるとしている。ユニットは3ウェイ6スピーカー構成で、いずれも新規に開発している。生産地は日本。
「I-ARRAY System」は、25㎜径のメインツイータと、それをアシストする19㎜径のツイータ2個をメインの上下に搭載したシステム。ユニットはいずれもソフトドーム型。
スピーカーユニットは受け持つ周波数帯域が高くなるほど指向特性が狭くなり、その特性はユニットの口径で物理的に決まるが、口径が狭いほど指向特性は広くなる一方で、音圧が不足するという問題がある。このため、同システムではツイータに3つのユニットを使用することで、指向特性の広さと音圧の高さの両立を図っている。
また、ツイータの振動板後方の磁気回路に穴を設け、背圧の影響を軽減することで不要振動の排除を追求。そのほか、エッジ一体型の振動板形状と、振動板/ボビンの接合方法の最適化により、45kHzの高域再生能力を実現した。
ミッドレンジは130㎜径のペーパーコーン。振動板に渦巻き状の溝を設けることで共振を抑え、滑らかな中高域を再生できるという。前述のARシリーズで採用したスライス・ペーパー・コーンよりも振動重量を軽くすることで、より自然な再生音を獲得したとしている。ウーファは165㎜径アルミコーン2基のダブルウーファ構成で、強力な磁気回路で駆動するという。
エンクロージャもARシリーズと同様に、剛性の高さと響きのコントロールを追求。内部補強材を含め、北欧産のバーチ(樺)材を使用し、「寒冷地で育った独特の澄み切った響きを有する」という。バッフルの板厚は36mmで、強固な剛性を実現。日本の木工職人の手により、接合方法や接着剤などを吟味した高精度な加工で組み上げられている。
システム全体の再生周波数帯域は45Hz~45kHz。クロスオーバー周波数は400Hz/4kHz。出力音圧レベルは90dB(2.83V/m)。インピーダンスは4Ω。最大入力は100W。外形寸法は255×415×990㎜(幅×奥行き×高さ)、重量は約32㎏。
(2010年 8月 23日)
[AV Watch編集部 中林暁]