東芝、Cellなど高性能半導体の製造設備をソニーに譲渡

-SCE含む3社合弁解消へ。東芝はシステムLSI事業再編


 東芝は24日、ソニーや、ソニー・コンピュータエンターテインメント(SCE)との合弁会社である長崎セミコンダクターマニュファクチャリング(NSM)が操業している「Cell Broadband Engine」(Cell)などの半導体製造設備を、ソニーに譲渡する基本合意書を締結したと発表した。'11年度初頭の譲渡実施を目指しており、これに伴い、NSMに対する3社の合弁関係は解消される。

 NSMは'08年3月に設立され、ソニーセミコンダクタ九州(SCK)の長崎テクノロジーセンター敷地内において、Cellや、画像処理用LSI「RSX」といった高性能半導体などを生産している。

 譲渡が予定されている製造設備は、'08年に東芝がソニーとSCKから購入し、NSMに貸与していた長崎テクノロジーセンター内の300mmウェハーラインと、東芝が同設備購入後にNSMによる操業のために投資したもののうち、東芝とソニーで別途譲渡に合意した設備となる。

 ソニーは、この製造設備を買収後、一部をデジタルカメラなどのCMOSセンサーの生産ラインに割り当てる予定。なお、Cellの製造も継続され、東芝への供給も行なわれる。

 今後、東芝とソニーは半導体製造設備の譲渡に関して、譲渡対象設備の精査の手続きなどを経て、2010年度内早期に正式契約を締結。2011年度初頭の譲渡実施を目指す。

 東芝にとって、今回の製造設備譲渡は同社システムLSI事業再編の一環。2011年1月1日付で同社システムLSI事業部は「ロジックLSI」と「アナログ・イメージングIC」の2つの事業部に再編され、一連の事業構造改革を通して、各事業領域の特性に応じた運営を行ない、経営の効率化や収益性の改善などを図る。



(2010年 12月 24日)

[AV Watch編集部 中林暁]