キヤノン、実売85,000円の業務機CMOS搭載ビデオカメラ
-328万画素CMOS、光学20倍ズームのエントリー機も
キヤノンは、同社の業務用機「XF100/105」と同じ撮像素子を搭載した、AVCHD方式ビデオカメラ「iVIS HF M41/M43」を2月上旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は内蔵メモリ32GBの「M41」が85,000円前後、64GBの「M43」が10万円前後。月産台数は、各モデル3万台。本体カラーはM41はシルバーとレッドの2色、M43はブラックのみをラインナップする。
また、1/4.85型約328万画素CMOSセンサー「HD CMOS」を搭載したエントリーモデル「iVIS HF R21」を2月上旬に発売する。本体カラーはレッド、シルバー、ブラックの3色をラインナップする。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は6万円前後。月産台数は5万台。
■HD CMOS PRO搭載「iVIS HF M41/M43」
レッド |
M41とM43の違いは、内蔵メモリ容量とカラーのみで、それ以外の仕様は共通。内蔵メモリはM41が32GB、M43が64GBを内蔵する。SDHC/SDXCカードも2スロットを装備し、リレー記録にも対応。同時記録には対応していない。なお、リレー記録時にはフレームの欠落が発生する。AVCHDの録画モードは、MXP(約24Mbps)、FXP(約17Mbps)、XP+(約12Mbps)、SP(約7Mbps)、LP(約5Mbps)の5種類。
最大の特徴は、XF100/105と同じ1/3型有効画素数約207万画素(総画素約237万画素)の「キヤノン HD CMOS PRO」を単板で搭載していること。レンズは虹彩絞りを搭載した新設計の10倍ズーム「キヤノン HDビデオレンズ」で、F値はF1.8~3.0。焦点距離は35mm判換算で、43.6~436mm。最短撮影距離は10mm(オートモード時、AF連動、ワイド端)。高速で高精度にピントを合わせるという「ハイスピードAF」となっている。映像エンジンは「DIGIC DV III」。
手振れ補正は、歩き撮りでの手ブレ抑制に効果的な「ダイナミックモード」、望遠撮影時の手ブレを軽減する「パワードIS」などを装備する。
上位モデル「iVIS HF G10」と同様に、「PLAY! ドラマティック」としてシナリオモード、タッチデコレーション、シネマルックフィルターの3機能を搭載。シナリオモードは、プロが監修した10種類のテーマと撮影シナリオを収録しており、撮影前にテーマとシナリオシーンを選択すると、それにあわせた撮影すべきカットが表示され、それに従って撮影を進めると作品が仕上がるように構成されている。
タッチデコレーションは、付属のスタイラスペンで、画面内をデコレーションできる機能で、フレーム画像を合成したり、4種類のペンや、2種類のスタンプを30色の中から選んで、自由に書き込むことができる。また、8種類のきらきらした模様が流れるアニメーションを入れたり、日時・時刻をタイトルとして表示したりすることもできる。シネマルックフィルターは、従来のシネマスタンダードに加え、ポップ、ファンタジー、クールなど計9種類を内蔵している。
さらに、撮影シーンを自動的に判別する「こだわりオート」にテレ端で40cmまで寄れる「テレマクロ」モードが追加され、合計38シーンとなった。また、画面内にある人物の顔を検出して人物をきれいに撮影できるという「フェイスキャッチテクノロジー」や、ノイズと明るさのバランスを設定できる「AGC(オートゲインコントロールリミット)」なども搭載する。
液晶モニターは3型ワイド(23万ドット)、タッチパネル、広視野角/広色域対応で、ハードコートAR表面処理が施されている。ビューファインダーは0.24型(約26万ドット相当)で、視度調整機能も備える。いずれも視野率100%を実現している。
タッチパネルを使って、画面を指でなぞってメニュー画面のスクロールやズームの操作が可能なほか、タッチした被写体にピントや露出を合わせ続ける「タッチ追尾」や、メインに撮影したい人物を複数からタッチパネル上で選択できる「顔セレクト」なども利用できる。
マイクアンプにはオートマイクアッテネーターも備え、内蔵マイクに加え、外部マイクも対応。内蔵マイクは「モノラル」、「ノーマル」、「ワイド」の指向性切り替えが可能になったほか、周波数特性も「ノーマル」、「低域強調」、「低域カット」、「中域強調」、「低高域強調」の5種類から選択できる。
従来モデル同様、ビデオカメラ内のハイビジョン映像を、SD解像度のMPEG-2のファイルに変換する機能や、2/4/8秒から選択して動画を撮影し、内蔵の音楽と一緒に再生できる「ビデオスナップ」も引き続き搭載している。なお、ビデオスナップ機能では、オリジナル音声とビデオカメラ内の音楽の同時再生も可能になった。
連続撮影時間は、付属のバッテリパック「BP-808D」使用時で、液晶モニターを使用して、標準画質のSPモードで撮影した場合、約2時間5分、最高画質MXPモードで約2時間となっている。オプションの「BP-827D」を使用すると、それぞれ約6時間35分、約6時間25分の連続撮影が行なえる。
入出力端子はミニアドバンストシュー、HDMIミニコネクタ出力(x.v.Color、CEC対応)、AVミニ出力、外部マイク入力、ヘッドホン(AVミニ出力と兼用)、コンポーネント出力(特殊D端子)、USB 端子(mini-B)などを備える。
外形寸法は74×137×71mm(幅×奥行き×高さ、グリップベルト含まず)、重量は360g(本体のみ)/約420g(撮影総重量)。付属品は、HDMIケーブル「HTC-100/S」、ワイヤレスコントローラー「WL-D89」、ステレオビデオケーブル、USBケーブル、コンパクトパワーアダプタ「CA-570」、バッテリパック「BP-808D」、スタイラスペン、PIXELA Transfer Utility、Video Browser、音楽データ・画像ミックスデータディスクなどとなっている。
iVIS HF M41に、WP-V3を装着したところ |
また併せて、水深40mまでの防水性能(IEC/JIS保護等級「IPX8」相当)を持ったウォータープルーフケース「WP-V3」も62,790円で発売される。
手袋をはめたままでも細かな操作が可能な大型のズームレバーを備えるほか、急激な温度変化による結露を防ぐ二重ガラスや、光の反射を防ぐマルチコーティングを採用したレンズ窓を採用している。
■ エントリーモデル「iVIS HF R21」
シルバー |
iVIS HF R21は、総画素数約328万画素(動画有効画素数約207万画素)の「キヤノン フルHD CMOS」や、映像エンジン「DIGIC DV III」、光学20倍ズームレンズ「キヤノン HDビデオレンズ」を搭載したエントリーAVCHDビデオカメラ。
35mm判換算の焦点距離は41.2~824mm相当(F1.8~F3.6)で、手振れ補正はダイナミックモード搭載の電子式(動画時のみ)。なお、ダイナミックモード時の焦点距離は49~980mm相当となる。最至近撮影距離は1cm(AF連動、ワイド端)/40cm(テレマクロ時)。静止画は16:9時は1,920×1,080ドットだが、4:3時は2,016×1,512ドットで記録できる。
また、従来のRシリーズにはなかった、フィルターネジ(フィルター径34㎜)が切られており、0.7倍ワイドコンバーションレンズ「WD-H34II」と、1.5倍テレコンバーションレンズ「TL-H34II」が2月上旬に発売される。価格は各18,900円。
本体には32GBメモリを内蔵するほか、SDHC/SDXCカードも2スロットを装備し、リレー記録にも対応。同時記録には対応していない。なお、リレー記録時にはフレームの欠落が発生する。AVCHDの録画モードは、MXP(約24Mbps)、FXP(約17Mbps)、XP+(約12Mbps)、SP(約7Mbps)、LP(約5Mbps)の5種類。
液晶モニターは、3.0型ワイド(約23万ドット)のタッチパネル式で、視野率100%、ビューファインダーは搭載していない。タッチした被写体にピントや露出を合わせ続ける「タッチ追尾」や、タッチした被写体に素早くピントを合わせる「タッチフォーカス」も装備。また、付属のスタイラスペンで画面内に手書き文字・スタンプ・アニメーションなどを加えることができる「タッチデコレーション」も利用出来る。なお、シナリオモードやシネマルックフィルターは搭載していない。
「オートテレマクロ」を含む、撮影シーンを38通りに自動的に判別し、最適な設定・画像処理を行なう「こだわりオート」も装備しているほか、ビデオカメラ内のハイビジョン映像を、SD解像度のMPEG-2のファイルに変換する機能や、2/4/8秒から選択して動画を撮影し、内蔵の音楽と一緒に再生できる「ビデオスナップ」を搭載している。
連続撮影時間は、付属のバッテリパック「BP-110」使用時で、液晶モニターを使用して、標準画質のSPモードで撮影した場合で約85分。
アクセサリーシューは装備せず、入出力端子はHDMIミニコネクタ出力(x.v.Color、CEC対応)、AVミニ出力、外部マイク入力、ヘッドホン(AVミニ出力と兼用)、コンポーネント出力(特殊D端子)、USB 端子(mini-B)などを備える。
外形寸法は60×121×61mm(幅×奥行き×高さ、グリップベルト含まず)、重量は270g(本体のみ)/約310g(撮影総重量)。付属品は、HDMIケーブル「HTC-100/S」、ステレオビデオケーブル、USBケーブル、コンパクトパワーアダプタ「CA-110」、バッテリパック「BP-110」、スタイラスペン、PIXELA Transfer Utility、Video Browser、音楽データ・画像ミックスデータディスクなどとなっている。
(2011年 1月 19日)
[AV Watch編集部 古川 敦]