SRS、iPhone/iPod対応アダプタの新モデル「iWOW 3D」

-WOW HDで音質補正/省電力化。5色のカバー付属


iWOW 3D(iPod touch装着時)

 シネックスは、米SRS LabsのiPod/iPhoneオーディオアダプタの新モデル「iWOW 3D」(iWOW-3DFJ)を5月12日に発売する。価格は7,980円。

 iWOW 3Dは、iPhone/iPodのDockコネクタに接続して、別途ヘッドフォンやスピーカーにつなぐことで、SRS WOW HDなどの音質補正機能を利用できるアダプタ。内部にDACとアンプを内蔵し、iPhone/iPodの音楽をデジタルのまま取り出して補正処理を行ない、ステレオミニから出力する。なお、補正機能をOFFにしたままでも音声出力は可能。電源はiPhone/iPodから供給する。

 対応iPhone/iPodは、iPhone 3G/3GS/4とiPad、iPod touch/classic、第3~6世代iPod nano。従来モデルのiWOW-02はiPhone 3GSなどにフィットさせるアダプタが付属していたが、iPhone 4に対してはケースなどによって装着できない場合があったため、より幅広い機種に装着できるよう、横幅を縮小したシンプルな形状に変更された。

 また、ステレオミニ端子は従来の直挿しから、ケーブル直出しに変更。標準プラグアダプタなど、様々な機器/アダプタに接続しやすくした。なお、iWOW-02が備えていたボリューム調整機能は省かれている。

 本体前面のフェイスプレートは付け替えが可能となっており、プレートの色は黒/青/ピンク/緑/シルバーの5色を同梱する。「その日の気分やファッションなどに合わせて付け替えられる」としている。

ステレオミニ端子はケーブルタイプに付け替え可能なカバーは5色同梱パッケージ
iPod nanoへの装着時
iPadへの装着時


SRS機能のオフ時はボタン部が消灯

 音質補正の基本的なアプローチはiWOW-02と同様で、前面のボタンをONにすることで、水平/垂直方向に音場を広げ、立体的な再生を実現。低域/高域それぞれに補正を行ない、圧縮音源で失われた帯域の再現などを図っている。従来モデルはSRS WOWをベースにしていたが、iWOW 3DではSRS WOW HDの機能を投入。人が知覚しやすい音をより聴こえやすくした一方、演算効率を向上させることで消費電力を従来モデルに比べ抑えたという。内部のハードウェア構成は従来モデルと同じで、DSPはTI製。

 外形寸法は40×125×10mm(幅×奥行き×高さ)、重量は15g。ケーブル部の長さは87mm。

 従来モデル同様に、App Storeで公開中の無償アプリ「SRS iWOW App」(英語版)で各種サラウンド設定が可能となっており、音場の拡大や低域/高域それぞれの強化をON/OFFできる。また、出力先としてヘッドフォン/外部スピーカー/車載スピーカーの3種類から選べ、それぞれに最適な再生が行なえるという。このアプリは、米SRS Labsのブログ閲覧や、音楽トリビアに関するクイズゲームといった機能も備えている。

 なお、前述の対応iPodのうち、nanoなどアプリがインストールできないモデルについては、サラウンド機能の詳細設定は行なえないが、本体ボタンをONにすると、全機能がONの状態となる。

iWOWアプリの画面。ヘッドフォンとスピーカー、自動車用のモードを用意広がりや低域強調、高域強調の機能をそれぞれON/OFFできる


■ 量販店で積極展開し、年内売上1万台が目標

SRS・ラボズ・ジャパンの渡邉英里氏

 2010年12月に発売されたiWOW-02は「テストマーケティング」と位置付けられ、オンラインを中心に300台限定での販売だったが、今回はヤマダ電機やヨドバシカメラ、ビックカメラなど量販店を中心に展開。パッケージも日本語にしたほか、店頭で手持ちのiPodなどを使って試聴しやすいように専用の展示台も用意する。年内の販売目標は1万台(販売代理店のシネックス中村明CE事業部長)。

 従来モデルの手応えについて、SRS・ラボズ・ジャパン インサイドセールス&マーケティングの渡邉英里マネージャーは「1カ月しないうちに売り切れて驚いた。SRSで初のハードウェアだったが、メディアの反響もポジティブなコメントが多く、ホームページへのアクセスも3倍近くなり、iWOWは受け入れられた」と振り返る。

 前回の発表会で目標として掲げていた「SRSサウンドの音の違いをより身近に多くのユーザーに実感してもらうこと」と、「SRSブランドの日本における認知度アップ」について、「新モデルでより多くの人に、より身近に実感してもらいたい」と語った。

 また、5月7日に東京・青山で行なわれた「春のヘッドホン祭 2011」にiWOW 3Dも出展していたが、他社ブースに比べ、iWOWのコーナーには女性が多く集まっていたという。前モデルの購入者は9割以上が男性だったとのことだが、5色のカバーをそろえ、ポスターも女性を起用しているiWOW 3Dについては、女性の購入者の増加にも期待を寄せている。

店頭用の展示台ブランド認知向上などをさらに推進することが目標各メディア/ブロガーからの反響の一部


(2011年 5月 10日)

[AV Watch編集部 中林暁]