凸版と有沢製作所、3Dディスプレイ用フィルムで提携
-パッシブ3D向けのFPRフィルムを共同で事業化
凸版印刷と有沢製作所は20日、偏光メガネを使い、左右の目に異なる画像を見せるパッシブ方式の3Dディスプレイ用パターニング位相差フィルム(FPR)事業について業務提携すると発表した。
両社は3Dディスプレイ用FPRの量産技術開発や同フィルムの製造を行なう合弁会社を6月1日に設立。新社名はトッパンアリサワオプティカルテクノロジーで、資本金は折半出資で4億9,000万円。所在地は東京都台東区で、代表取締役社長(非常勤)には凸版印刷 取締役 製造・技術本部長の三井清治氏が就任する。
従来のパッシブ方式の3Dディスプレイでは、パターニング位相差膜を成形したガラスを液晶パネル前面に貼る方法が一般的だった。しかし、今後は軽量化や低価格化などの要求から、生産効率の高いパターニング位相差フィルムの需要増が予想される。
有沢製作所は、3D向けのパターニング位相差膜を成形したガラス製品「Xpol」の製造販売を行なっており、放送局用の3Dモニターでトップシェアを誇る。一方、凸版印刷は液晶テレビ向けの反射防止フィルムの生産/販売を手掛け、ディスプレイ関連事業での実績やフィルム加工技術、コーティング技術を有している。そのため、両社は共同でパッシブ方式のパターニング位相差フィルムの開発を行なう合弁会社を設立し、早期に技術を確立。製品化と安定供給を目指すという。
(2011年 5月 20日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]