ソニー、全画素超解像ズーム搭載デジカメ2機種

-フルHD AVCHD。「DSC-WX30」「DSC-TX55」


「DSC-WX30」のバイオレット(V)モデル

 ソニーは、デジタルカメラ「サイバーショット」の新モデルとして、フルHDのAVCHD動画撮影に対応した2機種を発売する。価格はどちらもオープンプライス。「DSC-WX30」が8月5日発売で店頭予想価格が3万円前後。薄型の「DSC-TX55」が9月9日発売で38,000円前後。

 共通する特徴は、「全画素超解像技術」を電子ズームに用いて、薄型コンパクトな筐体ながら、高倍率ズームを実現した事。電子ズームで画像を拡大する際、超解像技術を用いて画像の劣化を抑える技術だが、その超解像処理において、全ての画素に対して、周辺画素からパターン分類を行なっているのが特徴。数百パターンのデータベースから最適なパターンを生成する事で、「ほとんど劣化の無い超解像画質が得られる」という。

 2機種に搭載しているレンズはどちらも光学5倍ズームだが、全画素超解像を使った電子ズームと組み合わせる事で、10倍ズームを実現。ソニーではこれを「全画素超解像ズーム」と名付けている。なお、全画素超解像ズームは静止画のみで、動画撮影時には使用できない。ただし、動画撮影時に同時撮影した静止画に、超解像処理を適用する事は可能。

 さらに、動画撮影時の手ブレ補正はアクティブモードに対応。ワイド側だけでなく、テレ側の手ブレも強力に補正する。

 なお、DSC-WX30/TX55に同梱するバッテリ(NP-BN)は、従来のバッテリから仕様の変更があるため、従来のカメラに入れて使う事はできない。従来モデル付属のバッテリは、WX30/TX55でも使用できる。




■DSC-WX30

 撮像素子は1/2.3型、裏面照射型のExmor R CMOSで、総画素数は約1,680万画素、有効画素は1,620万画素。レンズはカールツァイスのバリオ・テッサーで、35mm換算の焦点距離は25~125mm(静止画/4:3撮影時)、29~145mm(動画/16:9撮影時)。光学ズームは5倍だが、全画素超解像ズームは10倍となる。カラーはシルバー(S)、ブラック(B)、バイオレット(V)、ピンク(P)、ゴールド(N)を用意。

バイオレット(V)モデルカラーはシルバー(S)、ブラック(B)、バイオレット(V)、ピンク(P)、ゴールド(N)を用意。右上にあるのはWX30シリーズ専用ケースのバイオレット上部

 動画はAVCHDの1,920×1,080ドットに対応。モードはFX(1080/60i、24Mbps)、FH(1080/60i、17Mbps)、HQ(1,440×1,080/60i、9Mbps)が選択可能。MP4形式の録画も可能で、12M(1,440×1,080/30fps)、6M(1,280×720/30fps)、3M VGA(640×480/30fps)モードも用意している。

 3型、92.1万画素のエクストラファイン液晶ディスプレイを搭載。タッチパネルタイプとなり、指先で各種操作が可能。

 トイカメラ風やパートカラー、ミニチュアなど7シーンのピクチャーエフェクトを搭載。自動でシーンを判別し、適切な設定で撮影するプレミアムオート機能は33シーンに対応。スイングパノラマ撮影も可能で、顔検出や動きに対応。3D静止画を撮影する「3Dスイングパノラマ」にも対応する。

ピクチャーエフェクト選択画面撮影モードの選択画面

 HDMIミニ端子を装備。TransferJetやEye-fiにも対応。記録メディアはメモリースティック デュオとSDカードに対応する。

WX30をパーティーショット「IPT-DS2」に搭載したところ
 付属バッテリでの静止画撮影は約230枚、動画は約55分。外形寸法は92.2×19.1×51.9mm(幅×奥行き×高さ)。重量はバッテリを含めて約117g。

 なお、WX30をパーティーショット「IPT-DS2」に搭載すると、新機能が使用できる。カメラに向かって2回拍手すると、その人の方向にパーティーショットが振り向き、人物を探して撮影。撮影後はその人に向けて液晶ディスプレイ側を見せ、プレビュー表示を行ない、撮影画像が確認できる。




■DSC-TX55

DSC-TX55
 外形寸法は92.9×13.2×54.4mm(幅×奥行き×高さ)。重量はバッテリを含めて約109g。薄型・軽量ながら光学5倍ズームレンズを搭載し、フルHDのAVCHD動画撮影にも対応したモデル。全画素超解像10倍ズームも可能。カラーはシルバー(S)、ブラック(B)、レッド(R)、ブラウン(T)、ゴールド(N)を用意。

 撮像素子は1/2.3型、裏面照射型のExmor Rで、総画素数は約1,680万画素。レンズはカールツァイスのバリオ・テッサーで、35mm換算の焦点距離は26~130mm(静止画/4:3撮影時)、28~140mm(動画/16:9撮影時)。

 動画はAVCHDで、モードはFX(1080/60i、24Mbps)、FH(1080/60i、17Mbps)、HQ(1,440×1,080/60i、9Mbps)が選択可能。MP4形式の録画も可能で、12M(1,440×1,080/30fps)、6M(1,280×720/30fps)、3M VGA(640×480/30fps)モードも用意している。

 光学式手ブレ補正機能を備え、アクティブモードに対応。7シーンのピクチャーエフェクトや、33シーンのプレミアムオートなども搭載。スイングパノラマ、3Dスイングパノラマ撮影にも対応する。

 記録メディアはメモリースティック マイクロとmicroSD/SDHCに対応。ディスプレイは3.3型、122.9万画素のエクストラファイン有機EL。付属バッテリでの撮影可能枚数は約250枚、動画は約60分。


(2011年 7月 25日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]