Cerevo、Ustream用ビデオ配信ユニット「Live Shell」

-HDMI入力をWebベースでテロップ入力も。26,800円


Live Shell

 Cerevoは17日、ビデオカメラなどと接続し、PCを使わずにUStreamに映像配信できる配信機「Live Shell」を発表。同社直販サイトで予約受付を開始した。2011年中に発売予定で、直販価格は26,800円。量販店での発売も予定しており、交渉中とのこと。

 有線/無線LAN機能に対応しており、Ethernetやモバイルルータと接続することで、パソコンを介さずに、ビデオカメラのHDMI/アナログ出力映像をUstreamに配信できるビデオ配信ユニット。Ustreamが規定する「Ustream認定配信関連機器」として発表される初の製品となり、“USTREAM COMPATIBLE”のロゴが付与される。

 入力端子は、HDMIとコンポジット、アナログ音声、マイクを各1系統装備し、HDMIとマイク以外は付属のAVケーブルを介して入力する。ネットワーク機能としてはEthernet(有線)とIEEE 802.11b/g/nの無線LANに対応。ビデオカメラから出力されたHDMI信号などをLive Shellに入力し、Live ShellからUstream向けにビデオを配信する。配信解像度は704×528ドットで、ビットレートは最大1.5Mbps程度。Ustreamの配信画質については、同社が展開している「秋葉原ライブカメラ」でも確認できる。

USBの無線LANユニットが付属背面にHDMIとUSB端子を装備側面にEthernet
接続例

 HDMIやマイク、ラインなどの音声入力は全て独立した音声調整可能となっており、内部でミキシングの上配信される。本体下部には三脚穴も備えている。

 また、テロップ機能や各種設定が行なえるHTML5ベースのWebサービス「Dashboard」を新たに立ち上げた。Dashboardは、タブレットやスマートフォン、PCなどからアクセスし、Live Shellのビットレートなどの画質や画角をWeb上で変更できるサービス。Ustream配信中の画質変更や画角変更などにも対応する。

 さらに、Dashboardにはテロップ機能も装備。Dashboard上のテロップ入力画面から入力した文字をUstreamの映像に被せることができる。テロップのサイズや位置なども自由に変更可能となっている。発表会のデモにおいても、テロップ入力後数秒で、配信映像にテロップ付与されることが確認できた。

Dashboardでテロップ文字を入力し、位置を指定数秒後にUstreamの配信画面に反映される入力や回線速度などを設定できる
Dashboardの画面(PC)Dashboardの画面(スマートフォン)

 なお、Dashboardを利用するためには、ネットワーク回線が必須となるが、「(Live Shellは)Ustreamで配信するためのものなので、ネット環境があることは前提と考えている(Cerevo 岩佐琢磨 代表取締役)」としている。また、Dashboardを使わなくても、本体前面のディスプレイと左右の4つのボタンで各種設定を行なうことが可能としている。DashboardはAmazon EC2上で展開している。

 電源は単3乾電池×3本で、三洋eneloop、eneloop proを推奨。3時間以上の連続配信が可能という。また、ミニUSB端子も備えており、USB経由での給電も可能。モバイルバッテリなどで電源供給しながら、電池交換もできる。ACアダプタも付属する。

 外形寸法は68×120×26mm(幅×奥行×高さ)、重量は108g。アクセサリシュー取り付け金具も付属し、ビデオカメラのアクセサリシューにLive Shellを固定できる。


小型のボディサイズビデオカメラのアクセサリシューに装着できる

■ PCとスマートフォンの“間”を狙ったLive Shell

Cerevo 岩佐代表取締役(左)とUstream Asia中川 具隆 代表取締役(右)

 発表会はUstream Asiaで開催。Live Shellは「USTREAM COMPATIBLE」の認定プログラムの第1弾となる。同プログラムは、米Ustreamが提供するソフトウェア開発キットをハードウェアに組み込み、同社のテストを通過した製品にロゴを付与するもの。

 Ustream Asiaでは、同プログラムの目標を「より気軽に配信できる環境を作るためのもの」と説明。Live Shellもスマートフォンでは物足りないユーザーに訴求し、「番組配信に興味のある個人の方に使ってもらい、見るだけでなく、配信するユーザーを増やしたい」とする。

Cerevo 岩佐代表取締役

 Cerevoの岩佐琢磨 代表取締役は、Live Shellの概要を紹介しながら、実機デモを行なった。

 Ustreamはある程度の普及はしたものの、PCでは「周辺機器の接続や設定等が難しい」、スマートフォンでは「音が悪い、電池が持たない、ズームできない」といった課題があることを紹介。この間を埋める製品として、Live Shellを開発したとする。

USTREAM COMPATIBLEロゴを取得PCとスマートフォンの“間”を狙う

 IEEE 802.11b/g/nの無線LANを装備することで、モバイルルータや公衆無線LANなどと接続してUstream配信ができるほか、ミスの許されない配信のために、有線接続に対応。同社のCEREVO CAM live!など発売後、欲しいという意見が多かった「HDMI」への対応や、バッテリ駆動時間への不満に対する「単3電池駆動」対応など、従来製品への不満を解消したとする。

 また、Dashboardのデモを実施。Dashborad上のテロップ入力画面から、テロップの文字入力や位置設定を行なうと数秒後に実際のUstream配信画面に反映された。


タッチ操作で、Live Shellを制御テロップなどにも対応する

 なお、Live Shellの対応ビデオカメラについては、「基本的にHDMIを備えたカメラであれば問題なく接続できる」とのことだが、今後同社ホームページでの情報提供なども検討していくという。販売目標は非公開。


(2011年 10月 17日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]