富士通テン、新ユニット採用のタイムドメインスピーカー
-スタンド一体型など3モデル。「正確な音」を追求
左からTD508MK3、TD510MK2、TD510zMK2 |
富士通テンは、「タイムドメイン」(時間領域)理論に基づいたホームオーディオ用スピーカー「ECLIPSE TDシリーズ」の「TD510」と「TD508II」をモデルチェンジ。それぞれ「TD510MK2」、「TD508MK3」として2月上旬より発売する。
「TD510MK2」のスタンド一体型モデル「TD510zMK2」も発売するほか、「TD508MK3」には別売スタンドを用意する。製品ラインナップは下表の通り。
製品名 | 型番 | カラー | 価格(1本) |
10cm径スピーカー(スタンド一体型) | TD510zMK2 | シルバー(SV) ホワイト(WH) ブラック(BK) | 199,500円 |
10cm径スピーカー | TD510MK2 | 99,750円 | |
8cm径スピーカー | TD508MK3 | 49,350円 | |
TD508MK3専用スタンド | 508DMK3 | - | 26,250円 |
2005年に発売したタイムドメインスピーカーのTD510/TD508IIの音質面を強化。インパルス応答性を改善し、周波数特性と能率も向上した新開発ユニットを搭載したほか、エンクロージャの内部容積をアップした。同社のホームHi-Fiオーディオ技術と車載オーディオ技術を統合したことで「世界最高レベルの『正確な音』を実現した」としている。
「タイムドメイン理論」は、周波数領域に着目した従来の再生方法に加え、「時間領域(タイムドメイン)の再現性」に着目したもの。音が発生する際に起きる振動の発生から消滅までの時間的な過程を再現。原音の波形を再現して原音に限りなく近づけることを追求している。
スピーカーユニットは新開発で、フラッグシップモデル「TD712zMK2」で採用されているグラスファイバーを振動板に使用。軽量ながら高い剛性と適度な内部損失を確保、素材固有の響きを排除している。エッジ素材には振幅量を確保しながら固有音の少ないブチル系ラバーを使っている。
磁気回路は、センターポールにTDシリーズで初めてショートリングを採用し、駆動時の磁気歪みを抑えている。また、マグネットやボイスコイルの最適化により、前モデルより磁束密度を向上。位相特性が良く、低音から高音までタイミングの揃った正確な音を再生するという。
独自の「エッグシェル・コンストラクション」(卵型構造)の内部容積を拡張し、音域を拡大。TD510zMK2/TD510MK2では旧モデルより内部容積を約14%、TD508MK3では約33%拡張。スピーカーユニットの駆動に対する背圧の影響を抑え、スムーズなストロークを確保しつつ周波数帯域を広げたとしている。
TDスピーカーの断面図 | 「TD508MK3」の設置イメージ(別売の508DMK3を使用) | 「TD510MK2」の天吊り設置イメージ(別売ブラケット使用) |
スタンド一体型のTD510zMK2は、フラッグシップモデル「TD712zMK2」を踏襲したスタンド構造を採用。不要振動を徹底排除し、「TD712zMK2に迫る正確な音を追求した」という。
また、スピーカーやスタンドの支持においてもTD712zMK2のコンセプトを継承。3本のスパイクとオリジナルの特殊固定構造で点接触を実現した。そのほか、リスニングポイントに合わせた調整が簡単に行なえる無段階の角度調整機能を採用。環境に応じてスピーカー部を上下方向で-10度~15度の範囲で調整でき、より立体的な音場再現が可能だという。別売ブラケットを使った天井取り付け時でも、床置きと同様に角度調整できる。
型名 | TD510zMK2 TD510MK2 | TD508MK3 |
ユニット | 10cm径フルレンジ | 8cm径フルレンジ |
再生周波数帯域 | 42Hz~22kHz | 52Hz~27kHz |
能率/感度 | 84dB | 82dB |
許容入力 (定格/最大) | 25W/50W | 15W/30W |
インピーダンス | 6Ω | 8Ω |
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 384×393×978mm(TD510zMK2) 255×381×391mm(TD510MK2) | 180×268×289mm |
重量 | 約19.5kg(TD510zMK2) 約9.5kg(TD510MK2) | 約3.5kg |
(2012年 1月 11日)
[AV Watch編集部 中林暁]