ソニー、次世代裏面照射型「積層型CMOS」増産に向け800億投資


ソニーセミコンダクタ 長崎テクノロジーセンター

 ソニーは22日、ソニーセミコンダクタ 長崎テクノロジーセンターにおいて、次世代裏面照射型CMOSである積層型CMOSイメージセンサーなどの生産能力を増強するための設備投資を、2012年度上期から2013年度上期にかけて実施すると発表した。投資額は総額約800億円。これにより、CCDとCMOSセンサーの総生産能力は、2013年9月末時点で約6万枚/月になるという。

 スマートフォンやタブレットなどの需要が急拡大している事に合わせ、主に積層型CMOSセンサーのウェーハ加工用の新規生産設備や、CMOSセンサーが生産できるウェーハライン増強などに設備投資を行ない、供給体制を強化。「CMOSセンサーのリーディングポジションを確固たるものとし、今後も業界を牽引していく」としている。

 既報の通り、積層型CMOSは、従来の裏面照射型CMOSで必要となっていた支持基板の代わりに、信号処理回路が形成されたチップを用い、その上に裏面照射型画素を形成した画素部分を重ね合わせたもの。センサーの小型化や、小さなチップサイズで大規模な回路の搭載が可能になるという。


長崎テクノロジーセンターの内部従来の裏面照射型CMOS(左)と積層型CMOS(右)

 ソニーではこうしたコア技術を、重点事業領域と位置づけているデジタルイメージング事業やモバイル事業における、自社製品に幅広く展開する事で、成長戦略を加速させるとしている。

 なお、設備投資約800億円の内、2012年度の実施予定分の約450億円は、5月の決算発表で発表した今期の半導体の設備投資見込額に含まれている。また、設備投資の一部では、経済産業省の平成23年度「国内立地推進事業費補助金」を活用するという。


(2012年 6月 22日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]