ドコモ、Xi対応スマホ3機種、タブレット2機種を発表

-7.7型有機EL GALAXYはNOTTV対応。クアッドコアも


スマートフォン3機種とタブレット2機種の、合計種5モデルを発表した

 NTTドコモは28日、秋モデルのラインナップとして、スマートフォン3機種とタブレット2機種の、合計種5モデルを発表した。発売時期は、スマートフォンの「AQUOS PHONE si SH-01E」が10月、SH-01Eをベースにデザインをカスタマイズした、ファッションブランド「Vivienne Westwood」とのコラボモデルの「SH-01E Vivienne Westwood」(限定3万台)が11月~12月、「Ascend HW-01E」が10月~11月、「Optimus G L-01E」が10月~11月。

 タブレットは7型液晶の「MEDIAS TAB UL N-08D」が9月~10月発売、7.7型有機ELの「GALAXY TAB 7.7 Plus SC-01E」が10月~11月の予定。

 いずれのモデルも、受信時最大75Mbpsの高速通信が可能なXi(クロッシィ)に対応する。さらに全モデルワンセグに対応し、ミュージックプレーヤー機能も装備。「Ascend HW-01E」と「Optimus G L-01E」、「GALAXY TAB 7.7 Plus SC-01E」はモバキャス(NOTTV)に対応する。

 OSは全ての端末でAndroid 4.0。無線LANを使ったテザリングにも対応する。

 「Ascend HW-01E」は世界最速5秒の起動を謳うモデル。「AQUOS PHONE si SH-01E」と「SH-01E Vivienne Westwood」、「Optimus G L-01E」は防水仕様。「Optimus G L-01E」はクアッドコアCPU「Snapdragon S4 Pro」や2GB RAMを搭載するハイスペックモデルで、動画を再生しながらズームイン・アウトができる「ライブズーム」機能などが利用できる。


AQUOS PHONE si SH-01ESH-01E Vivienne WestwoodAscend HW-01E
Optimus G L-01EMEDIAS TAB UL N-08DGALAXY TAB 7.7 Plus SC-01E
型番SH-01EAscend
HW-01E
Optimus G
L-01E
MEDIAS TAB UL
N-08D
GALAXY Tab
7.7 Plus SC-01E
種類スマートフォンタブレット
メーカーシャープHuaweiLGNEC
カシオ
サムスン
ディスプレイ4.1型
540×960ドット
CG Silicon液晶
4.5型
720×1,280ドット
TFT液晶
4.7型
720×1,280ドット
TFT液晶
7.0型
800×1,280ドット
TFT液晶
7.7型
800×1,280ドット
有機EL
モバキャス
(NOTTV)
--
ROM/RAM16GB/1GB8GB/1GB16GB/2GB16GB/1GB32GB/1GB
外部メモリ
(最大)
microSD
(SDXC 64GB)
microSD
(SDHC 32GB)
microSD
(SDXC 64GB)
microSD
(SDHC 32GB)
外部カメラCMOS
約1,210万画素
CMOS
約1,310万画素
CMOS
約1,325万画素
CMOS
約810万画素
CMOS
約300万画素
CPUMSM8960
1.5GHz
デュアルコア
APQ8064
1.5GHz
クアッドコア
MSM8960
1.5GHz
デュアルコア
APQ8060
1.5GHz
デュアルコア
OSAndroid 4.0
Wi-Fi
テザリング
5台8台8台10台8台
防水/防塵○/○-/-○/--/--/-
バッテリ容量1,660mAh1,800mAh2,210mAh3,100mAh5,100mAh
3G連続
待受時間
約430時間約360時間約300時間約900時間未定
LTE連続
待受時間
約270時間約230時間約240時間約570時間未定
3G連続
通話時間
約370時間約400時間約500時間約690時間未定
外形寸法
(縦×横×厚み)
約116×59
×9.9mm
約131×65
×9.9mm
約137×69
×9.4mm
約199×114
×7.9mm
約197×133
×7.9mm
重量115g135g145g249g345g


■Optimus G L-01E

 LGエレクトロニクス製「Optimus G L-01E」は、クアッドコアCPUの「Snapdragon S4 Pro」(APQ8064 1.5GHz)を搭載、2GB RAMメモリや、4.7型のIPS液晶を搭載するなどしたハイスペック端末。日本向け仕様も充実しており、Xiやおサイフケータイ、ワンセグ、モバキャス(NOTTV)にも対応している。

Optimus G L-01E

 このスペックを活かし、プリインストールされている「動画」アプリで映像ファイルを再生中、ピンチイン/アウト操作で、再生中動画のズームイン/アウト表示が可能。ただし、「動画」アプリのみ可能な操作で、その他のサードパーティ製アプリやNOTTVアプリでは利用できない。処理能力の高さを活かし、全体的な操作性/レスポンスが向上しているという。

「動画」アプリで、再生しながらズームイン/アウト表示をしているところ

 内蔵ストレージメモリは16GB。microSDカードスロットも備え、SDXCの64GBカードまで利用可能。デジカメ機能は1,325万画素のCMOSを採用している。テザリングは8台まで利用可能。カラーリングはRedとBlackの2色。



■Ascend HW-01E

 Huawei製「Ascend HW-01E」の特徴は高速起動で、「世界最速の5秒起動」と謳っている。この高速起動を活かし、映画館や病院などで電源をOFFにした後も、すぐに起動する使い勝手の良さをアピール。カメラの起動やシャッタータイムラグ、ブラウザの動作なども高速化したという。

 なお、この高速起動は、起動の高速化に必要な一時ファイルをメモリに保存し、起動時に読み出す、PCで言うところの「スタンバイ」的な機能になっている。そのため、電源OFF時もメモリには通電しており、微量ながら電力を消費する。この高速起動は、Androidの設定メニューから「高速ブート」をONにすると利用できる。そのため、このモードをOFFにしたり、再起動を選んで一時ファイルを削除した状態で起動すると、30秒程度必要になるという。

Ascend HW-01E起動中の画面
再起動を選択すると、一時フアイルを削除していいかどうか聞かれる高速ブートをONにすると、5秒起動が利用できる

 4.5型、720×1,280ドットの液晶ディスプレイを搭載。ワンセグ、モバキャス(NOTTV)にも対応する。カラーバリエーションはWhiteとBlackカラーバリエーションはWhiteとBlack。

 デジカメは裏面照射型の1,310万画素センサーを使用。静止画撮影では、人間の顔を変な形にアレンジして撮影したり、より美しく撮影できるビューティーモード、ベストショットを選択できるグループ撮影モードなどを備えている。



■AQUOS PHONE si SH-01E

 シャープ製端末の「AQUOS PHONE si SH-01E」は、PinkとWhiteの2色を用意。ディスプレイは4.1型、540×960ドットのCG Silicon液晶を採用している。高画質化機能として、色彩を実物の色に近づけるという「ナチュラルモード」を搭載した、画質調整技術「SVエンジン3」を採用。リフレクトバリアパネルやアウトドアビュー機能により、屋外でも見やすい表示を実現したという。

AQUOS PHONE si SH-01E

 「Just Fit Size」というコンセプトを掲げており、横幅を59mmに抑え、女性も含めて使いやすいデザインと機能を盛り込んだという端末。防水、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線などに対応するが、NOTTVには非対応。

 カメラは裏面照射型の1,210万画素CMOSを搭載。約0.4秒でカメラが起動する「ON速起動」や、タイムラグ無しで撮影できる「連撮モード」、HDR(ハイダイナミックレンジ)撮影機能なども備えている。フルHD動画撮影にも対応。撮影動画を編集し、YouTubeなどにアップロードする事もできる。

 UIはシャープ独自の「Feel UX」。薄型テレビのAQUOSや、AQUOSブルーレイとWi-Fiで接続し、ホームネットワークを利用して静止画や動画・音楽を共有する「スマートファミリンク」機能にも対応する。

 「Vivienne Westwood」ブランドとのコラボモデル「SH-01E Vivienne Westwood」(限定3万台)は、ブランドの代表的モチーフである「オーブ」をカモフラージュで表現している。カラーはOrb Camouflageのみ。奥行き感のある重ね塗装をすることで、上質な仕上がりになったという。きせかえツールや壁紙でもブランドの世界観を再現した。

SH-01E Vivienne Westwood


■GALAXY TAB 7.7 Plus SC-01E

GALAXY TAB 7.7 Plus SC-01E

 サムスン電子製のタブレット「GALAXY TAB 7.7 Plus SC-01E」は、7.7型の有機ELディスプレイを採用。解像度は800×1,280ドット。GALAXYのタブレットとして初めてワンセグに対応するほか、GALAXYシリーズとして初めてNOTTVにも対応している。

 チップセットはクアルコム製の1.5GHzデュアルコア「APQ8060」、1GB RAM、32GBの内蔵メモリを搭載。最大32GBのmicroSD/SDHCカードも使用できる。カメラは外向きに約300万画素、内向きに約200万画素を採用。

 アプリ起動中でも電子メールやSMS、ペンメモなどが使える「Mini Apps」を搭載。マルチタスク作業が快適にできるという。

 外形寸法は約197×133×7.9mm(縦×横×厚み)、重さは約345g。カラーはLight Silverのみで、ヘアライン仕上げのアルミとなっている。




■MEDIAS TAB UL N-08D

 NECカシオモバイルコミュニケーションズ製の7型タブレット。カーボンファイバーを筺体に使っており、外形寸法約199×114×7.9mm(縦×横×厚み)ながら、約249gという軽さを実現しており、ドコモでは「コミック1冊分」と表現している。

MEDIAS TAB UL N-08Dアンテナを伸ばしたところ

 ディスプレイは7型、800×1,280ドットのTFT液晶。2つのWebサイトを同時表示できる「デュアルタブブラウザ」などをプリインストール。タッチパネルから細かな振動を指先に伝える事で、リアルな触感を得ながら操作できるという「HDハプティクス技術」も採用している。

 カメラは裏面照射型の810万画素で、多彩なエフェクト機能や、らくがき、スタンプによるデコレーション機能も用意。撮影した画像や動画を、無線LAN経由で、その場にいる人達の端末に転送する「メディアシェア」機能も備えている。



■「iPhoneに関してのスタンスは変わらない」

GALAXY TAB 7.7 Plus SC-01E

 ドコモは例年、夏向けモデル、冬向けモデルと、2回に分けて発表している。今回秋モデルをこのタイミングで発表した理由について、プロダクト部長の丸山誠治氏は、「スマートフォンのOSやデバイスの進化はスピーディーで、我々の製品発表のタイミングとマッチしない事も増えてきた。今回は個性的な5機種が出来上がったタイミングで、まとめて発表する事にした」と説明。

 高いハードウェアスペックを備えたモデルが多いことから、「アップルから登場が噂されるiPhone 5を意識した発表か?」と問われた丸山部長は、「我々は次のiPhoneについて、まったく存じ上げていないので何とも申し上げられないが、今回の端末はそれなりのコストをかけて準備してきたもの。日本市場におけるお客様のニーズを考え、小型であるとか、使いやすさだとか、タブレットでは7型で機動性があるとか、そうした日本市場向けの提案が、お客様に受け入れられるかどうかだと考えている」とコメント。

 また、ドコモが次期iPhoneを扱う可能性については、「iPhoneに関してのスタンスは、従前と変わっていない」(丸山部長)と返答した。


プロダクト部長の丸山誠治氏

 さらに、アップルとサムスンの法廷闘争に関して、ドコモへの影響については、「特に影響は無いと考えている。ドコモの基本スタンスとして、発明者の権利は保護されるべきで、知的財産も侵害しないよう慎重に対処している。ドコモブランドの端末は、各社とドコモが共同開発しているもので、その際に、第三者の権利を侵害していないか、両社が分担してチェックするなど、慎重にやってきている」。

 「また、知的財産権に関しては国によって考え方が異なる、そのため、裁判の争点もバラバラになるし、その結果(判決)がバラバラになっても不思議ではない。日本での訴訟がどうなるかが一番問題だと思っている。日本での争点は、画面の端までスクロールすると、バウンドするように見える“バウンシング特許”と、PCと端末のデータ同期に関しての2点だと認識しているが、前者はドコモの端末では必要な対策をとっており、特に問題ないと考えている。2点目は近日中に東京地裁で判決が下ると聞いているので、現時点でのコメントは控えさせていただきたい」(丸山部長)とした。



(2012年 8月 28日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]