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アイ・オー、初の「DTCP+」NAS。録画番組を宅外でも再生

DiXiMのPCソフト利用。nasneからのダビング操作アプリも

 アイ・オー・データ機器は、家のテレビ/レコーダで録画した番組を保存し、外出先からでも視聴できる初の「DTCP+」対応NAS(LAN HDD)を発表した。

 Ethernetを備えた録画用NAS「RECBOX」の「HVL-Aシリーズ」として2月下旬に発売し、価格は2TBモデル「HVL-A2.0」が27,720円、3TB「HVL-A3.0」が36,645円、4TB「HVL-A4.0」が52,290円。

 DTCP+は、著作権保護付きコンテンツのストリーミング配信やNASのムーブを、ホームネットワーク内だけでなく、インターネットを介した外出先の機器へも行なえる規格。2012年1月にDTCP-IP 1.4として技術規格が策定されたが、これまで対応製品は発売されていなかった。

 「HVL-Aシリーズ」に付属するデジオン製のWindows PC用ソフト「DiXiM Digital TV 2013 for I-O DATA」を使うことで、自宅にあるRECBOX(HVL-A)に保存した録画番組を、外出先のパソコンでも視聴可能。なお、回線速度などの関係で、リモート視聴時に快適に再生できる動画のビットレートは3Mbps以下を推奨している。

 DTCP+のリモートアクセスは、規格上、3つの条件を満たすことが必要となっている。1つは「事前のローカルレジストレーション(ペアリング)」で、RECBOXとクライアントはペアリングが必要。登録できる上限は20台だが、同時に接続できるのは1台のRECBOXにつきクライアント1台。2つ目は、「外部機器からのライブ中継禁止」で、番組は一旦RECBOXのストレージに保存する必要がある。3つ目は「リモートアクセスは同時に1台まで」という規定。RECBOXはこれらに準拠した仕様となっている。

 現状では、リモート接続の方式に標準仕様が決まっていないため、DTCP+対応機器同士でも、接続方式が異なるとつながらないという問題がある。アイ・オーは「先行して製品を投入することで、業界のデファクトを目指す」としており、デジオンの接続サービス「DiXiM Remote」を採用。ルータを越えたアクセスが可能な「NATトラバーサル技術」により宅外アクセスが可能となっている。

 HVL-Aシリーズの発売時点ではリモートアクセス対応クライアントはWindows PCのみだが、PC以外でもDiXiM Remote対応した機器が製品化されれば、HVL-Aのコンテンツをリモート再生できるようになるという。

HVL-Aシリーズ
DiXiM Digital TV 2013 for I-O DATAを使って、PCでリモート再生が可能

 従来のRECBOXと同様に、LAN内にあるテレビからのDLNA/DTCP-IPダビングも可能。対応レコーダやテレビなどのダビング先として利用できるほか、サーバーとして、DTCP-IP/DLNAクライアント機能を備えたテレビなどに映像配信することも可能。同時に3台までの機器へ配信できる(DTCP+リモートアクセスは1台のみ)。また、RECBOXからのムーブアウトも可能で、対応BDレコーダの東芝「レグザブルーレイ」やパナソニック「DIGA」などへムーブして、BDに書き出すといったことも行なえる。

 SCEのネットワークレコーダ「nasne」からのダビングや、スカパー! HDチューナの録画用HDDとしての利用も可能。なお、「HVL-AVシリーズ」とは異なり、CATV STBからの録画には対応しない。富士通製スマートフォンARROWSのDiXiM Playerアプリを使って、録画番組をLAN内で再生することも可能。そのほか、通常のLAN HDDとしてパソコンのファイル共有なども行なえる。

 スマートフォン/タブレット用の無償アプリ「Magical Finder」も提供し、iPhone/AndroidからRECBOXのコンテンツにアクセスして設定/操作することも可能。なお、nasneは「ダウンロード型ムーブ」に対応しているため、Magical Finderの操作でnasneからRECBOXにダウンロードさせることもできる。

Magical Finderアプリを使って、nasne番組のRECBOXへのダビング操作をスマホ/タブレットから行なえる
本体背面

 省電力スタンバイモードも用意。チューナからのアクセスが無い場合は、HDDの回転を止めてスタンバイモードに移行。予約が開始する直前に再開する。また、不意の停電などの後には、電力回復後に自動で前回の稼働状態に復帰する。最大4台まで重ねて設置可能。前面にUSB端子を備え、デジカメやAVCHDビデオカメラの写真/動画を取り込むことも可能。外形寸法は215×183×40mm(幅×奥行き×高さ)。

 今後の機能拡張も予定。製品出荷後のファームウェアアップロードにより、「オートダウンロード機能」を搭載予定。これは、nasneなど(ダウンロード型ムーブ対応機器)に録画した番組を、RECBOXへ自動でダウンロードするというもの。レコーダがSD解像度の録画に対応している場合はSD解像度でダウンロードし、外出先でのリモート視聴もスムーズに行なえるようになるという。

(中林暁)