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DTCP+対応「RECBOX」がnasne/DIGAからの自動ダウンロード対応

外出先からの視聴を簡単に。トランスコーダも開発中

RECBOX HVL-Aシリーズ

 アイ・オー・データ機器は、家のテレビ/レコーダで録画した番組を保存し、外出先からでも視聴できる「DTCP+」対応のLAN HDD(NAS)「RECBOX HVL-Aシリーズ」のベータ版ファームウェアを17日に公開。新たにDTCP-IPダウンロードムーブ対応機器への自動ダウンロード機能を追加するほか、SD解像度でダビングに対応する。

 なおベータ版ファームウェアのため、通常のアップデート方法ではなく、ユーザー登録後にパソコン経由でファームウェアをダウンロードし、USBメモリなどを経由してアップデートする必要がある。

DTCP+のリモート配信の準備を自動化

 「HVL-Aシリーズ」は録画用NAS「RECBOX」の新モデルで、2TB「HVL-A2.0」、3TB「HVL-A3.0」、4TB「HVL-A4.0」の3モデルを用意。DTCP-IPサーバー/ムーブなどの機能に加え、日本のデジタル放送など、著作権保護付きコンテンツのストリーミング配信やNASのムーブを、ホームネットワーク内だけでなく、インターネットを介した外出先の機器へも行なえる点が特徴。外出先での視聴クライアントとしてWindowsパソコン用の「DiXiM Digital TV 2013 for I-O DATA」を提供している。

 新ファームにより、DTCP-IPのダウンロード型ムーブに対応したnasneや、DIGA、AQUOSブルーレイなどのレコーダに録画した番組を、RECBOXへ自動でダウンロード可能になる。これによりレコーダに録画した番組を自動でRECBOXにバックアップできる。

 またレコーダがSD解像度の録画に対応している場合、SD解像度でRECBOXに番組をダウンロード。外出先でのリモート視聴がスムーズに行なえる。

nasneの自動ダウンロード設定

 これまでのDTCP+によるリモート視聴においては、「レコーダなどで録画」し、「HVL-Aシリーズにダビングした」、「ビットレート5Mbps以下の番組」という3つの条件が必要だった。新ファームでは「ダビング」の手間が自動化されるため、リモート視聴の手間を削減できる。

 DIGAやAQUOSブルーレイでは、予約時に番組持ち出し設定が必要。nasneの場合、Vita用の持ち出し番組を同時に録画しているため、その持ち出し番組を自動ダビングできる。

 自動ダウンロード元のサーバー設定は、4つまで登録可能。自動ダビング番組は、放送波(地上/BS/110度CS/スカパー! プレミアム)のほか、HD/SD優先設定、空き容量制限、コピーカウントチェックなどから設定できる。例えばコピーワンスの番組で複数のコピーカウントがない場合は、自動ダビングを制限する、といった制御が可能となっている。

 レコーダに録画番組が増えたかを定期的にチェックしてRECBOXにダウンロード。チェック間隔は、15/30/60/120分から選択可能。またnasneのみ、アニメやスポーツなどの「ジャンル」ごとの自動ダビング設定が行なえる。

放送波やHD/SD優先設定などを選択
コピーカウントチェックも

 アイ・オー・データによる動作確認機種は、nasneとDIGA、AQUOSブルーレイの最新モデル。同社ホームページで案内している。

 nasneは、自動ダビングとHD/SDダビングに対応。DIGAは、自動ダビングとSDのみのダビングが可能で、対応機種はDMR-BZT9300/BZT9000/BXT3000/BZT920/BZT910/BZT900/BZT830/BZT820/BZT810/BZT800/BZT730/BZT720/BZT710/BZT700/BZT630/BZT620/BWT600/BWT530/BWT520/BWT510/BWT500。AQUOSブルーレイは自動ダビング対応で、対応機種はBD-T2300/T1300/W1200/W520。

専用トランスコーダも開発中

 HVL-Aシリーズにはトランスコーダを搭載していないため、RECBOX内の番組をMPEG-4 AVC/H.264などに変換して配信できない。リモート視聴の推奨ビットレート1~5Mbpsとなっているため、デジタル放送のDRモード録画番組や、高ビットレートの番組については、レコーダ側で1~5Mbps程度に抑えてからRECBOXに転送する必要があった。

 こうした課題を解消するためのHVL-Aシリーズ用トランスコーダも開発。同社のUSB地デジチューナとほぼ同サイズのトランスコーダをHVL-Aの前面/背面のUSBポートに接続することで、HVL-A内のコンテンツを低ビットレートにトランスコードして配信可能とするもの。価格や発売時期は未定だが、今夏を目標に開発している。

 また、iOSやAndroid用のDTCP-IP(ホームネットワーク)用クライアントや、DTCP+のリモート視聴用(外部ネットワーク)のクライアントについても、検討中としている。

(臼田勤哉)