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ソニー、フルサイズCMOSでローパスレス仕様の「RX1R」

“自然物向け”で約25万円。RX1購入者対応は「今後検討」

DSC-RX1R

 ソニーは、コンパクトデジタルカメラ・サイバーショットシリーズのハイエンドモデルとして、35mmフルサイズの撮像素子を搭載し、光学ローパスフィルタを省いて解像感を向上させたモデル「DSC-RX1R」(RX1R)を7月5日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は25万円前後。

 35mmフルサイズ/有効約2,430万画素のExmor CMOSセンサーを搭載した、レンズ一体型のコンパクトデジタルカメラ。プロやハイアマチュアをターゲットとした製品で、カールツァイスの「ゾナーT* 35mm F2」レンズを搭載している。なお、型番の末尾に付くRは、「resolution」(解像度)を表している。

 2012年11月に発売した「DSC-RX1」(直販248,000円)から光学ローパスフィルタを省いたことが特徴。ローパスフィルタによる拡散処理を行なわないため、レンズに入った情報から解像感を損なわずに撮影可能。直線が格子状に入った人工物などの撮影時にはモアレや偽色が発生する恐れがある一方で、自然物の撮影時に高い解像感を得られることをメリットとしている。従来機のRX1は今後も併売され、「自然、人工物を問わずオールラウンドに性能を発揮するモデル」と位置付けられる。

 なお、既存モデルRX1のユーザーに対し、ローパスフィルタを省くといったサービスは現時点では予定していないが、同社は27日に行なわれた発表会において「今後、お客さまの声に真摯に耳を傾けながら対応を検討していきたい」(ソニー デジタルイメージング事業本部 第二事業部 事業部長 槙公雄氏)とコメントしている。

 同じく7月5日より、1型の裏面照射型CMOSセンサーを搭載した「DSC-RX100M2」も発売。この製品については、別記事で紹介している。

光学ローパスフィルタを省いたことで、自然物の撮影を重視する人向けのモデルと位置付ける
主な特徴
RXシリーズは、同日発表のRX100 IIや既存のRX1/RX100を合わせて計4機種のラインナップに
「DSC-RX1R」(左)と、同日に発表された1型裏面照射CMOS搭載の「DSC-RX100M2」(右)

 RX1Rの基本仕様は、ローパスフィルタを省いた以外はRX1とほぼ共通。レンズ一体型である事を活かし、レンズの描写性能を最大限に引き出して周辺部まで高解像な画像を実現。レンズのフィルタ径は49mmで、絞りは9枚羽根。薄型非球面のAA(Advanced Aspherical)レンズを採用している。

 画像処理エンジンのBIONZを搭載。秒間5コマの高速連写や、14bit RAW記録などに対応。負荷の高い画像処理も高速に行なえるという。エリア分割ノイズリダクションを採用し、画像全体に単一のノイズ低減処理をかけるのではなく、画像を分割し、それぞれの部分に最適な処理をかける事で、ノイズを抑えつつ、コントラストのはっきりした高画質画像が得られるという。

 AVCHD Ver.2.0のフルHD動画撮影も可能。1,920×1,080ドットで60p、60i、24pまでの録画が行なえる。ビットレートは約28Mbpsの「PS」、約24Mbpsの「FX」、約17Mbpsの「FH」などを用意する。さらに、MPEG-4 AVC/H.264(MP4)形式での撮影も可能で、最大1,440×1,080ドットの30pで記録できる。動画撮影中はP/A/S/Mモードが選択でき、マニュアル設定も可能。本体にステレオマイク、モノラルスピーカーも備えている。

内蔵フラッシュをポップアップしたところ

 アクセサリーシューは「マルチインターフェースシュー」。一眼レフのαやハンディカムなどのアクセサリも利用できる。本体にビューファインダは搭載しないが、別売EVFの「FDA-EV1MK」などを装着できる。

 レンズには、絞りリング、マクロ切り替えリング、フォーカスリングを搭載。前面下部にはフォーカスモード切り替えダイヤルも装備。直感的なマニュアルコントロールができるという。

 記録メディアはメモリースティック デュオとSD/SDHC/SDXCカードに対応する。HDMI出力を備え、新たに「トリルミナスカラー」もサポート。対応テレビと接続した際に、広色域で表示できる。背面に3型、122.9万画素の液晶モニタを装備。外形寸法は113.3×69.6×65.4mm(幅×奥行き×高さ)、重量は本体のみで約453g。筺体はマグネシウム合金。

DSC-RX1R
背面の液晶モニタ側
天面の操作部

(中林暁)