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ユキム、ELACの400 LINE最上位トールボーイ「FS409」
JET Vツイータや新ミッドレンジ採用。ペア924,000円
(2013/7/2 12:27)
ユキムは独ELACのスピーカー「400 LINE」の最上位モデル「FS409」を7月末に発売する。3.5ウェイのトールボーイ型で、価格はペアで924,000円。仕上げは、ハイグロス・ブラックと、ハイグロスウォールナットの2種類を用意する。
2012年末に新ツイータの「JET V」採用モデルとして登場した400 LINEのフラッグシップモデル。リボン型ツイータの「JET V」と、150mm径ミッドレンジ、180mm径ウーファ2基で構成する。既存モデルのFS407(2.5ウェイ/ペア483,000円)に比べ、全体域のスムーズな音のつながりや、低域の再生能力において圧倒的に上回ったという。
ツイータの「JET V」は、バッフル面全てをアルミダイキャスト製に変更(従来ユニットのJET IIIはアルミ+樹脂)。開口部も従来の5ギャップから4ギャップデザインとなり、放射特性を改善した。また、表面からネジを無くしている。
振動板の素材は従来と同じカプトンだが、アルミ電極パターンをより細く改良し、振動板面積を20%拡大。振動板を保持する機構を改良し、面積の拡大に合わせて磁気回路もより強力にした。この結果、共振周波数を低く抑え、可聴レンジから遠ざけたという。
FS409には、専用開発の150mm径ミッドレンジユニットも搭載。再生帯域に合わせて特別設計されたフラット・スパイダーとラバー・サラウンド(スムース・ダンピング・ラバー・サラウンド)を使用、ミッドレンジとして始めてネオジウムマグネットを採用したという。アルミ・ダイキャスト製の一体型バスケットも採用している。
ウーファユニット「AS XR CONE」もFS409用に新設計。振動板はクルトミューラー製のセルロースパルプ/アルミのハイブリッドで、プレス加工されるクリスタルラインのパターンを新たに最適化。バッフル面はアルミダイキャストに変更され、裏側に続くバスケットまでを一体成型として強度を高めている。ボイスコイル内径を拡大したほか、正確なピストンモーションを行なうためラバーエッジを大型化。内部にアルミニウムリングを配し、共振周波数近くの振動を抑えている。アルミとパルプを張り合わせるグルー素材も見直している。
ネットワークを保持する「マッシブ・マウンティング・プレート」も新開発。247SEなどに採用されている空芯コイル(ハイパワー・エアー・コイル)を、ウーファ向けに過去最大級という180mmまで大型化。ミッドレンジ用も含め全てのコイルが空芯で製作されている。ツイータ部に採用されたMPT(ポリプロピレン・フィルム・コンデンサー)や、ウーファ部のMKT(金属処理されたポリエステル・フィルム・コンデンサー)も、400LINE の高音質化に大きく貢献しているという。
マッシブ・マウンティング・プレートを介して、ネットワーク回路と最短で接続されたスピーカーターミナル「ソリッド・メカニカル・バインディング・ポスト」も開発。アルミプレートに取り付けられたターミナルは、手に持った時のサイズや、回しやすさなどを考慮して設計され、使いやすさと確実なロックを実現するとしている。
400 LINEはELAC製スピーカーとして初めてシングルワイヤで設計されていることも特徴で、FS409もこれを踏襲。シングルワイヤ採用の理由としては、バイワイヤ接続で優れたパフォーマンスを発揮するためには、アンプの能力や適切なスピーカーケーブルなどの条件が揃う必要があることや、バイワイヤ対応スピーカーをシングルで使う場合にジャンパープレートを介することにが劣化につながることを挙げており、「残念な事に対応するスピーカーを持っていても、バイワイヤ接続で使用されている状況は全体の数パーセントにとどまっている事に注目した」という。
FS247から採用されているバスレフ技術「ボトム・エミッション・テクノロジー」も搭載。底面のプレートに向けてバスレフポートを設けることで、常に壁(ベースプレート)への距離と放射特性を一定にでき、壁際にセッティングしてもバランスが崩れないという。さらに、FS407と同様のクロスバーも採用。ベース部はMDF/アルミプレート/MDF/スチールの3種4層構造で、振動の床への影響や、スピーカーへの振動の戻しも防いでいる。
周波数特性は、28Hz~50kHz、クロスオーバー周波数は140/360/2,700Hz、入力は定格200W/最大280W。能率は89dB。インピーダンスは4Ω。外形寸法は290×380×1,180mm(幅×奥行き×高さ)、重量は32.5kg。サランネットの取り付けはマグネット式。