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パナソニック、おまかせ録画/4K強化した新BDレコーダ

DIGAを一新し、5モデルがMGVC対応。モニター連携も

DMR-BZT860

 パナソニックは、Blu-rayレコーダ「ブルーレイDIGA」新モデル7製品を10月20日より発売する。最上位モデルの「DMR-BZT9600」はHDMI 2.0を装備し、4K/60pアップコンバートに対応、上位5モデルが4K/24pに対応するほか、最高36bitの高階調映像を記録した「マスターグレードビデオコーディング(MGVC)」に対応する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は4.5万円~40万円前後

 また、上位6モデルでは、新「おまかせ録画」を搭載し、放送種別やカテゴリ、サブカテゴリ、フリーワード、人名などの条件を組み合わせた自動録画が可能になった。同時発売の「ディーガモニター」にも上位6モデルが対応し、防水仕様の15/10型液晶モニターからDIGAの番組視聴や操作が可能になる。シングルチューナモデルのDMR-BRT260とDMR-BR160は、機能を絞り込み、録画・再生をシンプルに操作できる。

 また、全モデルでテレビ放送や録画番組、BD/DVDなどを0.8倍速で再生し、語学学習やニュースの確認などに利用できる新機能「ゆっくり再生」に対応した。

型番HDDチューナ4K
MGVC
新おまかせ
録画
店頭予想価格
DMR-BZT96003TB3
(60p/30p/24p)
40万円前後
DMR-BZT860○(24p)15万円前後
DMR-BZT7602TB11万円前後
DMR-BWT6601TB275,000円前後
DMR-BWT560500GB65,000円前後
DMR-BRT2601--55,000円前後
DMR-BR160320GB45,000円前後
DMR-BZT760
DMR-BWT660
DMR-BWT560
DMR-BRT260
DMR-BR160

 DMR-BZT9600/860/760は地上/BS/110度CSデジタルトリプルチューナを搭載。DMR-BWT660/560はダブルチューナ、DMR-BRT260/BR160はシングルチューナとなる。Ethernet経由のスカパー! プレミアムサービスLink録画に対応し、トリプルチューナ機は最大4番組の同時録画に対応する。内蔵HDDは、BZT9600/860が3TB、BZT760が2TB、BWT660が1TB、BWT560/BRT260が500GB、BR160が320GB。

 最大15倍のAVC長時間録画が可能。DMR-BZT9600/BZT860/BZT760、DMR-BWT660/BWT560/BRT260では、AVC長時間録画時の画質も向上し、ジャンル最適処理を改善。ドラマの場合、低レート時のボケやノイズを改善、音楽番組の場合、ブロックノイズやモスキートノイズを低減した。別売のUSB HDDにも対応し、HDD容量を拡張可能。BZT9600/860/760はUSB 3.0に対応し、USB HDDへの3番組同時録画も行なえる。

 なお、最上位モデル「DMR-BZT9600」の高画質/音質機能については別記事で紹介する。

BZT/BWT系はおまかせ録画強化やディーガモニター対応

 ここでは、DMR-BZT860/760、DMR-BWT660/BWT560の機能強化ポイントを紹介する。主な機能強化ポイントは「おまかせ録画」と、4K/マスターグレードビデオコーディング(MGVC)対応だ。

 DMR-BZT860と上位モデルの違いは、BZT9600がHDMI 2.0や2系統のHDMIを装備するほか、BZT9600のみ多くの高音質/高画質機能を内蔵していること。チューナ数以外の録画機能は、DMR-BZT9600/BZT860/BZT760、DMR-BWT660/BWT560の5モデルでほぼ共通となる。BZT9600については別記事で紹介する。

 録画機能の強化点として、シングルチューナモデルを除く、DMR-BZT860/BZT760/BWT660/BWT560で、新「おまかせ録画」に対応。複数の条件を組み合わせて関連番組を自動で録画できる。条件は、放送種別、カテゴリー、サブカテゴリー、フリーワード、人名などの組み合わせで絞込が可能。複数キーワードや除外キーワードの設定も行なえる。

 おまかせ録画した番組を視聴する際は、スタートメニューの「おまかせ録画」アイコンを選択すると、設定条件が一覧が表示される。条件を選ぶと、録画した番組の一覧が表示されるため、そこから番組を再生する。番組が新たにおまかせ録画された際には、おまかせ録画条件の一覧に通知が表示される。おまかせ録画した番組の自動消去も可能で、録画後10日後、20日後の自動消去を選択でき、おまかせ録画番組でHDDがいっぱいになることを避けられる。また消したくない番組に「プロテクト」をかけることも可能。

 DTCP-IP/DLNAで家庭内の対応機に録画番組や放送番組を転送する「お部屋ジャンプリンク」に対応。2番組同時のお部屋ジャンプリンクが可能で、HDMIで接続しなくても、お部屋ジャンプリンク対応のVIERAなどに映像出力できる。

ディーガモニター「UN-DM15C1」

 また、別売の防水対応ワイヤレスモニター「ディーガモニター」(UN-DM15C1/UN-DM10C1)と無線接続することで、DIGA内の録画番組をストリーミング視聴できるほか、ディーガモニターをDIGAの無線リモコンとして利用できる。タッチパネル操作で、DIGAの録画や再生、チャンネル切り替えなどが行なえるという。

 ネットサービス「ディモーラ」による遠隔録画予約や、「ミモーラ」による録画番組検索/シーン頭出しにも対応する(月額315円)。

 さらに、別売のDTCP+対応動画転送アダプタ「DY-RS10-W(実売価格15,000円前後)」を追加することで、外出先でのスマートフォンからの録画番組視聴に対応。アダプタをDIGAにUSBで接続し、DIGAの録画番組をSD解像度にダウンコンバートして、アダプタ内のSDカードに保存。同アダプタに外出先からアクセスすることで、録画番組のリモート視聴を実現する。スマートフォン用のアプリ「リモートビューアー」をApp Storeで提供する。

 リモートビューアーの対応OSはiOS 5.0、6.0以上、対応機種はiPhone 4S/5、第5世代iPod touch、iPad 2、第3/4世代iPad、iPad mini。11月下旬にはAndroid版も提供予定としている。

 また、2013年内の「リモートビューアー」アップデートにより、ディモーラ/ミモーラのプレミアム会員であれば、リモート視聴時でも録画番組のシーン再生機能が利用可能になる。

 SDカードスロットやUSBを備え、録画番組以外の写真や音楽などもDIGAに取り込み可能。リモコンの「おもいでボタン」を押すだけで、DIGA内の写真のスライドショーをお気に入りのBGMに乗せて再生できる。また、「動くアルバムメーカー」や「おまかせクリップ」など、写真や動画の編集を家族で楽しめる機能を搭載している。

 新しいDIGAを購入時に、これまで使っていたDIGAの内容を新DIGAに「引っ越し」する機能も搭載。番組は12年秋発売以降の対応モデルから、13年秋以降発売モデルについては、番組と写真も引っ越しできる。

4K/MGVC対応で画質を強化

 画質面については、4Kアップコンバート出力に対応。上位モデルの「DMR-BZT9600」はHDMI 2.0に対応し、4K/60p出力が可能だが、BZT860/760とBWT660/560はHDMI 1.4で、4K/24pまでの対応となる。

 4K対応システムLSI「新ユニフィエ」を搭載。独自の「4Kダイレクトクロマアップコンバート」により、ハイビジョン領域の色信号補間を経ずに、デコードしたハイビジョン信号からダイレクトに4K信号にアップコンバートすることで、鮮度が高く、自然な質感と立体感にある映像を実現できるという。

 市販BDタイトルの24p素材に加え、ハイビジョン放送などの映画も、4K/24pにアップコンバートできる。

 また、マスターグレードビデオコーディング(MGVC)にも対応。通常のBDビデオは24bit記録となるが、独自のビット拡張データをディスクに追加記録し、36bitのスタジオマスターに迫る高階調を実現するというもの。「紅の豚」、「となりのトトロ」などスタジオジブリ作品のBDビデオや、今後発売予定の「MEMORIES ハイスペックエディション」などがMGVC対応タイトルとなる。

 これまで、2012年発売の最上位モデルのみがMGVC対応だったが、最上位モデル以外にもMGVC対応を拡大した形となり、今季のDIGAでは合計5モデルでMGVC対応となる。

 0.8倍速再生の「ゆっくり再生」にも対応。ただし、BZT860/760では3番組録画中、BWT660/BWT560で2番組録画中は放送のゆっくり再生ができない。

 出力端子はHDMI×1など。リモコンは、BZT860のみタッチパット搭載の無線リモコンとなる。その他の機種は赤外線方式。

 省エネ設計を徹底し、最小電圧検出ICやゼロコントロールIC、省電力リモコン受光部などの独自の電源回路「ゼロサーキット」を搭載。業界初の待機時消費電力0.00W(0.005W未満)を実現し、リモコンの「0.00W待機」ワンボタンで設定可能となった。また、クイックスタート[入]時で1秒起動実現時でも、待機消費電力を4.9Wに抑えている。

型番DMR-
BZT9600
DMR-
BZT860
DMR-
BZT760
DMR-
BWT660
DMR-
BWT560
HDD容量3TB2TB1TB500GB
デジタル
チューナ
32
HDMI出力21
出力端子
(HDMI以外)
光デジタル音声×1
同軸デジタル
音声×1
アナログ音声
(RCA/2ch)×1
アナログ音声
(XLR)×1
光デジタル音声×1
アナログ音声(2ch)×1
アナログ音声(2ch)×1
入力端子-コンポジット×1、アナログ音声(2ch)×1
i.LINK1-
USB3(USB 3.0×1、USB 2.0×2)1(USB 2.0)
SDカード
消費電力約28W約25W約24W約21W約20W
外形寸法
(幅×奥行き
×高さ)
438×239×
77mm
430×189×
54mm
430×189×
44mm
430×189×41.5mm
重量約7.7kg約2.7kg約2.6㎏約2.2㎏約2.1㎏

DMR-BRT260/BT160

 シンプル/かんたんを特徴としたシングルチューナモデルで、DMR-BRT260は500GB HDDをDMR-BT160は320GB HDDを搭載する。新機能の0.8倍速「ゆっくり再生」に対応し、リモコンのワンボタンで開始できる。BD/DVDもゆっくり再生可能。

 BRT260には「新かんたんリモコン」が付属。よく使う「番組表」や「録画一覧」などにアクセスしやすくし、操作性を高めた。最大15倍のAVC長時間録画や、USB HDDによるHDD拡張にも対応。写真付きスライドショー「おもいで再生」も利用できる。

 また、Ethernetを装備し、無線LAN経由でスマートフォンやビデオカメラの映像を取り込む「Wi-Fi転送」に対応。DTCP+対応動画転送アダプタ「DY-RS10-W」を利用した、スマートフォンなどからのリモート番組視聴や、ディモーラからの録画予約に対応する。

 出力端子はHDMI×1のみ。SDカードスロットやUSB端子×1を装備する。消費電力は約16W。待機時消費電力はクイックスタート切時で約0.15W、クイックスタート入で約4.9W(電源ランプ点灯)/約3.3W(消灯)。外形寸法は430×189×41.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.8kg。

 DMR-BR160は、小型サイズや簡単操作が特徴のエントリーモデル。録画/再生の基本操作に絞った「かんたんスタートメニュー」により操作を容易にしているほか、表示文字を2倍に拡大する「でか文字」に対応。SDカードスロットのほか、Ethernetを装備し、ディモーラ/ミモーラなどのネットワークサービスにも対応する。消費電力は約14W。外形寸法は320×189×45mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.4kg。

(臼田勤哉)