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ソニー、4K/60p対応のフラッグシップ4Kプロジェクタ
「VPL-VW1100ES」。VW1000ESの4K/60有償対応も予定
(2013/10/9 13:06)
ソニーは、4K SXRDプロジェクタのフラッグシップモデル「VPL-VW1100ES」を12月5日より発売する。価格は178万5,000円。
0.74型/4,096×2,160ドットの4K SXRDパネルを搭載したプロジェクタ。2011年発売の「VPL-VW1000ES」の後継機で、新たにHDMIの4K/60p入力や、超解像処理の「リアリティクリエーション」に「Mastered in 4K」モードを搭載するなどで、機能強化を図っている。
なお、VPL-VW1000ESユーザー向けに、基板交換によりHDMIの4K/60p入力やMastered in 4K対応とする、有償のアップグレードサービスを実施予定。これにより、VW1000ESをほぼVW1100ES相当にアップグレードできる。価格や提供方法については後日案内予定。
HDMIの4K/60p対応とMastered in 4K以外の主な仕様はVPL-VW1000ESを継承している。
投写デバイスは0.74型の4K SXRDで、解像度はDCI(デジタルシネマ・イニシアティブ)規格に準拠した4,096×2,160ドット。アスペクト比は1.90:1。画素間スペースは0.2μm。開口率は90%。階調特性は12bit、フレームレートは120Hz。
シリコン駆動基板(画素駆動回路/画素電極形成プロセス)を平坦化することで、液晶層の厚みを均一化。表示輝度にムラが少なく高コントラストな画質を実現。また、プロ用カメラのイメージャー固着技術を「4K SXRD」の固着に採用することで、パネル精度を向上し、高度な光学部品設計や位置補正機能を搭載することで、高精度なパネルアラインメントが可能とした。
ディスプレイデバイスや映像処理回路は、11月発売の4Kエントリーモデル「VPL-VW500ES」と共通。VW1100ESとVW500ESの違いは、主に「レンズ」と「色域」の広さの2点で、この違いにより、ソニーはVPL-VW1100ESを「ソニー ホームシアタープロジェクタにおける絶対的フラッグシップモデル」と位置づける。
「レンズ」は、4K解像度専用設計の「ARC-F」レンズで、デジタルシネマ用と同等数のガラスレンズ18枚を使用。レンズ重量は2.3kg(VW500ESはプラスチック1枚、ガラス13枚で、重量0.9kg)。フォーカス時に2つのレンズ群を稼動させて画面の中心から周辺、また近距離投写から遠距離投写まで安定した結像性能を実現するという。4Kデジタルシネマと同等のレンズ映像技術とコーティング技術を採用している。
光学2.1倍の電動ズームレンズとなっており、上下方向80%、左右方向31%のレンズシフトにも対応する。光源は330Wの高圧水銀ランプを採用。輝度は2,000ANSIルーメンで、ダイナミックコントラストは100万:1(VPL-VW500ESは20万:1)。60~300型の投写に対応する。
「色域」については、専用のカラーフィルター搭載により、DCIと同等の広色域を実現。VW500ESはBT.709比で色再現領域は約123%だが、VW1100ESでは約139%をカバー。Adobe RGBもサポートする。また、広色再現領域の「トリルミナスディスプレイ」に対応する。
フルHD解像度の映像を高精細かつリアルな4K映像に変換する、データベース型超解像処理LSI「リアリティクリエーション」を搭載。新たに、リアリティクリエーションに「Mastered in 4K」モードを追加した。これにより、ソニー・ピクチャーズの4KマスタリングBDビデオソフト「Mastered in 4K」に対応し、Mastered in 4Kソフトをよりマスターに忠実に再現できるとする。
3Dにも対応し、3Dメガネ「TDG-PJ1」が2個付属する。なお、VPL-VW500ESは3D伝送にBluetoothを採用したが、VPL-VW1000ESは赤外線方式となっている。
入力端子はHDMI×2と、コンポーネント×1、アナログRGB(D-Sub15ピン)×1。HDMIは、4K/24p、30pのほか、4K/60p信号(4:2:0)の入力に対応し、既存のハイスピードケーブルで伝送可能。なお、HDCP 2.2への対応については「非公開」としている。トリガー端子や、RS-232Cのリモート端子、Ethernet、3D同期用のシンクロ端子などを備えている。
動作音は約22dB。消費電力は480W(待機時0.3W、スタンバイモード時4W)。外形寸法は520×640×200mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約20kg。