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世界初、宇宙から4K動画撮影に成功。アイソン彗星を若田飛行士撮影。12月4日にNHKスペシャルも

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は26日、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の若田宇宙飛行士が、世界初となる宇宙からの4K動画撮影に挑み、アイソン彗星の撮影に成功したと発表した。

 撮影に用いられたのは、NHKとJAXAが共同で準備を進めてきた宇宙用の超高感度4Kカメラシステムで、アイソン彗星とオーロラを撮影。

 アイソン彗星は、太陽の間近まで接近し、大量のチリとガスを吹き出し、巨大な尾をなびかせる“世紀の大彗星”になると期待されているが、若田宇宙飛行士は、11月23日午後7時08分(日本時間)にカナダ・オンタリオ州の上空420kmでアイソン彗星を撮影。「“大気の揺らぎ”のない宇宙という『彗星観測の特等席』から、アイソン彗星が尾から上がってくる様子を、世界で初めて4Kの動画に収めることに成功した」という。

ISSから撮影した「アイソン彗星」(C)JAXA/NHK
撮影日時:2013年11月23日(土)午後7時08分頃(日本時間)
撮影場所:カナダ・オンタリオ州付近(高度420km)

 また、彗星がもっとも良く見えると期待される時期の12月4日午後7時30分からの「NHKスペシャル」では、若田宇宙飛行士のコメントを交えながら自身の撮影によるアイソン彗星の姿をISSから生中継で紹介する予定(放送はHD)。

 若田宇宙飛行士は、「ISSから宇宙を見ると、地球から見るのとは違い、星々が3次元的に奥行きを持って広がって見え、宇宙の広大さを実感します。こうした息を飲むほど素晴らしい光景を、ぜひ皆さんに届けたいと思います。実際に超高感度4Kカメラを使ってアイソン彗星やオーロラを撮影したとき、モニターに映し出された美しい光景に驚かされました。今回のような機会に出会えたことは素晴らしいことですし、これから彗星が最も明るく輝く時まで、できるかぎり良い映像がとれるように努めたいと思います」とコメントしている。

(臼田勤哉)