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IMAGICA、小津安二郎監督“小津カラー”4作をデジタル修復。松竹が3月8日にBD-BOX化

3月8日に松竹が発売するBD-BOX「Color 4 OZU~永遠なる小津カラー」
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 IMAGICAは、小津安二郎監督生誕110年・没後50年に合わせ、松竹と東京国立近代美術館フィルムセンターとの共同事業により、カラー4作品「彼岸花」('58)、「秋刀魚の味」('62)、「秋日和」('60)、「お早よう」('59)のニューデジタルリマスターを実施。IMAGICAは映像のデジタル修復作業を担当した。このニューデジタルリマスター版4作品は、松竹がBlu-ray BOX「Color 4 OZU~永遠なる小津カラー」として3月8日に発売する。価格は18,900円。

 今回のデジタル修復作業は、原版フィルムに存在する様々な物理的瑕疵を修復、全てのフレームをデジタル化(スキャニング)するところから開始。フィルムを安全に走行させることを可能にしたDigital Film Technology製「SCANITY」を用いて、オーバースキャンモードにより4K解像度(4,300×3,956ドット)でデジタル化された。

 デジタル修復の工程は2K解像度で実施。傷やゴミ、揺れ、フリッカーなどの除去、経年劣化による色ムラの除去を重点的に施したという。色調調整では、小津監督の初の長編カラー作品である「彼岸花」のチーフ撮影助手であった川又昂撮影監督と、近森眞史撮影監督が監修。小津監督の製作意図に忠実に、アグファカラー(ドイツ製フィルム)の特徴的な発色をふまえた修復を行なった。音声は、同作品の助監督を務めた田中康義監督の監修のもと、松竹映像センター大船サウンドスタジオで修復した。

 完成したデータは富士フイルム製の「ETERNA-RDS」を使って三色分解レコーディングを実施。その後、IMAGICAウェストがレコーディングされた3本の白黒ネガから中間素材を通さず、ダイレクトに35mmプリントへ焼き付ける光学合成によるプリント作成を行なった。

 今回のデジタルリマスターが行なわれた「彼岸花」、「秋刀魚の味」、「秋日和」、「お早よう」の4作品は、松竹が3月日に初回生産限定のBlu-ray BOX「Color 4 OZU~永遠なる小津カラー」(SHBR-0223)として発売。片面2層BD 3枚と片面1層BD 1枚の計4枚入りで、価格は18,900円。

 本編は453分。4作品ともに英語字幕/日本語字幕を収録する。特典映像は約17分。映像は4:3で、音声はリニアPCMモノラル。収録4作品の既発売単品BDの初回特典だったオリジナルポストカードセットや他の特典(内容未定)も付属。4作品を単品購入した場合より840円低価格となっている。

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永遠なる小津カラー

(中林暁)