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富野監督新作「ガンダム Gのレコンギスタ」2014年秋公開。「THE ORIGIN」は2015年春

 1979年のテレビシリーズ放映開始から今年で35周年を迎える「機動戦士ガンダム」。それを記念した35周年プロジェクトの詳細が20日発表され、記念作品として、富野由悠季監督による新シリーズ「ガンダム Gのレコンギスタ」が2014年秋公開、安彦良和による同名コミックをアニメ化する「機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 碧い瞳のキャスバル」が2015年春にイベント上映される事が明らかになった。

35周年作品のキービジュアル
※(C)創通・サンライズ
「TOKYOガンダムプロジェクト2014 ガンダムプロジェクションマッピング “Industrial Revolution”-to the future-」
※(C)創通・サンライズ

 また、東京お台場のダイバーシティ東京 プラザ フェスティバル広場に立つ実物大ガンダム立像に関する新展開として、プロジェクションマッピングを活用した「TOKYOガンダムプロジェクト2014 ガンダムプロジェクションマッピング “Industrial Revolution”-to the future-」が3月20日~23日に開催される。一般公開に先立ち、報道陣向けに公開された模様もレポートする。

ガンダム Gのレコンギスタ

富野由悠季監督

 「Gのレコンギスタ」は、宇宙世紀の次の世紀、リギルド・センチュリーを舞台に、宇宙エレベーターを守る組織キャピタルガードのパイロット候補生、ベルリ・ゼナムの冒険を描くもの。

 発表会に登壇した富野由悠季監督は、「ガンダムをいかに世代を乗り越え、伝えていくか。ここ15年くらい本気で考えるようになったが、具体的に形にできずに今日まで来てしまったが、ようやく輪郭を見る事ができた」と説明。なお、「Gのレコンギスタ」のGは、ガンダムのGだけでなく、ガンダム大地に立つの、大地(グランド)の意味が含まれているという。また、レコンキスタではなく、レコン“ギ”スタとなっている事については「レコンキスタからの造語だけれど、濁点が入ってないと売れないから(笑)」だという。

 富野監督は、「ガンダムのキャラクターグッズを中心としたビジネスが35周年維持されてきた事を関係各位に感謝すると同時に、このようなビジネスを目指す関係者、新規参入者達が、このシステムがどのようなものか見抜いていただきたいと思う。そういうものについての目線が、必ずしも業界の中に育っているとは思っていない」と、ガンダムという成功したビジネスモデルの追従を目指す人を激励。

ガンダム Gのレコンギスタ※ジャケットとは異なります(C)創通・サンライズ

 また、レコンキスタには“再征服”といった意味があるが、富野監督はその意味を新作の世界観に取り込んだと説明。「三十数年やってきて、このビジネスのシステム、スタイルというのがまた50年続くとは思っていない。思っていないからこそ、新しいコンテンツが必要なのではないか、新しいメッセージがいるのではないか、そういうものを打ち出していくにはどうしたらいいのか、それを僕なりに考えたのがGのレコンギスタ」と解説。

 「これはORIGINやユニコーンまでのファンとは違う、あなた達が現在お育てになっているお子達に見せていただきたい、見ていただくものにしていきたい。作品の評価は終わってみないとわからないが、この歳にしてよくやったと自惚れています(笑)。そういう意味では、凄く単純に“乞うご期待”。お子達に、お孫さん達に、こういう物語があるよと伝えていただけるとありがたい。こういう事を35年目にして言える自分も幸せです こういう場が持てたのもファンの皆さんがいたからこそ。心から感謝している」と、これまでの応援への感謝と共に、新作への自信をにじませた。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 碧い瞳のキャスバル

機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 碧い瞳のキャスバル※ジャケットとは異なります(C)創通・サンライズ

 2015年春にイベント上映が予定されている「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」は、初代ガンダムのキャラクターデザイン・アニメーションディレクターである安彦良和が手がけた、同名コミックをアニメ化するもの。

 その名の通り、初代ガンダムの物語を新たな形で描いている作品だが、アニメの第1弾では、後に“赤い彗星”と呼ばれるシャア・アズナブルと、彼の妹セイラ・マスの運命を決定づけた悲劇と過去、2人の兄妹の流転の物語を全4話構成で描く予定で、この「シャア・セイラ編」をイベント上映形式で予定している。

機動戦士ガンダム UC episode 7 虹の彼方に

機動戦士ガンダム UC episode 7 虹の彼方に※ジャケットとは異なります(C)創通・サンライズ

 同じく35周年記念作品と位置付けられている「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」の最終話となる「episode 7 虹の彼方に」は、既報の通り、6月6日にバンダイビジュアルからBlu-ray/DVDが発売される。価格はBDの初回限定版が10,584円、BD通常版が8,424円、DVD版が7,344円。

 なお、BD/DVD一般発売に先駆け、5月17日から4週間限定で、全国35館にてイベント上映も実施。劇場ではBDの先行販売も実施され、初回限定版BDに、劇場限定特典として特製シナリオと生フィルムコマも追加した「episode 7 特製シナリオ&生フィルムセット 限定版Blu-ray」が限定2万セットを用意される。価格は11,000円。

 また、5月17日からは各ネット配信サービスにて先行有料配信も開始される。

「35周年はゴールではない」

バンダイナムコホールディングスの石川祝男社長

 バンダイナムコホールディングスの石川祝男社長は、ガンダムというIP(Intellectual Property/キャラクターなどの知的財産)について「全世界で700億円近い売上規模のビジネスになっている。バンダイナムコグループ全体の年間売上が4,850億円なので、それがいかに大きいかおわかりいただけると思う」と説明。

 さらに35周年プロジェクトの目的として、「35年はゴールではなく、今後40年、50年、100年とファンの皆様に支持されるIPとなるべく、新たなスタートを切る35年になる」と、今後の展開に自信を見せた。

 なお、35周年記念プロジェクトは、こうした作品だけでなく、原画や資料約1,000点を展示する展覧会「機動戦士ガンダム展 THE ART OF GUNDAM」も予定。大阪と東京でそれぞれ実施する。詳細は展覧会のサイトを参照の事。

 さらに、実物大ガンダム立像に次ぐ「REAL G Next Project」が40周年に向けてスタート。2019年に向け、新たなるリアルガンダムの制作を目指し、世界から叡智を集め、グローバルにプロジェクトを展開する予定で、詳細は4月上旬に公開予定のティザーサイト、35周年公式ホームページで随時発表するという。

実物大ガンダムにプロジェクションマッピング

プロジェクションマッピングがスタートする前の状態
(C)創通・サンライズ

 前述の通り、東京お台場のダイバーシティ東京 プラザ フェスティバル広場に立つ実物大ガンダム立像に関する新展開として、ガンダムのボディや背後のビル壁に映像を投写し、新たな表現を行なうプロジェクションマッピング企画「TOKYOガンダムプロジェクト2014 ガンダムプロジェクションマッピング “Industrial Revolution”-to the future-」が3月20日~23日に開催される。無料で鑑賞可能。

 21日~23日の実施時間は、19時、19時30分、20時、20時30分、21時の計5回の予定。雨天決行、荒天中止。詳しくは専用サイトを参照のこと。

 単にガンダムのボディに色などを投写するのではなく、ストーリー仕立てになっているのが特徴。戦いを終えたガンダムがドックに格納されたと想定し、ガンダムの体に修理を行なっているかのような溶接の火花が散るなどする。

 また、メカニックに扮したDJがガンダムの隣に登場。ドックヤードがパーティー会場に変化し、産業革命が起こった過去から、自然と共存する未来へと、有機的な変化がガンダムのボディを使って表現された。

腕や足などに火花が散って修理を表現したり、ディテールを光で縁取るなど、様々な演出が連続する
(C)創通・サンライズ
産業革命や自然との共存も表現
(C)創通・サンライズ
メカニックに扮したDJがガンダムの隣に登場
(C)創通・サンライズ

 なお、このガンダムプロジェクションマッピングを手のひらサイズで再現できる製品として、バンダイは「ハコビジョン 限定版 GUNDAM in DAIBA」を3月20日~23日の間、ガンダムフロント東京と、GUNDAM cafe ダイバーシティ東京プラザ店で限定販売する。価格は525円。

 ハコビジョンは、小さな四角いハコの上にスマートフォンを下向きに設置。専用の映像をスマートフォンに表示させると、箱のなかのフィギュアに映像が投写され、様々な演出が楽しめるというもの。お台場でのプロジェクションマッピングを再現した限定バージョンとなる。

「ハコビジョン 限定版 GUNDAM in DAIBA」
(C)創通・サンライズ
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(山崎健太郎)