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新TVアニメ「ガンダムビルドファイターズ」10月放送

ガンプラでバトル。ゲームや映像パッケージ化も

「ガンダムビルドファイターズ」
(C)創通・サンライズ・テレビ東京

 バンダイナムコグループは2日、東京・お台場のガンダムフロント東京にて、ガンダムシリーズの新作テレビアニメ「ガンダムビルドファイターズ」を発表した。10月からテレビ東京系列で放送される。

 作品のコンセプトは「現在のガンダムファンには“自身が熱くなったあのガンダム”が全く新しい戦いを繰り広げ、またこれからファンになる方に向けては、ガンプラを通じてガンダムの世界を楽しむことを提案する」というもの。

「ガンダムビルドファイターズ」を発表する、バンダイの代表取締役社長 兼 CGO(チーフガンダムオフィサー)の上野和典氏
(C)創通・サンライズ・テレビ東京
ゲストのSKE48の松井玲奈さんと、上野社長 兼 CGO

 コンセプトにあるように、ガンダムのプラスチックモデル、通称“ガンプラ”が物語の重要な要素。ガンプラを操作して戦うバトルシステム「ガンプラバトル」が世界大会が開かれるほどの人気を集めている近未来が舞台で、この世界では10年前に「プラフスキー粒子」と呼ばれる特殊粒子が発見されている。

 バトルシステムに、作ったガンプラの製作データが収録されている「GPベース」とガンプラ本体をセットすると、プラフスキー粒子が散布。この粒子はプラスチックに反応する性質があり、外部から粒子を操作する事で、人間がガンプラを意のままに操作でき、ライバルのガンプラとバトルができるというシステムになっている。

 また、粒子の変容効果により、ビーム兵器や爆発などのエフェクトも追加され、ガンプラ同士の戦いであっても、本物のガンダムのように臨場感のある、リアルなバトルが展開される。

 主人公のイオリ・セイも、ガンプラバトルの世界大会への出場を夢見る、若きガンプラビルダー(製作者)。ガンプラの製作技術や知識は大人顔負けだが、操作には疎い。彼とタッグを組むのが、ガンプラに興味はあまりないが、卓越した操作技術を持つ少年・レイジ。この2人をW主人公とし、「“僕が作って、オレが戦う”を合言葉に、2人が手を取り合いながら成長していく物語」(サンライズ第3スタジオの小川正和プロデューサー)だという。

ガンダムに関する知識は大人顔負けだが、ガンプラバトルの操縦には疎いイオリ・セイ
(C)創通・サンライズ・テレビ東京
謎の少年レイジ。卓越した操縦技術の持ち主
(C)創通・サンライズ・テレビ東京
生徒会長でガンプラバトルの世界大会にも出場した経験のあるユウキ・タツヤ
(C)創通・サンライズ・テレビ東京
イオリの姿を見ているうちに、ガンプラバトルに興味を持つようになる少女、コウサカ・チナ
(C)創通・サンライズ・テレビ東京

 題材となっている「ガンプラ」は、「ファーストガンダム」の放送が開始された1979年の翌年から販売が開始され、現在までに30年以上の歴史があり、多くのモビルスーツ(MS)がプラモデル化されている。このガンプラ自体を題材とする事で、「作品や世界観を超えたMSの共演が実現する。例えば機動戦士ガンダムとガンダムSEEDのMSが同一画面上に登場して迫力のバトルを繰り広げる事も可能。キーワードは“オールガンダム“、“動くガンプラ”」(サンライズの宮河恭夫取締役副社長)だという。

 また、ガンプラのカスタマイズが可能な点も取り入れており、イオリ・セイが作る「ビルドストライクガンダム」も、ガンダムSEEDに登場するストライクガンダムをベースにしながら、独自の改造を施している。バンダイの代表取締役社長 兼 CGO(チーフガンダムオフィサー)の上野和典氏は、「新しいファンに向けて、まったく新しいガンダムであると共に、どこかで見たことがある、熱くなったあのガンダムが、まったく新しい戦いを繰り広げる作品でもある」と、魅力を紹介した。

メカニックデザイン担当の大河原邦男からのメッセージも披露された
発表会場はお台場のガンダムフロント

ガンプラやゲーム、映像パッケージ展開も

 バンダイナムコグループは、放送に合わせ、各種商品やサービスの展開を開始。バンダイでは劇中のキーアイテム・ガンプラを中心に、デジタルカードゲームやカプセル玩具、玩具菓子などを展開。バンダイナムコゲームスからはゲームソフト、バンダイビジュアルからは映像パッケージを展開していく予定。

 中でも特徴的なのはガンプラ。劇中で主人公達が改造して生み出したガンプラを、そのまま商品化した「HG BUILD FIGHTERS」シリーズが発売される。第1弾は10月上旬発売の「HG 1/144 ビルドストライクガンダムフルパッケージ」(1,470円)。

会場に展示された「HG BUILD FIGHTERS」シリーズ
(C)創通・サンライズ
HG 1/144 ビルドストライクガンダムフルパッケージ
(C)創通・サンライズ

 また、「HG BUILD CUSTOM」シリーズも同時に展開。第1弾はフライトメカ「ビルドブースター」(525円)で、変形する事で、ビルドストライクガンダムに装着できるほか、今後登場する他のガンプラにも取り付けられるようなアタッチメントも付属。アニメさながらに、自分だけのオリジナルガンプラをカスタマイズして作り出せるようにもなっている。

「HG BUILD FIGHTERS」シリーズの今後のモデル。ザクアイメイジングと、ガンダムX魔王シリーズ
(C)創通・サンライズ
「HG BUILD CUSTOM」シリーズ。カスタマイズパーツとしてガンプラに接続できる
(C)創通・サンライズ
可動範囲が広く、様々なポーズがとれる
(C)創通・サンライズ

 ゲームソフトでは、PlayStation 3向けに、共闘バトルを醍醐味とした「ガンダムブレイカー」というアクションゲームが発売されている。このゲームでは、バトルを通じてパーツを集め、自分だけの機体を作り出せるという、「ガンダムビルドファイターズ」と親和性の高いシステムを採用している。これを活かし、ガンダムビルドファイターズとのコラボレーションを実施する事も発表された。

ガンダムブレイカー
(C)創通・サンライズ

 また、テレビ放送だけでなく、「配信や海外での展開についても、着々と準備を進めている」(上野社長 兼 CGO)という。

富野由悠季監督の新作や「THE ORIGIN」の新展開も

 サンライズの宮河副社長は、「ガンダムビルドファイターズ」に続く今後の作品についても説明。2014年は機動戦士ガンダムの35周年、2015年はガンプラ35周年を迎える事から、それに合わせたプロジェクトも進行。「ガンダムビルドファイターズ」は、それらの先駆けの作品にもなるという。

 今後の作品としては、「ガンダムユニコーン」の最終作となるエピソード7、そして富野由悠季監督による新作、さらに、ファーストガンダムを題材とした安彦良和氏のコミック「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の新展開も予定。「これら3作品は14年、15年を通じて発表していきたい」とした。

富野由悠季監督の新作や「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の続報も2014年、15年に明らかにされるという

SKE48の松井玲奈さんがゲスト

 発表会にはゲストとしてガンダムやガンプラ好きというSKE48の松井玲奈さんも登場した。

 新作シリーズについて松井さんは、これまでのガンダムシリーズのMSが総登場する事から、「いろんなシリーズのザクを見てみたいですね。どれが一番カッコイイのか気になります」とコメント。内容については、「戦争がテーマになっていないので、そういう中で、主人公の少年少女がどう成長していくのか、気になっていて、楽しみです」と語った。

 ガンプラについても、「今回のシリーズも凄く素敵」と気に入った様子。「ファン第一号として、一番に作りたいですね」と笑顔を見せていた。なお、松井さんがカラーリングをチョイスした、スペシャルガンプラも贈呈された。

ガンダムやガンプラ好きというSKE48の松井玲奈さん
スペシャルカラーリングのガンプラも贈呈された

(山崎健太郎)