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ドコモ、夏スマホは「dマガジン」などコンテンツ強化。VoLTEでビデオ通話も

NTTドコモの加藤薫社長

 NTTドコモは14日、スマートフォン7機種/タブレット2機種など'14年夏の新製品発表会を開催。4K動画撮影も可能なXperia Z2 SO-03Fや、GALAXY S5 SC-04F、AQUOS ZETA SH-04F、ARROWS NX F-05F、コンパクトなXperia A2 SO-04Fなどの新端末を披露した。

 コンテンツ関連では、15日からのdビデオ/dアニメストアのサービス強化や、雑誌記事を配信する新サービス「dマガジン」を6月に開始することを明らかにした。また、サービスの強化については、LTEを活用した高音質な新通話サービス「VoLTE(Voice over LTE)」を日本で初めて提供開始することなどを発表した。

 なお、各端末の主な特徴や、dビデオdアニメストアについては、それぞれ別記事で掲載している。

雑誌を“記事単位”で楽しめる、キャリアフリーの「dマガジン」など

dマーケットの取扱高

 dビデオやdアニメストアなどのコンテンツサービス「dマーケット」は、'12年度の取扱高290億円から、'13年度は550億円に拡大。'14年度は900億円を目標と設定。

 4月1日からは、チャンネル型音楽配信の「dヒッツ」において「500円コース」も開始。プログラム数は従来の150から300に強化したほか、歌詞閲覧も可能になった。さらに、お気に入りの曲をいつでも聴ける「myヒッツ登録」も新機能として搭載している。

dマガジン

 さらに、6月からは電子書籍の新サービス「dマガジン」をスタート。月額400円(初回7日間無料)で70誌以上の雑誌記事が読み放題となるサービスで、iPhone(iOS 6.1~7.1)/Android(4.0~4.4)スマートフォンに対応。ドコモ以外の端末でも使えるキャリアフリーサービスとなっている。

 興味のあるジャンルなどを記事単位で探して読めることが特徴。縦軸でジャンル(14種類)の切り替え、横軸で記事の選択を行なう独自のUIで、複数の雑誌記事を横断的に探して読める。記事をクリッピング(最大100枚)して、後で読むこともできる。紙の雑誌の全ページがdマガジンで読めない場合もあるが、少なくとも5割以上は読めるという。

 サービス開始に合わせて、「LEON」や「オレンジページ」は初の電子化となる。また、復刻で話題となった「Hot-Dog PRESS」や「週刊アスキー」、「週刊ファミ通」なども読み放題に初登場となる。

70誌以上が読み放題となる
ジャンル別に、記事単位で探して読むことが可能
気になった記事をクリッピングして、後で読める

VoLTEで高音質通話、ビデオ通話も

VoLTEの特徴

 VoLTEは、LTE通信を活用した通話サービス。対応端末同士での通話時に、より高音質に通話できるほか、ドコモによるスマホ向けサービスとしては初(フィーチャーフォン向けやiPhoneのFaceTimeなどを除く)のビデオ付き通話「ビデオコール」も提供。通常の電話機能で利用できる。従来の音声通話時は、周波数帯域が300Hz~3.4kHzなのに対し、VoLTEでは50Hz~7kHzに拡張。声がより自然に聴こえるなど、高音質な通話を可能にしている。

 対応端末は5月15日から順次発売のスマホ/タブレット計6機種で、スマホがGALAXY S5 SC-04F、Xperia Z2 SO-03F、AQUOS ZETA SH-04F、ARROWS NX F-05F、タブレットがAQUOS PAD SH-06F、Xperia Z2 Tablet SO-05F。6月下旬以降に行なうソフトウェアバージョンアップで対応する。

 ビデオコールは、音声とともにQVGA解像度(最大384kbps)の映像も合わせて送受信できるもので、通話相手の顔を見ながら話したり、スマホの背面カメラで撮影したものを相手に見せながら話すといったことが可能。通話アプリの発信画面でビデオコールが選べるほか、音声通話の途中からビデオコールに切り替えることもできる。

 また、発信してから着信までの時間が短縮されるのも特徴で、発表会で上映されたデモ映像では、従来が7.50秒で着信したのに対し、VoLTEでは2.66秒と大幅に短くなっていた。

 そのほか、ゲーム機のニンテンドー3DSでの無線LAN通信に利用できる「かんたんテザリング for ニンテンドー3DS」も提供。任天堂と共同開発したドコモのスマホ向けアプリで、スマホのWPS機能で簡単にテザリング設定が行なえ、ニンテンドー3DSの通信対戦などに利用できるという。

VoLTE対応端末
ビデオコール画面
ニンテンドー3DS用の「かんたんテザリング」アプリも用意

夏モデルの特徴は、VoLTE、電池、アクセサリ

新スマホのポイント

 NTTドコモの加藤社長は、夏モデルのポイントとして大きく3つ「VoLTEへの対応」、「電池の急速充電・節電機能」、「docomo selectの提供」を挙げて説明。6月より開始する新たな料金プランなどと合わせて紹介した。

 VoLTEについては、従来通話との音声品質の違いをデモ。例として「リカちゃん」も登場し、“リカちゃん電話”のように話す声で、従来の通話音声とVoLTEを比較。帯域の狭い従来方式に比べ、VoLTEでは声が自然に聴こえるなど、音質の違いをアピールした。

従来方式
VoLTE

 電池については、進化した充電機能「急速充電2」を採用。SC-04Fで残量15%時に60分充電すると、通常方式(AC03)では50%、これまでの急速充電では77%だったのに対し、新しい急速充電2では92%まで高速化することを説明した。さらに、「非常用節電機能」も装備。残量が15%になると消費電力量を低減して、約3日間待受け可能(SC-04F/2,800mAhの場合)になるという。

急速充電2
非常用節電機能

 ドコモショップなどで扱うアクセサリは、「docomo select」という名称で統一。従来はドコモブランドで販売する製品だけでなく、ソニーのスピーカーやBluetoothアクセサリなど、他社ブランドのラインナップも強化する。新製品としては、通話やタブレットの操作などに使えるソニーのBluetoothハンドセット「BRH10」(キャンペーン価格で約9,800円)、Xperia Z2やXperia Z2 Tabletで使えるノイズキャンセリング対応イヤフォン「MDR-NC31EM」(同約5,000円)、ドコモ・ヘルスケアの活動量計「ムーヴバンド2」などを発売予定。また、別記事で紹介しているワイヤレステレビチューナ「TV BOX」も、docomo selectの製品として販売される。

アクセサリを「docomo select」として販売
ソニーのBluetoothハンドセット(中央)や、ノイズキャンセリング対応イヤフォン(右下)など
GALAXY Gear Fit(左)、GALAXY Gear 2(右)も

 加藤社長は、スマホの新機種についてこれまでの“ツートップ”や“おすすめ機種”といった区別は行なわず、「全部がおすすめ機種。それぞれ特徴があるので、自分に合ったものを選んでいただけるラインナップにした」と説明。「今後も端末の新製品発表会を続けるかどうか」という質問には「できるだけ発表に値する魅力的な端末、サービスを続けていきたい」と回答した。

 ゲストとして、CMキャラクターを務める堀北真希さん、渡辺謙さん、石原さとみさん、松坂桃李さんも登場。渡辺謙さんはGALAXY S5が防水対応になったことや、カメラ機能の強化などを評価した。堀北さんはXperia A2について「手に持ったときのフィット感が抜群。ウォークマンアプリで、複雑な設定をしなくても音楽が楽しめる」と紹介した。

 石原さとみさんはAQUOS ZETAを手にして「縁が薄くて、全体が画面になっているよう。動画が素晴らしくて、家でも仕事場の待ち時間でも動画を見るので手放せない」と気に入った様子だった。松坂桃李さんは、ARROWS NXについて、指紋認証などの豊富な機能や、文字入力の予測変換で「とうり」と打つと「桃李」と変換されることなどに感心していた。

松坂桃李さん、堀北真希さん、渡辺謙さん、石原さとみさんも登場
各ゲストが1機種ずつ、新製品を説明した

(中林暁)