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映画「F1/エフワン」ワールドプレミア。F1ドライバー角田「トップガンと同じスピード感とワクワク感」
2025年6月17日 18:23
6月27日に日米同時公開される映画「F1(R)/エフワン」。その公開を前に日本時間6月17日、アメリカ・ニューヨークのタイムズ・スクエアでワールドプレミアが開催され、主演のブラッド・ピットをはじめ、ダムソン・イドリス、ケリー・コンドンなどキャスト陣や、ジョセフ・コシンスキー監督、ジェリー・ブラッカイマーといったスタッフ陣、さらに角田裕毅をはじめとする現役F1ドライバーたちが集結した。
会場となったはニューヨークのタイムズ・スクエアは、会場一面が映画のロゴやポスターで彩られ、ピット演じるソニーたちが所属するチーム「エイペックスGP(APXGP)」のマシンも展示されるなど、映画「F1/エフワン」一色に。
会場にはファン約500人、メディア約70人が集まり、主演に世界的大スター ピットを迎え、「トップガン マーヴェリック」の監督&プロデューサーの再タッグで送る最新作ということで、ゲスト登場前から開場は異様な熱気と興奮に包まれていた。
そしてキャスト&スタッフたちが登場すると、会場は歓声の嵐。登壇者たちは、プレミアにふさわしく黒を基調としたフォーマルな装いでレッドカーペットを歩いた。
ブラッド・ピット、鈴鹿サーキットに憧れ。「ぜひ走ってみたい」
かつて“天才”と呼ばれた伝説のF1レーサーにして、常識破りで型にはまらない主人公ソニーを演じたピットは、「ソニーというキャラクターは、どんなカテゴリーのレースでも走るタイプのドライバーなんです。今回は、昔の友人に呼び戻されてF1に復帰します。彼らは最下位のチームで、いわば一か八かの挑戦です。それでも彼は挑戦してみる。そこから物語が始まります」とキャラクターについて言及。
劇中では、過酷なトレーニングを経て本物のサーキットでマシンを自ら操縦していることも話題を集めているが、すっかりF1に魅了された様子のブラッドは、「まだ走ったことがないけど、ぜひ走ってみたいサーキットがあるんです。どのドライバーも口をそろえて“一番好き”とか“一番テクニカル”と言うのは鈴鹿です。いつか絶対に挑戦してみたいと思っています。きっと行きますよ!」と日本の鈴鹿サーキットへの憧れを熱弁。
そして日本のファンに向けて、「日本のみなさん、また日本に行ける日を楽しみにしています!」と笑顔でコメントした。
ソニーと対立しながらも彼の背中を見て成長していく若きルーキー、ジョシュアを演じたイドリスは、「自分がそこにいるのが信じられませんでした」と、あらためて超豪華布陣で創り上げた本作への出演を振り返る。「私は常にブラッドとハビエルが大好きでした。そして、コシンスキー監督と彼が作ったものすべての大ファンなんです。だから、私はそこにいることができて本当に幸せだと思いました。そして、私たちが作り上げたものをとても誇りに思っています。皆さんにこの映画を見てもらえるのが待ちきれません」と、喜びを噛み締めるようにコメントした。
ソニーの旧友にして、彼をF1の世界に呼び戻しチームに招き入れるオーナー、ルーベンを演じたハビエル・バルデム。今回自身が演じたルーベンは、元F1ドライバーの経歴を持つチーム代表という役どころ。
ハビエルは役柄について、「ルーベンというキャラクターの大好きなところは、彼の執念深さです。彼は決して諦めません。彼は強い意志の持ち主です。ここにいるドライバーは皆、F1マシンに乗るときは常に命を賭けています。彼らは本当にすべてを賭ける強い心の持ち主なんです。ルーベンにもそれはあると思います。なぜなら、彼もドライバーだったからです」と熱い思いをコメント。
またブラッドとの共演について問われると、「ブラッドと仕事が出来て光栄です。彼は素晴らしい人で、とても楽しい人で、かわいらしくて、素晴らしい俳優です」と笑顔に。そして「日本のみなさん、もしスリル満点でアドレナリン全開、楽しさや感動が詰まった映画が好きなら、F1はまさにその映画です。大スクリーンで今までに見たことのない、最高に素晴らしい映像を体験出来ます。ぜひ、できるだけ大きなスクリーンで見逃さないでください!」と、日本のファンへ笑顔で呼びかけた。
コシンスキー監督「限られた時間での撮影は大きなチャレンジだった」
ピットクルーのリーダーとして、チームのために最強マシンの開発に挑むケイトを演じたケリー・コンドンは、「私はただ映画に出たかっただけなんです。何か選んでいたわけじゃありません。ジェリー・ブラッカイマー、ジョセフ・コシンスキー、ブラッド・ピット、あのチームだったから、この映画にただ出たかったんです。子供の頃に見て育ったような、大ヒットしたアメリカ映画みたいだったんです。音楽とか、アクションとか、感情の高まりとか、私が子供の頃に覚えている映画のすべての要素が詰まっていました」と、本作への並々ならぬ思いを吐露。
念願のピットとの共演については、「彼は素晴らしかったです。本当にリラックスしていて、集中が必要な時に集中するタイプの俳優でした。だからこそ、今の自分のキャリアのタイミングで、私自身もリラックスして取り組むことができて、一緒に仕事ができたのは本当に良かったです」と充実の撮影だったことを振り返った。
そして日本のファンへは、「日本の皆さんにこの映画を気に入ってもらえたら本当に嬉しいです。とても心温まる映画で、家族で楽しめる映画でもあり、デートにもぴったりです。F1に詳しくなくても、気軽に楽しめる映画です」とメッセージを送った。
本作でメガホンを取ったコシンスキー監督は、本作が“地上版<トップガン>”としても注目されていることに触れ、「それは本当に光栄なことです。もちろん『トップガン マーヴェリック』は自分にとってとても大切な作品で、全力を注ぎましたし、この映画にも『トップガン~』と同じスタッフが多く関わっているんです。私達は常に新しいことに挑戦しようと努力していますし、この作品でもそれができたと思っています。特に撮影方法の面でも、F1の週末という限られた時間内で撮影しなければならなかった点でも、大きなチャレンジでした。だからこそ、そのような言葉は本当に嬉しいですし、ありがたく受け取ります」と感謝を述べた。
また、ピットを主演に迎えたことについては「彼はまさに夢に描いた以上の存在です。ずっと彼と一緒に仕事がしたいと思っていましたし、この役を演じるために生まれてきた人だと感じていました。彼が出演をOKしてくれて本当に嬉しかったです。台本以上のものをたくさん持ち込んでくれて、彼の演技を早くみなさんに観てほしいです。本当に素晴らしいんです」と興奮気味に大絶賛した。
『トップガン マーヴェリック』に続きコシンスキー監督とタッグを組んだプロデューサーのブラッカイマーは、「F1の世界は驚異的です。そこにブラッド・ピットを連れてくるなんて、驚異的な出来事です。感動的な映画なんです。F1の楽しさと興奮を表現しています。それでいて、素晴らしい贖罪の物語を描いているんです。素晴らしいスポーツ映画でもあります。それ以上のものです。本当にライドなんです、驚異的なライドです」と熱弁を振るった。
F1レースの本番中にもカメラを回すという本作での“クレイジーな”撮影について、「ブラッド・ピットとダムソン・イドリスをシルバーストン(イギリスのサーキット)で観客の前に立たせました。14万人の観客、テレビでは1億人が見ていました。彼らは時速300kmでサーキットを走り回りました。誰も彼らがF1マシンに乗っていることを知らなかったし、ミスもしなかったんです。それは本当にすごいです」と興奮気味に振り返る一幕も。
さらに主演のピットや、プロデューサーにも名を連ねるF1ドライバーのルイス・ハミルトンについても触れ、「ブラッドは素晴らしい俳優です。そして素晴らしい人物であり、素晴らしいプロデューサーでもあります。彼はこの映画に多大な貢献をしてくれました。彼はこの映画を本物にしてくれたんです。映画のプロデューサーであるルイス・ハミルトンとも一緒に仕事をしました。私たちのやることすべてが F1の世界に忠実であるように確信させてくれました。また、モナコでF1ドライバーたちに映画を見せたら絶賛されました。本物の人々に『よくやってくれた』と言ってもらえるのは最高のことなんです」と、F1関係者のお墨付き映画であることを誇らしげに語っていた。
現役F1ドライバーの角田裕毅「僕がブラッド・ピットに抜かれるシーンが多いので、そこもぜひ楽しんで(笑)」
現在、唯一の現役日本人F1ドライバーである角田は、映画について「共感できる部分もあり、ハリウッド大作らしいなと思う部分もあり、でもあれぐらい思い切ってやってくれると映画として伝わりやすいですし、新しい F1ファンを増やしてくれるんじゃないかなと思います」とコメント。過酷なトレーニングを経て実際にマシンを操縦して撮影に挑んだピットについては、現役レーサーからの観点から「(ブラッドは)かなりやり手だなと思います。映画から伝わる彼のアグレッシブさとF1の臨場感が凄く伝わりました」とそのたたずまいを絶賛。
また本作ではグランプリ中に本物のサーキットで撮影を実施したことから、角田とピットは現場で一緒になるタイミングもあり、角田は実際に出演も果たしている。角田はそんな撮影を振り返り、「ブラッドはレースウィークによくサーキットに来ていたので、僕はレースをしているけどブラッドは撮影をしていて、一緒の空間にいる時もありました。彼はすごく気軽に話しかけられるナイスガイでした」とブラッドの人柄について笑顔でコメント。
公開を待ち望むファンへ見どころを問われると、「僕がブラッドに抜かれるシーンが多いので、そこもぜひ楽しんでください(笑)。F1を知らなかったりどういう世界かわからない方も気軽に見やすく、観終われば『トップガン(マーヴェリック)』と同じように、スピード感とワクワク感を味わえると思うので、ぜひ観てください!」とメッセージを送った。
レッドカーペット後に行なわれたプレミア上映前の舞台挨拶では、コシンスキー監督が「この作品は、最初のアイデアから完成に至るまで、4年にわたる愛情と情熱の結晶です。F1の世界に飛び込み、その物語を描き、スクリーンに届けることができたのは、私にとって大きな名誉であり、特権でした。ここにお越しいただいた皆さんに、心から感謝いたします。この映画を完成させるために、何千人もの方々の力を借りました」と感慨深げにコメント。
そして、コシンスキー監督に「ソニー・ヘイズを演じるために生まれてきた男、唯一無二のブラッド・ピット」と紹介されたブラッドは、「この映画を皆さんにお届けできることを、本当に嬉しく思っています。すべてのドライバー、チーム代表、チームの皆さん、スポーツキャストの方々、この映画の実現に力を貸してくださり、そして私たちを F1という神聖な世界に迎え入れてくださったすべての方々に、心から感謝しています」とあらためて感謝の気持ちを伝えた。