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テレビのハイブリッドキャスト対応は4割弱へ拡大、40型台の67%に。BCN調査

 BCNは、全国量販店22社のPOSデータを集計した調査結果において、9月と10月における液晶テレビのハイブリッドキャスト(Hybridcast)対応率が4割弱に達したことを明らかにした。「特に40型以上の大型で、『ハイブリッドキャスト + 4K』が主流になる」との見通しを示している。

液晶テレビのハイブリッドキャスト対応率と、画面サイズ別の対応率(出典:BCN)

液晶テレビの3台に1台が対応。メーカー別の対応はソニー1位、シャープ2位

 ハイブリッドキャストは、放送局から送られる番組と、インターネット経由の情報を融合させ、HTML5を活用したリッチな画面表現が可能。視聴者参加型の番組などを実現しているほか、番組に連動しないオリジナルコンテンツの常時サービス提供なども各テレビ局で始まっている。

 店頭におけるハイブリッドキャスト対応テレビの台数比率は、今年の春以降は急速に売れ行きが伸長。9月は38.3%と最大値を記録、10月も37.2%と高水準を続けており「液晶テレビの3台に1台はハイブリッドキャスト対応」の状態になっている。画面サイズ別では、20型未満と20型台はほとんど対応していない一方、10月では30型台が18.4%、40型台が67.4%、50型以上では85.6%を占めている。

ハイブリッドキャスト対応の上位4社シェアと自社内比率(出典:BCN)

 約30社の液晶テレビメーカーのうち、ハイブリッドキャストに対応しているのはソニー、シャープ、パナソニック、東芝など7社。上位4社の販売台数シェアをみると、今年に入ってからシャープが急伸し、1位のソニーに拮抗。10月は、ソニーの33.2%に対してシャープは31.5%と迫っている。上位4社それぞれの自社内での台数比率は、ソニーが年明け以降に比率を高め、 10月は99.1%だった。シャープは、10月は35.1%でソニーとは大きな差がある。BCNは「大型重視のソニーに対して、小型から大型までの全方位体制を敷くシャープの事業スタンスの違いが、自社内比率に表れている」としている。

 現在、BCN調査では50型以上における4K比率は半数を超えており、「今後は、ハイブリッドキャスト+4Kへの対応が焦点となる」としている。ハイブリッドキャストの今後については「放送局から送られてくる番組をただ見るという受動的な機能とは異なるだけに、消費者に対する分かりやすい告知や情報提供が認知を高め理解度を深めるうえで大きなポイント」としている。

(中林暁)