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Technics、CDから内蔵SSDにリッピングできるUSB/DLNAミュージックサーバー

 パナソニックは、Technicsブランドの新製品として、512GBのSSDとCDドライブを内蔵、CDをSSDにリッピングして蓄積・配信できるミュージックサーバー「ST-G30」を4月22日に発売する。価格は50万円。カラーはシルバー。受注生産となる。

ミュージックサーバー「ST-G30」

 アナログ出力などは搭載していないため、プレーヤーとして単体で音を出す事はできない。リッピング用のCDドライブを備えたNASのような製品となる。なお、SSD非搭載モデル「ST-G30L」も受注生産で44万円でラインナップ。6月10日に発売予定。ユーザーが好みのSSDを選択し、装着できるという。

 昨年の9月に製品が披露されていたが、発売時期や価格は明らかになっていなかった。また、細かな仕様も新たに発表されたカタチとなる。

昨年9月の発表会で展示されていた「ST-G30」

 ST-G30には、2.5インチ、512GBのSSDを搭載。CDドライブも搭載しており、CDの44.1kHz/16bitデータをFLAC/WAV形式でリッピングし、蓄積できる。Ethernet端子を搭載し、蓄積した音楽データをDLNAで、対応するネットワークプレーヤーなどに配信可能。蓄積・配信対応ファイルはFLAC/WAV/AIFF/ALAC(AppleLossless)が最大192kHz/24bit、DSDが最大11.2MHz。

 USB端子も備えており、USB DACとの接続も可能。USBへの電源出力を分離することでクリーンな電源を供給し、デコード処理をST-G30側で行なうことでプレーヤー側の処理負荷を下げ、音質劣化の少ないデータ伝送が可能という「Low Noise USB Transfer」機能も搭載。LAN接続と比較して、「より純度の高い再生が可能」としている。

背面端子。アナログ出力などは備えていない

 タブレット、スマートフォン用の専用アプリ「Technics Music App」を使い、CDリッピングやタグ編集、インポート/バックアップ、USBオーディオ再生、各種設定などの操作が可能。Gracenoteのデータベースから、楽曲情報も付与できる。さらに、e-onkyo musicで購入した楽曲を自動でSSDにダウンロードする機能も搭載する。

アプリから操作できる

 SSDには、防振強度を高め、静音性に優れたカスタムメイドSSDを採用。徹底してノイズ・ジッタ対策を施した「Digital Noise Isolation Architecture」や、不要なブロックの電源をOFFにして音の純度を高めるという「Optimally Activated Circuit System」も搭載。プレーヤーへの高品位なデータ伝送を実現したという。

 CDドライブメカは専用設計の内製CDドライブを使用。エラー時の読み取り特性再調整・リードリトライ(再読み出し)、正しいハッシュ値との比較検証まで行なうBit-perfect Rippingを採用。

 ドライブは静音シェルタに格納し、リジッドにマウントすることで、振動やノイズの発生を抑える「Rigidly-Mounted Sheltered Drive」仕様。2重構造の高剛性シャーシ、剛性が高く減衰性に優れるという鋳鉄製のインシュレータなどで、外来振動と外部へ与える振動を低減。読み取り精度の向上を徹底したとする。

 USB DAC接続用のUSB端子に加え、データインポートやバックアップ用のUSB端子も搭載。Ethernet端子も搭載する。消費電力は28W、外形寸法は430×391×98mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約11kg。ST-G30Lは約10.9kg。

(山崎健太郎)