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フォステクス、黒胡桃材使用のヘッドフォン。平面振動板で2万円の開放型/密閉型も

 フォステクスは、ヘッドフォンの新製品として、黒胡桃の無垢削り出し材のハウジングとバイオダイナ振動板を採用したリファレンスモデル「TH610」を6月上旬に発売する。価格は75,000円。

リファレンスヘッドフォン「TH610」

 また、独自の平面型RP振動板を搭載したスタジオモニターヘッドフォンの開放型「T20RP mk3n」と密閉型「T40RP mk3n」を5月下旬に発売する。価格は両製品とも2万円。

開放型「T20RP mk3n」
密閉型「T40RP mk3n」

 いずれのモデルも、4月29日~30日に東京・中野サンプラザで行なわれる「春のヘッドフォン祭 2016」に展示される。

リファレンスヘッドフォン「TH610」

 粘りのある黒胡桃無垢削り出し重硬材をハウジングに使用した、ヘッドフォンのリファレンスモデル。「美しい木目を活かし、艶やかな響きを実現した」という。ハウジングは密閉型。2月に行なわれた「ポータブルオーディオ研究会(ポタ研) 」にも参考展示されていた。

TH610

 磁束密度1テスラの50mm径ドライバユニットを搭載。低歪率で広いダイナミックレンジを確保したという。振動板は、独自開発のバイオセルロース技術による「バイオダイナ」を使用。「豊かな超低域、素直な中域、特にプレゼンスに優れた高域」と特徴としている。

 内部パーツにはアルミニウムとマグネシウムを多用し、高い質感と軽量化を実現。バッフル板には高比重型樹脂を採用し、共振音の発生を低減。高い解像度と豊かな中域、良質な低音再生を可能にしたという。低反発クッションや、ソフトレザー調高級人工皮革により、装着感や遮音性を向上。

 ケーブルは着脱型で2ピン端子。ケーブル側端子とヘッドフォン側の着脱部接点端子には、硬度が高く耐摩耗性、耐食性に優れたロジウムメッキ処理を施している。付属の3mケーブルには、特殊加工で導電性を高めた純銅製ケーブルを使用し、端子はステレオ標準。別売の交換用バランスケーブル「ET-H3.0N7BL」により、バランス接続にも対応する。

 再生周波数帯域は5Hz~45kHz、感度は98dB/mW、最大入力は1,800mW、インピーダンスは25Ω。ケーブルを除く重量は約375g。レザー調ポーチなどが付属する。

2万円の平面振動板搭載モデル「T20RP mk3n」、「T40RP mk3n」

 2モデルとも、フォステクス独自のRP振動板(Regular Phase/平面振動板)を搭載したヘッドフォンで、プロのスタジオなどで利用されているシリーズの最新バージョン。RP振動板は高耐熱ポリイミドフィルムをベース材に銅箔エッチングを施しており、スタジオ使用を前提にドライバユニットをチューニング。フラットでクリアな音質を実現したという。

独自の平面振動板を使用

 開放型「T20RP mk3n」は、「抜けの良さ、伸びのある高域、迫力のある低域」を特徴としている。密閉型「T40RP mk3n」は、「リファレンスヘッドフォンとしてグレードを超えたタイトで上質なサウンドを体感できる。スタジオワークに最適」としている。

 再生周波数帯域は、開放型が15Hz~35kHz、密閉型が20Hz~35kHz。感度は開放型が92dB/mW、密閉型が91dB/mW。インピーダンスは50Ω、最大入力は3,000mWで共通。重量は315g。

 低反発イヤーパッドの採用により、ソフトな掛け心地で長時間でも快適にモニタリング可能としている。ヘッドフォンケーブルは着脱式の片出しタイプで、長さ1.5mでステレオミニプラグのケーブルと、3mでステレオ標準プラグのケーブルが付属する。

(中林暁)