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中国の人気カスタムイヤフォン「qdc」。Questyleの「QP1R」にバランス出力機

 4月29、30日に、東京・中野の中野サンプラザで開催されている「春のヘッドフォン祭 2016」。ここではミックスウェーブ、ゼンハイザー、Questyleのブースを紹介する。

中野サンプラザ

ミックスウェーブ

 今後取り扱いを予定している、Shenzhen Qili Audio Application(qdc)という、新しいカスタムイヤフォンブランドを紹介している。昨年8月に中国の深センで設立された、新しいブランドだが、それ以前にも、主にミュージシャン向けのカスタムイヤフォンを手がけており、現在では中国のミュージシャン向けカスタムイヤフォンで、70%程度のシェアを持っているという。

ハイファイシリーズの8ドライバモデル「8SH/CH」

 ハイファイ、スタジオ、ライブという3つのシリーズを用意。各シリーズに上から、8ドライバ、5ドライバ……といった具合にラインナップを用意している。ミックスウェーブではこの中から、各シリーズの8ドライバ、最上位モデルを最初に日本で取り扱う予定。価格はいずれも15~16万円程度のイメージで、6月、7月あたりの販売開始を予定している。

こちらはスタジオシリーズの8ドライバモデル「8SS/CS」
5ドライバモデルなど、他のラインナップも展示された
日本での取り扱いは未定だが、レリーフのような立体的なプレートも手がけている

 Unique Melodyの新イヤフォンも登場。現在ユニバーサルモデルが発売されている、12ドライバのフラッグシップ「MASON」(メイソン)に、カスタム版が追加される。価格は20万円を超えるイメージ。夏頃発売予定。

MASONのカスタム版

 さらに、ハイブリッド型「MAVIS」(メイビス)の新モデル「MASON II」も5月、6月頃に登場。カスタム、ユニバーサルをラインナップし、価格は13~14万円程度の見込み。

MASON IIのユニバーサルモデル
MASON II Custom

 リケーブルのBeat Audioからは、「Emerald(エメラルド)」という新シリーズが登場。ユニークなのは導体で、通常のケーブルは銅の上に銀をコーティングしたり、合金として混ぜ合わせるような使い方だが、Emeraldでは銅や銀を薄くプレスし、重ね合わせるようにして導体を作っている。

 ShureなどのMMCX端子用、JH Audio向け、ゼンハイザーのIE8向けなど、豊富な端子バリエーションも用意。2.5mm 4極バランス入力対応モデルも用意する。

 さらに、独自の銀線に、レアメタルを混ぜた特別な線材を使っている「PrimaDonna」に8ワイヤーモデルを追加するなど、ラインナップを拡充していく。

Beat AudioのEmerald
Beat Audioケーブルの新たな入力端子。他の製品も今後、この端子に変わっていくという
8ワイヤーのPrimaDonna、JH Audio向けモデル

 Campfire Audioの新製品2モデルも展示されている。「NOVA」(ノヴァ) と「ANDROMEDA」(アンドロメダ)で、5月末~6月上旬頃から発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は、BA×2ドライバのNOVAが6万円前後、BA×5ドライバのANDROMEDAが13万円前後。

 NOVAはフルレンジのBAを2基搭載。「全帯域において下位モデルのORIONよりも更に余裕感のあるサウンドステージを作り上げた」という。筐体は アルマイト加工が施されたアルミニウム。

ANDROMEDA
NOVA

 ANDROMEDAは、クアッドドライバの「JUPITER」を超えるサウンドの実現をテーマに開発。BAは5基。JUPITERと同様に、「Resonator assembly(レゾネーター・アセンブリー)」と名付けられたチューブレス設計を採用。JUPITERから中域の表現力を改善し、「低域から高域にかけて、 より安定した階調が得られている」という。筐体にはアルマイト加工を施したアルミニウムを採用。

 どちらのモデルもMMCX端子を採用し、ケーブルは着脱可能。ALO audioの「Ritz Wire Earphone Cable」が付属する。

 他にも、ALO Audioからは「Continental V5」というアナログ入出力のポータブルアンプも参考展示。699~799ドル程度の見込みだ。

Continental V5

ゼンハイザーブース

 昨日、マスコミ関係者向けの試聴会を開催した、超弩級ヘッドフォンシステム「HE-1」。そのサウンドが体験できるコーナーを、ヘッドフォン祭に設けている。ただし、事前応募の完全予約制で、既に申し込みは終了している。

超弩級ヘッドフォンシステム「HE-1」

 日本での発売日や価格は未定だが、ドイツでの価格は約5万ユーロ('16年4月28日のレートで約620万円)と、今までのヘッドフォンの概念を超えるモデルとなっている。

 構成もユニークで、DACや入出力端子を備えたメインユニットと、コンデンサ型のヘッドフォンで構成。メインユニットには真空管を使ったプリ部も内蔵。そこにヘッドフォンが接続されているのだが、ドライブするパワーアンプは、ヘッドフォンのハウジング内に、左右個別に搭載されている。

Questyle

 finalブランドの国内販売部門を担当しているJが、1月から発売しているのがQuestyle Audio Technologyのポータブルハイレゾプレーヤー「QP1R」だ。独自の「カレントモードアンプ技術」を用いて、ポータブルながら純A級動作のフルディスクリートアンプを搭載しているのが特徴だ。

ポータブルハイレゾプレーヤー「QP1R」

 ヘッドフォン祭では、この「QP1R」に、日本のユーザーからの要望を取り入れた新たなモデルを開発する計画をアナウンス。「QP1R」には出力端子として、ステレオミニと光デジタル出力を備えているが、ここにバランス出力端子を追加。さらに、USB出力も追加し、外部のDAC搭載ヘッドフォンアンプと連携できるモデルを開発しているという。

 さらに、今後日本市場に投入予定の据え置き型製品も紹介。据え置き型ヘッドフォンアンプ「CMA800R Gold Edition/Silver Edition」、コンデンサ型ヘッドフォン用プリアンプ「CMA800P Gold Edition/Silver Edition」。据え置き型DAC「CAS192D Gold Edition/Silver Edition」。据え置き型DAC内蔵ヘッドフォンアンプ「CMA800i」「CMA600i」などが予定されている。

据え置き型製品も、今後日本市場に投入予定

(山崎健太郎)