レビュー

USB DACアンプ+平面振動板ヘッドフォン参入のOPPO、その本気っぷりを聴く

BDプレーヤーの定番OPPOが“音の出口”までラインナップ展開

 OPPOというメーカー名を聞いて、AV Watch読者が想像するのはBDP-105JP/103JPなどのBDプレーヤーだろう。BDビデオ再生時の素早いローディングや、画質・音質の高さ、ネットワークプレーヤーなどの豊富な機能、コストパフォーマンスの高さなどで人気の製品だ。

 そのため、他社メーカーの発表会や、オーディオ系イベントなどでもプレーヤーとして使われているのを見る機会が多い。オーディオ業界で、ある種の“ユニバーサルプレーヤーの定番”になったと言えるだろう。

 メーカーの思想にもよるが、新参入メーカーがまず目指すのは「ラインナップの完成」だ。プレーヤーを作ったら、アンプ、スピーカーという具合に、音の入り口から出口までを揃え、「このシステムから出てくる音が、我々の目指す音」を体現するわけだ。OPPOもそのような方向に進むのかなと考えていたところ、出口まで揃ってはいるが意外にもヘッドフォンという方向で製品が登場した。

 6月に発売されるのが、USB DAC機能付きのヘッドフォンアンプ「HA-1」と、平面磁界駆動型ヘッドフォン「PM-1」だ。ユニバーサルプレーヤーで培った技術を用いて、USB DAC+ヘッドフォンアンプを作るのはわかるが、ヘッドフォンまで同時に登場するとは思わなかった。しかも通常のダイナミック型ではなく平面振動板採用のユニークな製品だ。価格はオープンプライス。店頭予想価格はアンプが16万円前後、ヘッドフォンが15万円前後と、リーズナブルなOPPOからするとかなり“本気”の価格で、同社の気合の入り方が伝わってくる。

 果たしてどのような音なのだろうか? 2台まとめてお借りしたので聴いてみる。

ヘッドフォンアンプ「HA-1」

 まず機能豊富なヘッドフォンアンプ「HA-1」から見ていこう。

ヘッドフォンアンプ「HA-1」

 搭載DACは、ESSの「ES9018」。USB DAC機能としては“全部対応”と言ってよく、PCMは384kHz/32bit、DSDは11.2MHzまでサポートしている(11.2MHz再生はASIOでのDSDネイティブ伝送に限定)。これだけ対応していれば安心だ。

 さらに、モバイル機器向けのUSB端子も装備。iPhoneとデジタル接続して再生できる。ただし、このUSB入力はリニアPCMの48kHzまでの対応となっている。

iPhoneとUSB接続して音楽を楽しむ事もできる
オンキヨーのハイレゾ再生アプリ「HF Player」も利用できるが、48kHzまでの対応だ

 また、同軸デジタル、光デジタル、AES/EBUも搭載。こちらは192kHz/24bitまでの入力に対応。アナログ音声(RCA)、バランス(XLR)も各1系統搭載している。

背面
内部
Bluetooth用のアンテナも装備している

 ユニークなのは、Bluetooth受信にも対応している事。対応するスマートフォンなどとワイヤレスで接続し、音楽再生が可能だ。背面を見ると、受信用のアンテナもしっかり搭載している。Bluetooth Ver.2.1+EDRに準拠し、プロファイルはiAP、SPP、AVRCP、A2DPをサポート。コーデックはSBCとaptXに対応する。

 ヘッドフォン出力は4pin XLRのバランスと、ステレオ標準ジャックのアンバランスを各1系統装備。バランス出力はヘッドフォン/イヤフォンのトレンドになっているが、そこもキッチリ抑えている。端子はノイトリック製だ。

前面
アンバランスとバランス出力両方に対応

 背面にはアナログ音声出力としてバランス(XLR)とアンバランス(RCA)も装備。プリアンプとして使うことも可能だ。ホームシアターシステムにシームレスに組み込むための「ホームシアターバイパスモード」、トリガー入出力も備えている。

 ヘッドフォンアンプ部は完全バランス構成でA級動作。シリコンバレーで設立され、ネットワーク再生やUSB DAC機能に積極的に取り組んでいるOPPOのイメージからすると、デジタルアンプを採用し、薄型や小型のアンプにまとめそうなイメージがあるが、あえてA級アンプという点が面白い。

 横幅は254mmとフルサイズコンポと比べるとスリムだが、奥行きは333mmある。高さは80mm。重さは約5.9kg。USB DAC機能付きヘッドフォンアンプであるため、ノートPCなどと一緒に使いたいところだが、奥行きがあるためデスクの上をかなり占有する。ただ、付属のリモコンで操作できたり、iOS/Android用のリモコン操作アプリも用意されているので、置き場所にはある程度自由度がある。

奥行きは80mm
ノートPCと並べたところ
付属のリモコン
iOS/Android用のリモコンアプリも準備されている

 A級アンプゆえ、使用中は発熱する。天面に放熱穴を備えており、触れるとかなり熱い。上に何かを重ねるようなセッティングはできないと考えたほうが良いだろう。また、オーディオラックや書棚などに入れる場合は、HA-1上の空間を開けるなどの工夫が必要だろう。

 採用されているパーツからも“本気っぷり”が伝わる。オペアンプは使わず、ペアマッチのディスクリートパーツを採用。電源部には強力なトロイダルトランスを使っている。最大出力は、XLR入出力時で2,400mW(600Ω)、3,000mW(32Ω)、RCA入力-標準ステレオ出力時で600mW(600Ω)、3,500mW(32Ω)だ。

天面の放熱穴。使用中はかなり熱くなる
インシュレータも本格的だ

 USB DAC/ヘッドフォンアンプは低価格化が進んでいるが、HA-1の場合は、USB DACの高機能ぶりや、こうした搭載パーツを見ていくと、実売16万円前後という価格もそれほど高いとは感じない。むしろリーズナブルと言ってもいいかもしれない。

 前面には4.3型のTFT液晶ディスプレイを搭載。かなり大きなディスプレイで、アナログメーターを表示できたりと、機能も豊富。入力切替時はアイコンから選択できるなど、説明書を見なくてもすぐに使いこなせる。同社初のUSB DAC/ヘッドフォンアンプだが、使い勝手は十分こなれている。

アナログメーターを表示させる事もできる
部屋の電気を消したところ。雰囲気を出すためにもう少し黄色っぽい発色モードも欲しい
スペアナ表示も可能
入力切替はアイコンで並び、わかりやすい

 右側にあるボリュームツマミは、アナログ処理のポテンショメーター式。入力選択などは左側のツマミで行なう。回転させると項目が移動し、押しこむと決定。操作に対するレスポンスも良好。ボリュームの追従性も悪くなく、快適に使用できる。

入力信号の詳細な情報も表示できる
ボリュームツマミは、アナログ処理のポテンショメーター式

平面磁界駆動型ヘッドフォン「PM-1」

 次にヘッドフォンの写真撮影をしようと箱を取り出したところ、その大きさに驚く。とてもヘッドフォンが入ってるとは思えないサイズだ。開封してみると、さらに中から木目で光沢のあるケースが登場。凄まじい高級感で、「ダイヤのネックレスでも入っているのでは」と余計なことを考えてしまう。実売15万円と高価なヘッドフォンであるが、対面する前からオーナーの心をくすぐってくれる。ただ、開封後の箱の収納場所に困るかもしれないが……。

大きな外箱を開けると……
木製のゴージャスなケースが!
高級感たっぷりだ

 金属パーツや子羊革を使ったイヤーパッド、ヘッドバンドなど、ヘッドフォン自体もケースに負けじと高級感がある。しかし重量は395gと重くはなく、装着時してみても頭部や首への負担は少ない。ハウジングとフレームが分離しており、装着した人の頭の形状に合わせてハウジングが追従し、フィットするようになっている。側圧もソフトだ。快適な装着感は技術の蓄積が発揮される部分だが、初のヘッドフォンとは思えないほどこなれている。

平面磁界駆動型ヘッドフォン「PM-1」

 ハウジングは一見すると真っ黒で密閉型に見えるが、よく見るとメッシュのような細かな穴が見え、開放型だとわかる。再生時にはここから音が漏れるので、屋外で利用する場合は周囲に配慮が必要だ。

ハウジングは開放型
ハウジングは平らにする事もできる
フレームとハウジングが分離構造になっており、頭の形に追従してフィット

 ケーブルは着脱可能で、ヘッドフォン側の接続は2.5mmのミニミニ端子。アンプ接続側の端子は、標準プラグのものと、ステレオミニタイプのもの、2本が同梱されている。変換プラグで済まさず、あえて2本のケーブルを同梱しているのは嬉しいポイントだ。

標準ケーブル、ステレオミニケーブルを同梱している
ケーブルは着脱可能
別売でバランス駆動用ケーブルも

 また、この価格帯のヘッドフォンではバランス駆動の音も試したいというニーズがあるが、ちゃんとオプションでバランスケーブルも発売予定となっている。アンプ接続側は4極のXLR端子で、前述のようにアンプの「HA-1」にもXLRバランス出力が搭載されている。HA-1とPM-1の組み合わせで使うなら、バランス駆動にもチャンレンジしたいところだ。

 ユニークな点は、肌触りの良い子羊革イヤーパッドに加え、ベロアのイヤーパッドも標準で同梱している事。スペアのパッドが付属する製品は別として、異なる素材のパッドを同梱している製品は珍しい。これから暑い季節になると、革のパッドより、ベロアの方が良いという人もいるだろう。デザインや装着感に合わせて変更できるのは嬉しい仕様だ。

イヤーパッドは子羊革
ベロアのイヤーパッドも付属している
左が子羊革、右がベロアだ

 なお、開放型の高級ヘッドフォンとしては珍しく、ハウジングを平らにする事もでき、コンパクトに持ち運ぶためのキャリングケースも同梱している。モニターヘッドフォンとして録音に活用するエンジニアが、スタジオからスタジオへと持ち歩くといった時にも便利だろう。

キャリングケースも用意されている

平面駆動型とは何か

PM-1に採用されている平面振動板。渦巻きのようにコイルがエッチングされている

 PM-1の特徴は、なんといっても平面振動板にある。通常のダイナミック型ヘッドフォンには、スピーカーと同じようにコーン型ユニットが搭載されている。口径の違いはあれ、大半の振動板は中央が引っ込んだ、お椀のような形だ。その根元の筒に導線を巻いたボイスコイルがあり、それを磁石が取り巻いている。導線に信号が流れると電磁石になり、前後に動き、コーン型振動板も前後に動いて音が出る。

左が通常のコーンユニット用のボイスコイル、右はPM-1のコイル

 一方、PM-1の振動板は平面。どこに駆動コイルがあるのかというと、振動板の両面に、渦巻き模様のようにアルミ導体がエッチングされている。平面振動板全帯域に動く力が与えられ、振幅するわけだ。磁気回路には強力なネオジウムマグネットを使い、形状や配置を最適化する事で、出力音圧レベルを最大化、エリア内の駆動力を一定に保っているという。

イヤーパッドを外したところ。中央の穴から振動板が見えているが、渦巻きボイスコイルがチラッと見えている
ハウジングはこの薄さ

 コーン型ユニットの場合、縁のエッジで振動板を支えた状態で、中央の小さなボイスコイルで駆動する。その場合、振動板全体を同じように動かす事が難しく、波打つようにたわんだり、歪んだりして音が濁る。俗にいう分割振動、分割共振だ。

 平面駆動方式の場合、平面の振動板に均等な駆動力を与えやすい。全面が同相で振動する事で、歪みを抑え、分解能に優れた再生ができるとされている。他にも利点として、ダイナミック型でボイスコイルのインダクタンスに起因する不均等なインピーダンスによる混変調歪みが発生しないという。

左の銀色の振動板がコーンユニットの分割共振イメージ、右のゴールドの振動板が平面振動板だ

 余談だが、先日開催された「春のヘッドフォン祭 2014」では、フォステクスが平面駆動型の「TH500RP」(74,000円)、HiFiMANが「HE-400i」(50,740円)、「HE-560」(92,500円)を発表。既発売の製品でも、ミックスウェーブが扱う米AUDEZEのヘッドフォンなど、近頃平面駆動型ヘッドフォンがトレンドとして脚光を浴びつつある。

 だが、平面駆動型自体は最近登場したものではない。例えば、フォステクスが1974年に日本初の平面駆動型「T50」を発売するなど、技術としては歴史のあるものだ。ダイナミック型ではないが、STAXのコンデンサ型(エレクトロスタティック/静電型)ヘッドフォンも振動板は平面である。

 しかし、従来のダイナミック型の平面振動板ヘッドフォンは、振動板が重いなどの理由で能率が低いものが多く、本格的なヘッドフォンアンプと組み合わせなければうまくドライブできず、結果としてコンシューマ市場ではあまり広まらなかった。

 現在になって、平面振動板のヘッドフォンが再び脚光を浴びているのは、繊細な描写とハイレゾ音楽の相性の良さといった音質面に加え、ヘッドフォン/イヤフォン市場の盛り上がりで、本格的なヘッドフォンアンプでドライブするというリスニングスタイル自体がコンシューマでも珍しくなくなってきたという面もあるだろう。

 では「PM-1」も鳴らしにくいヘッドフォンなのかと言うと、そうでもない。前述のように磁気回路と導体パターンを駆動力(出力音圧)が最大になるよう最適化する事で、出力音圧レベル102dBを達成している。定格インピーダンスは32Ω。試しにスマホ(Xperia Z1)に直接接続してみたが、ボリューム85%くらいで十分な音が得られて驚いた。平面駆動型の中では比較的鳴らしやすいモデルと言えるだろう。

音を聴いてみる

AK240と接続

 平面駆動型ヘッドフォンには「繊細で穏やかな音」というイメージがある。悪く言うと、「描写は細かいが、音圧やパワー感は薄く、大人しい音」だ。そんな音がPM-1からもするのかなと思いながら装着した。

 まずヘッドフォン自体の音が知りたいと思い、良く使っているハイレゾポータブルプレーヤーの「AK240」と付属のアンバランスケーブルで接続。192kHz/24bitのイーグルス/ホテル・カリフォルニアを再生すると、“大人しい音”どころか、いきなり音圧が強く、勢いのあるベースの低域が「グォッ」と吹き寄せて驚いた。

 中高域の細やかな描写は平面駆動型のそれで、スッキリとした、雑味のないサウンドだ。にも関わらず音圧が強く、パワフルさがあり、音の出方に勢いがある。中高域はスッキリと見通しが良いのに、低域は迫力満点という面白いサウンドだ。

 いよいよHA-1に接続。付属のアンバランスケーブルを利用。ソースとして専用ドライバをインストールしたWindows 7 PCとUSB接続。再生ソフトはfoobar2000だ。USBケーブルはクリプトンの「UC-HR」やZonotoneの「6N・USB-Grandio 2.0」などを使用した。

 同じくホテル・カリフォルニアを再生。ポータブルプレーヤーと比べると駆動力があるので、中高域の分解能の高さが、低域でも維持されている。カタマリになっていた低音がほぐれ、ベースの膨らみの中に細かな音がシャープに描写される。全体域で目の覚めるようなフォーカスで、耳の性能がアップしたように錯覚。とにかく心地良い。

 嬉しいのは、それでも中低域のパワフルさが変わらないところだ。ドン・ヘンリーのエッジの立ったヴォーカルと、その背後にあるドラムのキレが同居しながら、分厚いベースの「グォーン」と肺を圧迫するような“押し寄せ感”も味わえる。

 解像度だけに注目すると「いかにも高級ヘッドフォン」という繊細さなのだが、中低域にはヤンチャなパワフルさが顔をのぞかせる。相反しそうな要素が両立できているのが興味深い。

 平面振動板の繊細なサウンドは、「大人しくてつまらない音」と感じる人もいる。色々なスピーカーやヘッドフォンをひと通り楽み、酸いも甘いも噛み分けたマニアが到達するようなイメージがあるが、その洗練さと、パワフルな気持ち良さが両方味わえるので、多くの人にオススメしやすい音だ。もしかしたら「平面型らしくない音」とマイナスに感じる人もいるかもしれないが、個人的には従来の平面型のイメージを覆す、繊細ながらも熱いサウンドが気に入った。

 ただ1点気になるのは音場の広さだ。低域がパワフルで、音に勢いがあるせいだと思うのだが、音像が近い。開放型なので、音が広がる空間は非常に広く、余韻が消える様子もわかるのだが、その手前にある楽器やヴォーカルと自分との位置が近く、各音像の間の距離も狭い。この点をどう感じるかが、好みの別れるところかもしれない。

バランス駆動もテスト

 バランス駆動にすれば、このあたりに変化があるかもとオプションのバランスケーブルに交換してみるとドンピシャ。音像が立っているメインステージがグッと広くなり、各音像間の距離も離れ、見通しがさらに良くなった。

 同時に低域も高域もレンジが伸び、低域は地面の底から響いてくるような“凄み”が出て来る。分解能もさらにアップした事で、低域のパワフルさがさほど強調されなくなる。もちろん、音圧は強いのだが、吹き寄せる低音がひたすら細かく分解されているので、大味な印象を受けないためだ。

 大編成のクラシックでも、レンジと音場が広がった事で、ホールの空間がよりリアルに目に浮かぶようになる。低域の重心が下がる事で腰が座り、無数の音がからまってうねるようなパートでも安定感がある。弦楽器が重なる場面でも、分解能が高く、個々の音がほぐれてよく見える。

 ヘッドフォンアンプ自体の音も気になる。そこで、PM-1をアンバランス接続に戻してしばらく聴いた後、ソニーの「MDR-1R」を接続。このヘッドフォンはアンバランスのみ対応なのでアンバランス接続で比較した。

 音が出た瞬間、思わず「うっ」と声が出る。音のフォーカスがモワッと甘く、「藤田恵美/camomile Best Audio」の「Best OF My Love」で比べると、ヴォーカルの輪郭が曖昧で埋もれがちになるのだ。液晶ポリマーフィルム振動板採用を使ったMDR-1Rは、振動板の剛性と内部損失が高く、付帯音が少ないシャープな音が楽しめるモデルだ。しかし、PM-1を聴いた後では、それでもフォーカスが滲んだように感じてしまう。バランスド・アーマチュア型イヤフォンをずっと聴いた後に、ダイナミック型イヤフォンを聴いたような印象だ。

 それではと、個人的に気に入って愛用している「e☆イヤホン」のオリジナルヘッドフォン「SW-HP11」(e☆イヤホン/マリモレコーズ/城下工業のコラボ製品)をアンバランス接続。これはよりシャープな描写をするヘッドフォンなので、PM-1の音と少し近くなるが追いつくまではいかない。

ソニー「MDR-1R」や「e☆イヤホン」のオリジナルヘッドフォン「SW-HP11」もドライブしてみた

 低域もよく出るヘッドフォンだが、HA-1との相性は抜群。低音の響きにA級アンプらしい、コクというか、しなやかさが良く感じられる。熱気がありつつも、ズンズン、ボコボコと下品な低音にはならず、シャープさが維持されている。分解能の高いヘッドフォンと組み合わせても、カリカリシャープになり過ぎず、質感も維持してドライブできるアンプと言えそうだ。

 最後に、Bluetoothの音もチェック。Xperia Z1とaptXで接続したが、音が思いのほか良くて笑ってしまう。そもそも15万円オーバーのヘッドフォンアンプ&ヘッドフォンの組み合わせでBluetoothのソースを聴いた事がなかったので他と比べようがないが、簡単にチェックするつもりが、「Bluetoothって案外音いいな」としばらく聴きこんでしまった。この製品においてはオマケ機能と言えるかもしれないが、いちいちPCや他のコンポを起動するのが面倒な時に、スマホからの音をBGM的に楽しむという使い方も十分アリだろう。

現代的で旨味もたっぷりなOPPOサウンド

 同時に発売されるので当たり前ではあるが、HA-1とPM-1の相性は抜群。PM-1の繊細でありながら、パワフルな低域という持ち味を活かしながらHA-1はドライブ。ハイレゾの情報量の多さをキッチリ出しつつ、艷やかで旨味のある低域を楽しませてくれる。リッチさもシャープさも欲しいというニーズにマッチした組み合わせと言えるだろう。

 また、アンバランスとバランス接続を聴き比べた印象では、HA-1とPM-1の組み合わせで使うならば、個人的にはバランスケーブルをぜひ使って欲しい。

 いずれにせよ、機能面・音質面で、高いクオリティを持つ2モデルだ。聴いているとユニバーサルプレーヤーメーカーのOPPOではなく、オーディオメーカーとしてのOPPOの今後が楽しみになってくる。

 ただ、気になるのは、アンプの大きさと、2製品の価格が15、16万円と気軽に購入するという価格帯ではない点。サイズをコンパクトにしたアンプの下位モデル、より低価格なヘッドフォンなど、OPPOの音をより多くの人に聴いてもらうためにも、よりリーズナブルな製品の登場にも期待したい。

(協力:OPPO Digital Japan)

(山崎健太郎)