スマホLIFE

無線LAN SD/USBリーダーの多機能機「MeoBankSD」

デジカメ写真を簡単SNS共有。接続中にネット利用も

 加賀ハイテックの「MeoBankSD」(MBSD-SUR01W)は、無線LANを備えたSDカード/USBリーダー。スマートフォンとワイヤレス接続して、デジカメで撮影した高画質写真などを転送し、SNSなどへスムーズにアップロードできる。また、スマートフォン側の写真データなどをSDカードへ記録するライターとしても利用でき、ワイヤレスストレージとしてPCとデータ共有が行なえる製品だ。

 日立マクセル「AirStash」やPQI「Air Drive」など、既に同様のコンセプトの製品は発売されているが、MeoBankSDは通信中にもインターネットが利用できる点や、Ethernetの搭載といった特徴を持ち、価格は実売5,980円前後。デジカメやiPhone 4S、第3世代iPadと、Android搭載ウォークマン「F800シリーズ」などと接続して、使い勝手を試した。

iOSはアプリ、Android/PCはブラウザで操作

MeoBank SD

 この製品のメインとなる機能は、AirStashなどと同様に、スマートフォン/タブレット/PCと、デジカメの間を取り持つ、SDカード利用のストレージだ。デジカメ→スマホ、スマホ→デジカメという双方向でデータのやり取りができ、様々なファイルのバックアップ先としても利用できる。SDカードだけでなくUSBメモリなども接続でき、PCなどのファイルなども簡単にスマートフォンで表示できる。

 本体は片手に収まるサイズだが、一般的なSDカードリーダーよりは厚め。端子類が充実しているので仕方ない部分だが、胸ポケットに入れるとちょっと目立つ。外形寸法は57×51.1×25mm(幅×奥行き×高さ)、重量は56g。付属品はUSBケーブルのみというシンプルな構成。天面のインジケータで電源と無線LAN接続、SD/USBスロットの利用状況が判別できる。

 まずはSDカード利用のデジカメで写真や動画を撮って、iPad/iPhoneなどで再生した。SDカードはSDHC/SDXC(最大64GB)にも対応。撮影後、SDカードを取り出して、MeoBank SDのスロットに差し込むというひと手間があり、この点はデジカメ本体やSDカードに無線LANを内蔵した製品とは違うところだ。

SDスロットとUSB端子を装備
SDカードを入れると、半分ほどカードがはみ出す
Ethernetと、充電/PC接続用のミニUSB


iOSアプリの起動画面

 iOS端末には専用の無料アプリ「MeoBankSD」が用意されている。まずはiPhoneなどの無線LAN(Wi-Fi)設定で接続先をMeoBankSDに指定して、アプリを起動。再生可能なファイルを自動で振り分ける「動画」、「画像」、「音楽」、「ドキュメント」というカテゴリ表示のほか、フォルダ内の階層をそのまま見られる「フォルダを表示」というメニューもある。対応ファイルは、写真がJPEG/BMP/PNG/GIF/TIF、動画がM4V/MP4/MOV、音楽がMP3/WAV/AAC。そのほか、文書ファイルとしてPDF/XLS/DOC/PPT/TXT/HTMが閲覧可能となっている。

 これ以外のファイル(RAWなど)は、「画像」などのカテゴリ別では表示されないが、「フォルダを表示」だと見られる。今回使ったオリンパス「E-P3」のRAWファイルは、「フォルダを表示」でフォルダから探すと、プレビューも表示できた。ファイルをキチンとフォルダで管理する人も、あまり気にしない人でも使いやすいインターフェイスだ。

 「画像」を選ぶと、サムネイルとファイル名でリスト表示。サムネイルは正方形に近いアスペクト比で、横長の写真もやや圧縮された見栄えになるが、内容は判別できるので問題は無いだろう。iPhoneの場合はそこからファイル名をタップすると全画面で表示する。また、画面右上の「すべて見る」を選ぶと、サムネイルを縦6×横4個並べた一覧表示になり、そこから見たい画像を開ける。なお、iPad版アプリだと最初のファイル名リストと開いた画像を2ペインで横に並べて表示できるので、より見やすい表示になっている。

 画像をiPhoneなどに保存したい場合は、ファイル選択画面で「編集」をタップすると、画面下に矢印が現れる。保存したい画像を選んでその矢印をタップするとサブメニューが現れ、そこで「アルバムに保存」を選ぶと自動でiPhoneなどのカメラロールに保存される。複数選択して一度に保存することも可能だ。また、同サブメニューから「ダウンロード」を選ぶと、アプリ内の「マイボックス」に保存。ここに入れると、連携する他のアプリ(Webブラウザや画像レタッチ、印刷など)にそのまま転送して利用できる。

 動画の場合は、SDカードなどからストリーミング再生するほか、一旦「エクスポート」フォルダに入れて、DropboxやEvernoteなど他のアプリ/サービスと共有することもできる。音楽を再生するとアプリ内でQuickTime Playerが立ち上がり、Apple Lossless Audio Codec(ALAC)の高ビットレート楽曲も再生できた。なお、ランダム/リピート/プレイリストなどは無く、フォルダ内の楽曲が上から順に再生される。

リスト表示のサムネイルは正方形に近い縦横比
iPad版アプリは一覧性が高い
サムネイルを並べて写真を選ぶことも可能
複数選んで、カメラロールにダウンロード可能
Facebookにアップロードした
動画の再生画面
音楽再生画面

 これらの操作は、アプリさえ入れていれば複数の端末で同時アクセスできる。撮影したばかりの写真を友人に分けて、すぐにSNSへアップロードしたい場合にも便利だ。また、音楽をSDカードに入れて再生する場合も、複数の端末から同時にストリーミング再生できた。バッファをとって再生しているようで、再生中に音が途切れることも無かった。同社の説明では、5台まで同時接続可能とのことだ。

 SDカード側からiOSへコピーするだけでなく、iPhoneなどのカメラロールからSDカードへコピーすることも可能。iPhoneの容量が足りなくなったときや、Dock/Lightningケーブルが手元に無いときなどにも簡単にPCへファイルを転送できる。

複数の端末から同時にアクセス可能
「マイボックス」の項目から、iPadのカメラロール写真をSDへアップロード
アップロードするには、位置情報をONにする必要がある


ブラウザからのアクセス画面。左がAndroid(ウォークマンF)、右がiPhone 4S

 Android端末やPCなどで再生する場合は、専用アプリは用意されていないので、Webブラウザを利用する。無線LAN接続先をMeoBankSDに設定し、指定のURLをブラウザに入力すると中のファイルを閲覧できる。サムネイル表示ができないなど、iOSアプリに比べるとやや使いづらい。なお、再生対応ファイルは使用するブラウザに依存する。今回試したAndroid標準ブラウザではMP3だとGoogle Playミュージック経由で再生できたほか、ChromeでMP3をそのまま再生できたが、AAC/WAVなどは再生できず、ダウンロードのみ可能となっていた。

SDカードとUSBメモリを同時に挿すと、SDカードのファイルが優先される

 Webブラウザから画像などをダウンロードする際は、複数枚をまとめて保存することも可能。ただし、ダウンロード時は1枚/複数枚を問わず自動でファイルが圧縮され、そのアーカイブ形式があまり見慣れない「.tar」なので、初めて見る人は戸惑うかもしれない。PCで「Lhaplus」など対応のフリーソフトを使って解凍すれば問題なく開けたが、正直なところスマートフォンでは運用しづらい。せめて1ファイルの場合はアーカイブ化せずダウンロードできるようにしてほしい。

 PCなどからコピーしたUSBメモリのファイルも、SDカードの時と同様に閲覧可能。なお、SDカードとUSBメモリを同時に挿すと、SDカードが優先され、USBメモリ内のファイルは表示されない。そこからSDカードを抜いて読み込むと、USBメモリのファイルが見られる。また、PCにUSB接続してSD/USBリーダー/ライターとしても利用可能。電源ONのままPCとUSB接続すると単にMeoBankSDを充電するだけだが、本体の電源を切ると、リーダー/ライターのモードに切り替わる。

PCのWebブラウザ(Internet Explorer)からアクセスしたところ
複数枚を同時にダウンロードできる
.tarファイルにアーカイブ化してダウンロードされた。これを解凍ソフトなどで元の写真に戻す

Ethernetやリピーター機能などネットワーク関連が充実

LANケーブルを接続して、無線LANアクセスポイントとして利用できる

 MeoBankSDのユニークな機能が、背面にEthernet端子を備え、無線LANアクセスポイントとして利用可能なこと。有線LANケーブルをMeoBankSDに接続し、スマートフォンやPCなどで無線LANインターネットを利用できる。LANケーブルを備えたビジネスホテルなども多いので、無線LANが無い環境でも、PCとスマートフォンを同時に無線LAN接続できるのは便利だ。

 さらに、無線LANのリピーター機能も備えており、MeoBankSD本体がインターネットに接続していれば、スマートフォンなどでもインターネットとSD/USBリーダー機能を同時に利用できるのが便利。スマートフォンと1対1で接続する既存製品だと、ストレージへの接続中はスマートフォン側でインターネットが使えないという問題があった(AirStashはアプリ最新バージョンでベータ版として対応)。MeoBankSDは「WiFi Repeater」のモードを選ぶことで、無線LAN SDカードリーダーとして利用しながら同時にインターネット/メールも利用できる。

 実際に、この原稿を書きながらiPadなどの画面キャプチャをとってPCに転送しているが、「今どの無線LANにつながっているか」をいちいち意識せず、ネットを使いながら画像ファイルのコピーなどが簡単に行なえるのは快適だ。

 リピーター接続の設定はWebブラウザ上で行なうため、iOS/Android/PCどれからでも行なえる。指定のURLにアクセスしてトップメニューの右上にある「Settings」を選ぶと、設定メニューに移行。英語だが、日本語の説明書を見ればそれほど迷うことなく、一度無線LANのアクセス先などを設定して再起動すれば、他の端末からでも再設定の必要なくSDリーダー/インターネットの両方が使える。

 なお、この設定メニューでMeoBankSD接続時のSSID/パスワード変更や、無線LANアクセスポイントなどの基本的な設定も可能。ネットワーク設定を面倒だと感じる人は、このメニューを使わなくても差支えないが、セキュリティをちゃんと設定したい場合も問題なく使えそうだ。

下の「WiFi Repeater」を選び、ウィザードに従って設定
セキュリティ設定
インターネットに接続するためのアクセスポイントを選び、パスワードを入力
設定が終わると、再起動に約70秒かかる
一旦接続が途切れるが、再度MeoBank SDに無線LAN接続し直せば完了
無線LANの基本設定などもメニュー内で行なえる

 やや気になるのは、内蔵バッテリの連続使用時間が約3時間(充電は約2時間)と短めな点や、本体が少し厚めで、スティック型やカード型の他社製品に比べるとかさばることくらい。PC接続すれば、USB給電しながらの利用も可能なので、バッテリだけで駆動するのは移動中など補助的な使い方が無難かもしれない。Androidでブラウザを使う方法は、iOSアプリに比べてやや制限が多いので、先行するAirStashなどのように、Android版アプリの登場にも期待したい。

 無線LANを本体に搭載したデジタルカメラや、Eye-Fi/FlashAirといった無線LAN内蔵SDカードの種類も徐々に増えている。既にこれらを使っている人にとっては、追加でストレージを買うという必要性は感じないかもしれない。

 ただ、お気に入りのカメラ/買いたいカメラが無線LAN搭載ではない場合や、SDXCなど大容量/高速のSDカードを使いたいといった人は、この製品は魅力的だと思う。これに加え、有線LANやワイヤレスAP機能、リピーター機能なども備えたことで、このジャンルのなかでも多機能さでは間違いなくトップ。プライベートとビジネス両方で使えそうなことを考えても、持っていて損は無い製品といえる。

製品名 MeoBank SD
(MBSD-SUR01W)
発売元 加賀ハイテック
対応機器 iOS 5.0以降のiPhone/iPad/iPod touch
Android端末/パソコン
発売日 2012年11月26日
価格 オープンプライス
(実売5,980円前後)
Amazonで購入
MeoBankSD

(中林暁)