スマホLIFE

腕時計でスマホの楽曲を操作。「G-SHOCK GB-6900B」

実用的な音楽操作が可能なBluetoothウォッチ

 GB-6900Bは、スマートフォン連携機能を備えたカシオ計算機の耐衝撃ウオッチ「G-SHOCK」の最新モデル。9月21日に発売予定で、価格は18,900円。機能は同等のビッグサイズモデル「GB-X6900B」も同日に21,000円で発売される。

 スマートフォン連携は、低消費電力の近距離無線技術であるBluetooth Ver.4.0(low energy wireless technology)の対応で実現。従来のバージョンであるBluetooth 3.x以前に比べると通信速度やデータ容量は劣るものの消費電力が非常に低く抑えられているため、こまめな充電が不要かつ長期間の利用が可能。カシオ計算機によればスマートフォン連携の通信機能を含めて約2年の電池寿命を実現したという。

 前モデル「GB-5600AA/6900AA」と比較して、搭載エンジンが第1世代から第2世代へバージョンアップ。Bluetoothの接続性向上が図られたほか、腕時計とスマートフォンで相互にリモート操作が可能になり、スマートフォンのミュージックプレーヤーを腕時計からコントロールできる機能、スマートフォンから腕時計のアラームやタイマーを設定できる機能が搭載された。

装着例
GB-6900B

 前モデルと同様、メールや電話着信、SNS新着、カレンダーのイベント、リマインダーなどを腕時計に通知する機能も搭載。スマートフォンを探すため強制的に鳴動させる携帯電話探索機能、スマートフォンで取得した最新の時刻情報を腕時計に反映する時刻修正機能なども搭載されている。

腕時計操作は専用アプリから。iOSとAndroidに両対応

ベゼルの外側に4つのボタンを装備

 GB-6900Bのスマートフォン連携機能を利用するには、専用アプリ「G-SHOCK+」のインストールが必要。アプリはiOSとAndroid用に無償配布されているが、ミュージックコントロール機能に対応する端末は現在のところNTTドコモのGALAXY S4(SC-04E)とiOS 6以降のiPhone 5/iPhone 4Sのみ。今回はiPhone 4Sを使ってiOS向けアプリで使用した。

 設定の際は始めにG-SHOCK+アプリから「G-SHOCKを探す」を選び、付近のG-SHOCKを探索するモードにした状態でにする。次にGB-6900Bの「POWER」と記載された腕時計右上のボタンを長押しするとBluetoothが起動し、アプリ画面に「GB-6900B」の名称が表示される。後は製品名を選んでペアリングを行ない、アプリに「接続中」と表示されたら設定は完了だ。

初回起動時は「G-SHOCKを探す」を選択してペアリングを行なう
「G-SHOCKを検出中」と表示されたらGB-6900BのBluetoothをオンにする
「POWER」を長押しすると左上にBluetoothアイコンが表示される
GB-6900Bを検出したらペアリングを実行
設定完了
各種機能
一般設定は言語設定のみ

腕時計から楽曲の操作が可能。楽曲名も簡易的に表示

 ミュージックコントロールはペアリングが完了していれば他に設定の必要はなく利用可能。ただし、通常の時計表示モードではミュージックコントロールは利用できず、GB-6900B左下の「MODE」ボタンを1回押して右上に「CTRL」が表示されるコントロール画面に切り替える必要がある。

 GB-6900Bのボタンは右下に早送り、右上に早戻し、左上に再生と一時停止が割り当てられているが、アプリからボタンの機能割り当てを変更することも可能。早送りや早戻しだけでなく、ボリュームの大小、歩行スピードを画面に表示するオプション表示を割り当てることもできるが、ボタンは最大3つまでとなり、左下のモード切替ボタンにコントロール機能を割り当てることはできない。

ミュージック機能のボタン割り当て
ボタン割り当ての変更
オプションで歩行スピードもミュージック機能利用時に表示できる

 ミュージックコントロール中はBG-6900Bの液晶右上に再生中の楽曲名も表示される。ただし、表示できるのは曲名がすべて英数文字またはひらがな、カタカナの場合のみで、漢字が混在する曲名の場合は「Music」という文字が繰り返し表示される。また、ひらがなおよびカタカナは半角カタカナで表示され、ひらがな表示には対応していない。

アルファベットはそのまま、ひらがなとカタカナは半角カタカナで曲名を表示
漢字交じりの曲名は「Music」が表示される

 なお、GB-6900BのコントロールはBluetooth 4.0でペアリングされているため、Bluetooth 3.x以前などに準拠したBluetoothレシーバー、Bluetoothヘッドフォンも併用可能。音量操作などはレシーバーに任せておき、腕時計は利用頻度の高い一時停止や早送り/早戻しを割り当てるという使い分けも可能だ。

メールやSNSサービスを腕時計で通知。時計設定をスマホから行なうことも可能

 通知系の機能で利用できるのは電話着信、メール受信、カレンダー、リマインダーのほか、SNS通知としてTwitter、Facebook、中国版Twitterと言われている「Weibo」に対応。いずれもプッシュ受信ではなく一定時間ごと取得する仕組みになっており、取得時間は5分、10分、15分の中から選択できる。

通知できる機能
メール通知
対応するプロトコルはIMAP/POP
Facebook設定
Twitter設定
リマインダー通知設定

 通知方法は初期設定時で電子音になっているが、電子音の種別や振動に通知などはアプリの「時計設定」「通知」から変更可能。映画館や式典の最中など音を鳴らしたくない場面がある場合は忘れずにアプリから設定変更しておくといいだろう。

通知方法は電子音と振動から選択できる
Facebookの通知はサービス名称だけ。メールの場合は送信者のアドレスが表示される

 通知は電子音または振動に加え、画面の右上にメールの送信者アドレスやSNSサービスの種別などが表示されるが、メールおよびSNSの内容は時計だけでは確認できない。新着をすべて通知すると内容もわからないまま通知の回数だけ増えてしまうので、Twitterのメンションやメッセージ、Facebookのメッセージなど、通知する内容を絞り混んだほうが実用的と感じた。

 GB-6900Bのアラームやタイマーをアプリから設定することも可能。小さな物理ボタンよりもスマートフォンアプリのほうが視認性も高く操作しやすい。また、スマートフォンで正確な時刻を取得してGB-6900Bに送る機能、Bluetoothリンク中のGB-6900Bをスマートフォンから探す機能なども備えている。

時計設定
アラームやタイマーをアプリから設定
スマートフォンから時刻を合わせる機能
リンクが切れた場合はアラーム音で警告
リンクしているG-SHOCKを探す機能

 Bluetooth 4.0ということもあってバッテリの持ちも優秀。GB-6900B側のバッテリは確認できないものの、iPhone 4Sは1日利用していてもバッテリが大幅に減ることはなく、通常とさほど変わらない感覚で利用できた。

時計“プラス”のBluetooth連携が魅力

 時計とスマートフォンを連携するアプローチは、ソニーモバイルの「SmartWatch MN2」、クラウドファンディング「Kickstarter」で資金を集めて開発に至った「Pebble」といった製品もあるが、こうした製品がスマホ連携を主眼に置き、時計としての機能は二の次であるのに対し、GB-6900Bは耐衝撃構造や防水性能といった特徴を持つG-SHOCKブランドの腕時計として時計がメインである点が大きな違い。ソーシャル連携メインの機器に比べると通知機能などはシンプルだが、そのぶん質感やデザイン、G-SHOCKならではの頑丈な本体など腕時計としての魅力は大きい。

 新機能であるリモートコントロールはBluetoothレシーバーでも同様の操作は可能だが、腕時計で操作できる手軽さはレシーバーよりも上。音質にこだわって有線のイヤフォンやヘッドフォンを利用するタイプにとっても腕時計で操作できるのはありがたい。

 一方、従来からの通知機能については、一定時間間隔での取得でリアルタイムではなく、通知の内容も時計だけではほとんどわからない簡易的なものにとどまっている。液晶画面の制約はあるものの、FacebookやTwitterの送信者名だけでも分かればより使い勝手が向上するだけに、今後のモデルではそうした液晶画面の機能向上も期待したいところだ。合わせてG-SHOCKモデル以外の腕時計においての展開も期待したい。

 現時点ではまだAndroidアプリが公開されていないため、テストできなかったが、現時点ではiPhone以外のミュージックコントロール操作対応機種がGALAXY S4のみとなっている。Androidスマートフォンにおける対応機種拡大も望みたいところだ。

甲斐祐樹