Bluetooth 4.0接続で身の回りの「スマート化」拡大へ

Windows 8/iOSサポート。歯ブラシやゴルフクラブにも


説明を行なったBluetooth SIGのスーク・ジャワンダCMO

 Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は8日、Bluetoothワイヤレス技術の最新動向に関する記者説明会を開催した。

 省エネ技術を大きな特徴とするBluetooth 4.0は、すでにiPhone/iPadなどでも採用。10月26日に発売されたマイクロソフトのWindows 8においても、Bluetooth 4.0がOSレベルでネイティブサポートされたことを8日付で発表した。

 会見では、Bluetoothの最新技術やトレンド、パートナー企業によるBluetooth 4.0技術の活用事例について説明が行なわれたほか、各社のBluetooth機器も展示された。



■ 省電力を活かしコネクト化を推進

Bluetooth対応製品の出荷台数やメンバー企業数など

 Bluetooth対応製品が初めて市場に登場した2000年以降、これまで90億台以上の対応製品が出荷されたという。Bluetooth SIGのメンバー企業は17,000社におよび、2012年の出荷台数は20億台以上。

 既にBluetoothが採用されているヘッドフォンやスピーカー、カーナビなどのオーディオ機能では、高品質のストリーミングが求められており、これまでBR(Basic Rate)やEDR(Enhanced Data Rate)といったオプションの規定が設けられてきたが、Ver.4.0で採用されたLE(Low Energy)は、小さな電力で少量のデータを送信するセンサー機器に搭載するために、大幅な低消費電力化を実現したことが特徴。これを活かした「スマート化」を軸に対応製品の幅が広がり、これまでスタンドアロンで使うことが前提だった日用品などが、Bluetooth対応によりスマートフォンやクラウドにつながってスマート化していくことを目指している。

 ヘッドフォンなど、BR/EDRの高品質ストリーミングを必要とする機器は「Classic Bluetooth」と位置付けているのに対し、継続した高品質ストリーミングは不要で、省電力を活かした新分野での活用が期待されるBluetooth 4.0製品を「Bluetooth Smart」、Classic/Smartどちらにも対応可能な製品を「Bluetooth Smart Ready」として訴求。昨年発売されたiPhone 4Sはシングルチップで両方の特徴を兼ね備えており、「最小のSmart Ready製品」としており、現在ではiOS製品やMacBook Proなどは全てSmart Readyだという。

 Bluetooth SIGのスーク・ジャワンダCMO(Chier Marketing Officer)は、最近の採用例として、歯ブラシにBluetoothが搭載された米Beamの「Beam Brush」(34.99ドルで予約受付中)を紹介。これは、磨いた時間や頻度、力の加減などをデータとしてタブレットに保存できるというもので、子供の歯磨きについて親が把握できる。ジャワンダ氏は「さっそく子供に与えて、歯磨きをしているか調べたい。“スマートペアレンティング”という意味で優れた製品」と評価した。

 将来的に実現が期待される事例として、ゴルフクラブのヘッド部にBluetoothやセンサーを備え、一度スイングすると、速度や、どの部分でボールを打ったか、飛距離などがスマートフォンへ伝送され、「バーチャルスイングコーチをポケットに収めているような感覚」と説明した。

ClassicとSmart Ready、Smartの分類Bluetooth搭載歯ブラシを持つジャワンダ氏ゴルフクラブへ搭載することで、様々なデータを取得してスイングに活かせるという



現在の対応機器出荷台数と、今後の予測

 Nike+などで既に採用例があるフィットネスの分野では、例えばヨガなどの運動をするときのウェアにセンサーを埋め込み、ストレッチの具合や消費カロリー、心拍数などをテレビに表示するといったアイディアを紹介。ワークアウトの結果を把握するだけでなく、それを反映して、テレビに表示するエクササイズの難易度を変えるといったことまで想定。単にデータをとるだけでなく、それを活用することで「真のスマートフィットネス」を実現するという。

 その他にも、医療分野で患者の血糖値計などで測定したデータを蓄積したり、介護分野において高齢者の健康状態を医師がリアルタイム/オンデマンドで把握するといった事例を紹介した。

 現在、毎日700万台以上のBluetooth製品が出荷されている。調査によれば、2013年だけで25億台の出荷が見込まれ、2017年までには270億台に達するという。ジャワンダ氏は「今後は、特に消費電力にセンシティブな製品をネット世界にコネクトさせ、よりスマートな製品にしていきたい。そこからデータを取得し、コンシューマの役立つものにできる」と広がりに期待を寄せた。


フィットネス、医療分野への応用イメージ業務用のハイパワーアンテナなどを使うと1kmの長距離通信も可能。これを活かして、駐車場とカーナビ/スマホなどから駐車予約の手続きができるというアイディアも
パートナー企業の出展。写真は、Bluetoothのプロトコルスタックやプロファイルソリューションを提供するAdvanced and Wise Technology(A&W)のBluetoothオーディオ評価ボード。低価格なHCI準拠タイプのチップを使うことで、ホーム/カーオーディオへの普及を加速できるというバッファローのBluetooth 3.0対応ヘッドセットキーボードやマウスも3.0対応
カシオのG-SHOCK(左)やGarminのGPS搭載時計(右)Classic Bluetoothの採用例として、2.1chの小型スピーカー(左上)や、電話の着信応答ができるサングラス(右上)などを展示ラジコンのコントローラにもBluetooth(Classic)が採用

(2012年 11月 8日)

[AV Watch編集部 中林暁]