藤本健のDigital Audio Laboratory

第558回:ラックスマン/コルグらが見るDSDとPCオーディオ

第558回:ラックスマン/コルグらが見るDSDとPCオーディオ

各社DSD機器開発の背景。「1ビット研究会」(2)

「第7回 1ビット研究会」のプログラム。発表(2)、(3)については前回のレポートをご覧いただきたい

 前回に続き、早稲田大学の西早稲田キャンパスで6月26日に開催された「第7回 1ビット研究会」の発表内容の後編をお届けする。アイ・クオリアによる「1bit対応8chオーディオインターフェイスの試作と録音の実践」、ラックスマンによる「PCオーディオの業界動向、市場動向に対してのLUXMAN社の取組と考え方」、コルグによる「AudioGate, ClarityからDS-DAC-10まで:KORGのPCオーディオへの取組」について、その発表内容を紹介していこう。

SACD制作から、USBオーディオ制作にも着手したアイ・クオリア

アイ・クオリアの相川宏達氏

 アイ・クオリアは、今回の発表者である相川宏達氏が代表取締役を務める、2006年に設立された名古屋のベンチャー企業。CDやSACD、DVDといったメディアの委託製造、出張録音サービス、さらには自主レーベルによるCD、SACD作品の販売といったことを手がけている。

 中でも力を入れているのがSACDを用いたサラウンド作品の制作だ。相川氏によると、2001年にSACDに出会い、そのサウンドの緻密さ、滑らかさに感激したという。DVD-Audioなどもあったが、既存のPCMでは面白くないので、未知のものにチャレンジしてみようと、1bitオーディオに取り組んでいったそうだ。SACDの委託製造のほか、2010年からは自主レーベルでの制作に関わるようになったが、1bitオーディオ制作のための手段がいまだに十分に提供されていないことを痛感したという。確かにPyramixやSONOMAなど大規模で非常に高価なシステムはあったけれど、そう簡単に使えるようなものではなかった。そこで、1bitオーディオ技術の普及・発展のためにも機材・ソフトウェアがもっと提供されるべきだと考え、自らシステムの開発に取り組んだのだという。

 相川氏自身、さまざまなホールやスタジオに行っての出張録音ということを行なっている経験から、ハードウェアとしての要件定義をしたのが以下の3項目だ。

  • ホール/スタジオでの出張録音へ軽快に対応できる取り回しのよいスタイル
  • マルチチャンネル録音・再生機能(アナログ8ch I/O)
  • 従来機器との接続性の確保(SDIF-3、AES/EBU、汎用デジタルインターフェイスの装備)
ディーエスオーの大中庸生氏

 この要件を満たすUSB接続のオーディオインターフェイスを開発していこうと取り組んだのだ。実際のハードウェア開発を委託したのは神戸市にあるディーエスオー。今回の1ビット研究会に同社代表取締役の大中庸生氏も来場していたが、この2社の二人三脚で開発を進めていったのだそうだ。

 最初に作った試作機0号では、1bit/2.8MHzのマルチチャンネル録音を可能にするという目的でハードウェアを設計。ADCにTIのPCM4204、DACにESS TechnologyのESS9018を用いるとともに、制御を行なうFPGAにAlteraのCyclone II、そしてUSBコントローラにRigiSystemのUSBPALを組み合わせる形で開発。リアパネルにアナログの入出力を装備する一方、フロントパネルにはHDMI端子を搭載し、ここから1bitの信号のやり取りができるようにもなっていた。

試作機0号の内部構造
HDMI端子も装備

 もちろんハードだけではレコーディングできないので、ASIO 2.1による1bit録音アプリケーションも開発した。もっともソフトのほうは、本当に録音と再生を行なうだけのシンプルなものとなっていたそうだ。この試作機0号を用いて、2012年4月にレコーディングを行なった結果、十分安定して動作することが実証できたため、アルバムの制作に着手。そして同年9月にコントラバスによる演奏のレコーディングを行ない、今年4月に「モティヴィ」というタイトルのSACD作品をリリースしている。

 それと並行する形で試作機1号にも着手。これは0号の機能を1枚の基板に集約。その上でUSBによる高レートデータ通信とFPGAによる制御を確立したという。具体的には1bit/5.6MHzでの8chのマルチチャンネル録音・再生を可能にするとともに、PCMでの8ch/192kHzまたは4ch/384kHzまでの録音再生にも対応。またUSB経由での各機能パラメータ制御もできるようにした。その試作機1号の録音動作は現在実証を継続中とのことだ。

試作機1号の写真。こちらは以前のイベント「M3-2013」で撮影したもの
筐体を基板に合わせて適切なサイズに加工した試作機1号

 ちょっとユニークなのは、レコーディングしている素材がコントラバスやバイオリンの独奏であるという点。相川氏によると、臨場感というものを感じる要素としては、直接音と1回反射した初期反射音、さらに2回以上の反射を繰り返した音がどうバランスして聴こえるかにある、という。そして、その効果がもっとも現れるのがコントラバスやバイオリン単独での演奏であるという考え方から、そうした作品をサラウンドのSACDで表現しているのだそうだ。

 さらに、現在取り組んでいるのが、試作機第2号。これは実用的な形態へ転換するために、コンパクトな筐体を目指しているそうだ。具体的にはFPGA、DAC、USBをまとめた主基板と、ADC基板を分離し、SDIF-3などのデジタルインターフェイスを実装させた上で、1Uのハーフラックを目標とするとのこと。ちょうど、この発表の直前に試作基板が上がってきたとのことなので、製品化もそう遠くはなさそうだ。

ヤマハのモニタースピーカー、MSP7 STUDIOを5台横に並べてサウンド再生のデモを行なった

 この発表の後、実際に試作機0号で録った音が会場で披露された。もっとも、しっかりしたサラウンド環境を整えるのは難しいため、相川氏が持ち込んだ、ヤマハのモニタースピーカー、MSP7 STUDIOを5台横に並べてのサウンド再生。さすがにこの形態だと、立体感、臨場感までを得ることはできなかったが、試作機の音の良さというのは十分過ぎるほど実感することができた。

オーディオ市場の変化とラックスマンの取り組み

 2つ目の発表は、ラックスマンの商品企画室室長、小嶋康氏による「PCオーディオの業界動向、市場動向に対してのLUXMAN 社の取組と考え方」という発表。残念ながらこの発表において、特段新しい話やあまり知られていない情報といったものはなかったが、発表内容について簡単に紹介してみよう。PCオーディオの世界において、非常に目立った存在となっているラックスマン。若い人の中には、最近はじめて知ったという人もいるかもしれないが、同社は創業1925年、今年88年目となる日本の老舗オーディオメーカー。世界的に見てもLUXMANブランドは、TANNOY、Victor、Pioneerよりも古い歴史を持つ。

 オーディオ市場の状況に関する捉え方はさまざまだが、とくに趣味のオーディオ市場を見ると、ピークは70年代にあったが、00年代に底を打ち、現在PCオーディオブームによって上昇傾向にある、と小嶋氏は捉えている。こうした中、新しい音楽再生の形は、PCを音楽のトランスポートとしたオーディオシステムへと変わってきており、これにより利便性、音質、趣味性などの面で従来とは大きく変化してきている。また大手企業による提案だけでなく、中小メーカーとユーザー主導によるボトムアップのものも増えてきている、という。その中に1bitオーディオがあると捉えているのだ。

ラックスマンの小嶋康氏
主なオーディオブランドの創業年表
拡大しつつあるPCオーディオによって、趣味のオーディオ市場全体も上昇傾向にあると見ている
ラックスマンユーザーの年齢をグラフで表したもの(2012年)

 小島氏は、2012年のラックスマンユーザーの年齢をグラフ表示させたものを紹介(右写真)。これを見ると、ピークは完全に60歳。小嶋氏によれば、「定年退職金を利用した、自分へのご褒美」として購入しているのが見て取れる、という。

 明らかにユーザーが高年齢化しているのが分かるが、30歳前後にも小さな山がある点に期待をかけているそうだ。ただ、そうした若い世代では必ずしも「スピーカーで聴く音が最高な音である」と捉えておらず、「いかにヘッドフォンでいい音を味わうか」というところにフォーカスを置いている人が多くなっている。ある意味、価値観の違いでもあり、メーカーとしても、そうした層にマッチした製品展開を本気で考えていきたい、とのことだ。別の言い方をすると、これまではどうしても「大きくて重たいものがいい」という従来の考え方を元に製品を作ってきたが、もっと「小さくて、いい音の製品を作っていく」というわけだ。ただ、同社の経験上、そうしたものを作ってもまったく売れないということが何度も繰り返されてきたが、いよいよその時代になったと考えるようになったそうだ。

DSD対応DACの「DA-06」

 現在、同社がPCオーディオ市場に対して展開しているのが、DSD再生にも対応するDACの「DA-06」。本体幅は440mmで、まだ「小さい」とは言えないが、デジタル入力としてUSBと光×2、同軸×2、バランスを装備し、出力としてRCAアンバランスとXLRバランスを備えている。デジタル回路のほうはTIの32bitDSPであるTAS3152を搭載するとともに、USBインターフェイスとDAIR(Digital Audio Interface Receiver)によるジッター削減、高精度の低位相雑音クロックモジュール、DDC機能、出力位相切替機能を装備。一方のアナログ回路はTIのPCM1792Aを左右独立で搭載し、SACDプレーヤーであるD-06と同等のディスクリート構成によるフルバランス回路、大容量OI型電源トランス+大型ブロックコンデンサによるハイイナーシャ電源回路などを特徴としている。プレゼンテーションの後、FOSTEXのスピーカーを用いて、DA-06の試聴が行なわれた。

コルグによるDSDによるDAWシステム「Clarity」と、「DS-DAC-10」

コルグの大石耕史氏(左)と、石井紀義氏(右)

 第7回 1ビット研究会の発表の最後を飾ったのはコルグ。発表を行なったのは、だいぶ前にこのDigital Audio LaboratoryでMR-1、MR-1000の開発者としてインタビューをしたことがあった大石耕史氏と、昨年、DS-DAC-10の開発者として話をうかがった石井紀義氏。大石氏、石井氏とも、同社の開発1部でDSD関連製品の開発を行なうエンジニアなのだが、実は二人とも、最初の発表者でもある早稲田大学の山崎芳男教授の研究室の卒業生だったのだ。大学生時代、必ずしも1bitオーディオの研究を行なっていたわけではなかったようではあるが、社会に出て立派に1bitオーディオの最前線で活躍しているというのは、なかなか頼もしい限りだ。

 さて、そのコルグのプレゼンテーション。前半は大石氏による発表で、コルグが歩んできたDSD研究開発の歴史、後半は石井氏によるDS-DAC-10の技術的な解説となった。かなり幅広く、突っ込んだ内容の発表だったので、かい摘んで紹介していく。

1997年発売のオーディオインターフェイス「1212I/O」

 コルグの1bitオーディオへの取り組みの原点は1997年にリリースされたオーディオインターフェイス「1212I/O」だったとしているが、具体的に研究に取り組みだしたのは大石氏入社後の2004年。最初のミッションは1bitサンプリングしたグランド・ピアノのデータをPCM化する、というものだったそうだ。それに対し、社内用ツールをいろいろ開発しながら、研究をしていった。その結果、見えてきた課題は、以下の3点だという。

  • 1bit録音してしまうとCD作成やMP3での配布ができない
  • 1bitオーディオ・ファイルは編集できない
  • 1bitオーディオ・ファイルはPCで管理(再生)できない
AudioGate 1.0

 そこで、1bitオーディオファイルをアーカイブとして利用しやすくしようという目的で、プレーヤーソフトであるAudioGateの開発がスタートしたそうだ。そこでの設計思想として以下の3つを挙げた。

  • PCに不慣れな人でも使いこなせる(ハードウェア感)
  • DAWへのアンチテーゼ(自由度の制限)
  • MDレベルの編集機能

 今でこそプレーヤーソフトとしての地位を確立したAudioGateだが当初はプレーヤーソフトとして作られたわけではなかったのだ。ちなみに、当初のAudioGateの技術のキーとなったのは、以下の3点。

  • SSE2アセンブリ・ベースのコーディングによる高速化
  • リアルタイムPCM変換再生
  • プレビュー&レンダリングによる編集

 その後AudioGateはバージョンアップを重ねつつ進化していった。1.5でMP3、AAC、Apple Losslessm、WMAのファイルの読み込みに対応するとともに、ソングリスト連続再生を実現。2.0でDSDディスクの読み書き、オーディオCDの読み書き、FLAC対応、リピート/シャッフル再生、ダイレクト選曲機能などプレーヤー機能を強化していき、2.2でWASAPI対応とフリーダウンロード化、そして2.3でDSDネイティブ再生に対応していったのだ。

 また、この2.3のタイミングでエンジンをClarityというシステムと同等のものに差し替えている。あまり世の中に知られていないClarityだが、これがどんなものなのかが、説明されていった。

Mix Juice

 これは2007年に「1bitオーディオに対応したUSBオーディオインターフェイスを試作する」という命題からスタートしている。すでに忘れてしまった人も多いと思うが、Windows 7がリリースされるまでのソニーのVAIOにはSoundRealityというサウンドチップが搭載されており、これがASIO 2.1対応でDSDネイティブ再生を可能にすると同時にDSDでのレコーディングも可能なシステムになっていたのだ。コルグでも当初、これをリファレンスとして、Mix JuiceというDSDでの録音再生を可能にするソフトウェアを試作していた。しかし、そのDSD対応VAIOが世の中から消えてしまったこともあり、自前でDSD対応オーディオインターフェイスを試作していこうということになったのだが、そのとき実現しようとしたテーマは、以下の4つ。

  • USBオーディオによる高品位な再生
  • マルチ・チャンネルへの対応
  • DSDドメインでの本格的な編集(CPUネイティブ)
  • 波形の高速表示

 いろいろと苦労する点はあり、開発から3年近くかかったようだが、それを実現したのが2010年にサンフランシスコで行なわれたAES Convensionで参考出展した1bitオーディオ=DSDによるDAWシステム、Clarityだったのだ。

 このClarityはUSBオーディオインターフェイスであるMR-0808U、Windows上で動作するソフトウェアのClarity、そしてストレージ(FireWire接続のSSD)、MIDIコントローラ(nanoKontrol)から成り立つシステム。そう8IN/8OUTを装備するMR-0808Uを通して、同時8chの録音と再生を実現できるようになると同時に、ある程度の編集作業を実現できるようにしたのだ。具体的なClarityの特徴は、主に下記の通り。

  • 5.0/5.1chサラウンド・ミックスに対応した8バス構成のミキサー搭載
  • フェーダー/パンのオートメーションに対応
  • 各トラック/バスに4バンドEQを搭載
  • MTC(MIDI Time Code)とMMC(MIDI Machine Control)に対応
  • WSD/DSDIFF/DSFファイルへのレンダリング出力機能の装備
DSD DAWシステムのClarity
MR-0808U
ソフトウェアのClarity

 このほか、Clarityのトラック・シグナル・フロー、バス・シグナル・フローも大石氏により公開された。

Clarityのトラック・シグナル・フロー
Clarityのバス・シグナル・フロー

 このClarity、実際のレコーディングなどでも使われるようになっているが、残念ながら市販はされておらず、今のところその予定もないようだ。やはり、それを必要とするマーケットが小さいのと同時に、実際に販売するとサポートをする義務が生じ、それがかなり大変であるという判断から、販売されていないようだ。ただし、必要であれば、ユーザーがClarityを利用することは可能。具体的にはコルグが運営するレコーディングスタジオであるジーロックス下高井戸スタジオにClarityが設置されており、スタジオ代に追加する形で1時間5,250円の利用料金でレコーディングができ、1時間6,300円の利用料金で編集・ミックス作業ができるとのことだ。

 さて、そのClarityのシステムが開発された後、社内的に「DSD再生ができるUSB-DACが欲しい」といういニーズから一つの試作機が作られた。それは、ClarityのハードウェアであるMR-0808Uを2ch出力のみに簡素化したシステム。つまり、2.8MHz/5.6MHzに対応したDACで、ステレオライン出力とヘッドフォン出力を装備。USBバスパワーで動作し、ASIO 2.1に対応するとともに、PCMの再生ではS/PDIF出力も可能というコンパクトな機材だ。これをいろいろなところで披露したところ、多くの人から欲しいという声が寄せられ、製品化したのがDS-DAC-10なのだ。見た目のデザインこそ微妙に異なるが、ほぼ試作機の仕様そのままで製品化されたのである。

DSD再生対応DACの試作機
DS-DAC-10

 ご存じのとおり、これが発売された当初にバンドルされていたのがAudioGate 2.3.0で、これはASIOによる1bit再生に対応し、PCMのリアルタイム1bit変換再生を可能にするものだったが、DoPは「機器にダメージを与える可能性もある」との判断から非対応であった。先週紹介したインターフェイスでの発表にもあった通り、流れてくるデータがDSDであるかPCMであるかの判断はオーディオストリーム内のマーカーで判別することになるが、これはストリーミング中にデバイス側が切り替わることになるため、その瞬間に激しいノイズが発生する可能性がある。ハードウェアミュートによって切り替え期間も含めた対応が必要となり、ソフトウェアでのミュート処理が無効になってしまうという問題があるからなのだ。

 だからこそ、コルグとしてはDoP対応を見送ったのだが、その後、今年4月になり、AudioGate 2.3.2をリリースすると同時にMac OSでの1bit再生に対応したのだ。MacはASIO非対応であるために、一般的にMacでのDSDネイティブ再生というとDoPと言われている。そのため、あれだけ宣言をしておいて、結局コルグもDoP対応したのかと思っていたが、実はAudioGate 2.3.2でのMac対応はDoP対応ではないそうなのだ。

 DS-DAC-10とAudioGateの間で独自の通信を行なっており、オーディオストリームとは別経由でPCM/DSD切り替えをおこなっている。そのため判別用のマーカーは不要であり、切り替え時には確実にストリーミングを停止する仕組みにもなっているというのだ。またMacのオーディオエンジンであるCoreAudioには排他制御を可能にするHogモードというものがあり、これを利用することで他のアプリケーションの出力音の影響を受けることなく1bit再生を可能にしているのだ。つまり、MacでのDSDネイティブ再生はDoPというよりもASIOに極めて近い方式での再生を実現しているというわけなのだ。

 以上が、コルグの発表であったが、発表終了後には会場からAudioGateを称賛する声が上がると同時に、搭載してほしい機能などの意見が次々と挙がっていた。

 これをもって第7回 1ビット研究会のプレゼンテーションは終了となった。途中10分程度の休憩はあったが、4時間以上のかなり充実した内容で、筆者も追いつくのに必死であった。多少、理解不足な点などもあったかもしれないが、概要は伝わっただろうか? 1999年にSACDが規格化されてから14年も経過しているのに、まだまだ発展途上という感じの1bitオーディオ=DSD。1ビット研究会での動きを見る限り、まだまだ面白いことは続いていきそうなので、今後もこのテーマを追っていきたいと思っている。

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藤本健

 リクルートに15年勤務した後、2004年に有限会社フラクタル・デザインを設立。リクルート在籍時代からMIDI、オーディオ、レコーディング関連の記事を中心に執筆している。以前にはシーケンスソフトの開発やMIDIインターフェイス、パソコン用音源の開発に携わったこともあるため、現在でも、システム周りの知識は深い。  著書に「コンプリートDTMガイドブック」(リットーミュージック)、「できる初音ミク&鏡音リン・レン 」(インプレスジャパン)、「MASTER OF SONAR」(BNN新社)などがある。またブログ型ニュースサイトDTMステーションを運営するほか、All AboutではDTM・デジタルレコーディング担当ガイドも務めている。EPUBマガジン「MAGon」で、「藤本健のDigital Audio Laboratory's Journal」を配信中。Twitterは@kenfujimoto