鳥居一豊の「良作×良品」
UHD BDプレーヤー「DMP-UB900」で見る「レヴェナント:蘇りし者」の壮絶サバイバル
2016年10月6日 10:00
今回取り上げる良作はパナソニック「DMP-UB900」(実売価格138,240円)。Ultra HD Blu-ray(UHD BD)の再生に対応したプレーヤーの1号機で、発売当初は品薄が続いたが、現在は安定供給となっているようだ。4K信号に加えてHDRにも対応した映像を収録できるUHD BDは、映像表現力はズバ抜けており、作品タイトルも徐々に揃ってきている。パッケージは、UHD BDほか通常のBD、3D作品ならばBlu-ray 3Dもセットになることが多いので、筆者は新作ならばUHD BDを選ぶし、旧作でも買わずにいられぬ名作はUHD BDで新規に購入している。
まずはDMP-UB900から詳しく紹介していこう。UHD BD再生対応に合わせて、「4Kリアルクロマプロセッサplus」を搭載。ディスクに記録されている4K(4:2:0)の信号を高精度マルチタップ処理で4K(4:4:4)に補間し、高精度な4K映像再現を可能にしている。ディテールの再現では、「4K超解像/W超解像」を採用。4K信号のディテール向上だけでなく、BDソフトの4Kアップコンバートでも威力を発揮する。このほか、色信号の復元は独自の「4Kダイレクトクロマアップコンバートplus」を搭載する。こうした基本的な技術は、BDレコーダの最上位モデル「DMR-UBZ1」(実売価格308,660円)と同等となっている。
音質面についても、映像と音を独立して出力できる2系統のHDMI出力を採用。アナログ出力も、ステレオ出力と7.1ch出力をそれぞれ装備する。オーディオ回路にはUBZ1で採用した高性能スイッチング電源回路をUB900用にチューニングして搭載。各部の高音質パーツも、192kHz/32bitDACをはじめとして、高音質コンデンサーやOFC電源トランス、コモンモードフィルタ、マイカコンデンサなどを贅沢に搭載している。シャーシ構造こそDMR-UBZ1のような高剛性シャーシではないが、内部的にはかなりの部分でその技術を継承したモデルとなっている。
こうした高音質を活かすため、ホームネットワーク機能にも対応。ハイレゾ音源はリニアPCM最大192kHz/32bit、DSD最大5.6MHzに対応しており、幅広い音源をネットワーク経由あるいはUSBメモリーから再生可能だ。もちろん、BDレコーダーなどの録画番組を再生する「お部屋ジャンプリンク」も楽しめる。
薄型コンパクトなボディで設置は容易。基本的な機能をチェック
DMP-UB900のボディは、DIGAと共通したデザインになっており、天板の手前にあるUHD BDのロゴがなければDIGAと間違えそうなフォルムだ。薄型のスタイルも共通だ。
基本的には鋼板を使った一般的なシャーシ構造だが、天板部と側板部には樹脂製の化粧パネルが備わっていて、無骨な鋼板のボディは底面くらいしか露出していない。10万円を超える再生専用プレーヤーなのだから当然だが、外見はなかなか高級感がある。
ボディがコンパクトなので設置は容易。本格的なAVラックだけでなく、奥行きが短めの薄型テレビ用のラックなどでも設置に困ることはなさそうだ。
このDMP-UB900は、筆者が購入した物ですでに設置済み。AVラックへの設置では、ゴム系のインシュレーターを挟んでいる。不要な振動が収まるのか、音質面で高域のギラついた感じ(歪み感)が抑えられ、S/Nも多少改善された。こうしたチューニングは、意外に効果があるので、ユーザーならばぜひとも試してみてほしい。
続いては、電源を入れて機能を一通り見ていこう。接続はHDMIケーブルとプロジェクタ(ソニー VPL-VW500ES)とAVアンプ(デノンAVR-72000WA)にそれぞれ接続している。LANケーブルは有線接続としているが、Wi-Fi内蔵なのでワイヤレス接続も可能だ。
電源オン時に表示されるのは、ホーム画面でアイコン形式で各機能が並んだ状態だ。動画、音楽、写真の再生に加えて、ホームネットワーク(DLNA)、テレビでネット(動画配信サービス)、設定がある。
動画、音楽、写真ともに、再生はディスクおよびSDメモリー/USBメモリが選択可能。[テレビでネット]はDIGAと同等の多彩さで、Netflix、radiko.jp、Amazonプライムビデオ、Huluなど、多彩な動画配信サービスに対応している。
設定では、初期設定のほか、壁紙設定やSDカード管理(初期化など)が行なえる。基本的には再生専用プレーヤーなので設定メニューもシンプルだ。HDMIの出力信号設定や映像設定、音声設定、3D設定などは基本的にDIGAを踏襲しており、DIGAユーザーならばほとんど同じ感覚で使えるだろう。
現時点では最高画質UHD BDと言える「レヴェナント:蘇りし者」
本機に組み合わせる良作は「レヴェナント:蘇りし者」。レオナルド・ディカプリオがアカデミー賞主演男優賞に輝いたほか、監督賞・撮影賞を受賞した作品。音楽を坂本龍一が手がけていることでも話題になった。1823年のアメリカ開拓時代を舞台に、息子を殺されたヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)が、瀕死の重傷を負いながらも復讐のために生き抜く姿を描いた物語だ。アメリカ先住民との争いなど、残酷な場面も多い作品だが、それ以上に舞台となる雄大な自然を描いた映像が素晴らしい。UHD BDでも映像は2Kマスターからのアップコンバートした作品が多いが、本作は4Kマスターを使用。HDR化と相まって、雄大にして過酷な自然を生々しい迫力と美しさで描いている。
まずは、HDR対応の4Kテレビや4Kプロジェクタで見たDMP-UB900のインプレッションを軽く紹介しよう。
冒頭は夜明け前の森林のシーンから始まるが、自然光主体で撮影したという映像は、正直に言ってかなり見通しが悪く、BD版を再生したときは黒浮きを覚悟でかなり画面を明るくしないと見づらい印象になってしまった。しかし、4K+HDRとなるUHD BDでは、森の中を薄暗さはそのままに樹皮にコケが生えている様子まで丁寧に再現する。雪解けの水が川のように流れる様子も見事で、透明な水の底の様子まですっきりと見通せる。そして、樹木の間から見える夜明け前の陽の光が眩しい。このダイナミックレンジの広さは見事なものだ。
続いて映像は毛皮を狩るための一団のキャンプ地を先住民が襲う様子に切り替わる。ここは、冒頭の森からキャンプ地へと合流するヒュー・グラスたちの映像を差しはさむほかは、ほぼ1カットで数10分間続く。アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督らしい演出で、突然の襲撃に戸惑う毛皮ハンターの一団と、攻め込む先住民たちの視点が入り交じり、混乱した様子がよくわかる。
激しい戦いの場面は見応えも満点だが、注目すべきは時間の経過に合わせて上ってくる朝日だ。時折画面に見える朝日の眩しい輝きが肉眼で見たときの印象そのままで、これだけの強い光の再現は4Kテレビのような直視型でないとなかなかに難しい。感心するのは、朝日は目も眩むほどの眩しさなのだが、その周囲の空模様は雲の微妙な陰影も含めて非常に階調感が豊かに描かれている。シーンによっては逆光で人々が戦う様子を描くが、逆光でありながらも命がけの戦いを繰り広げる人々の表情もはっきりと映し出される。
明暗のダイナミックレンジの広さと、階調の豊かさ、4K映像らしい緻密なディテールの再現など、DMP-UB900の映像はかなり見応えのあるものだ。現時点ではパナソニックからしか対応機が発売されておらず、ライバル不在と言える状況なのだが、価格的には上位のDMR-UBZ1と同等かそれ以上の緻密さを持っている。
また、特に薄暗いシーンが多く、白一色の雪景色を舞台とすることもあって、色再現も極めて重要になる。薄暗いシーンの暗色も豊かだし、白一色の景色を豊かに描き出す表現力にも驚かされる。UHD BDのポテンシャルの高さもあるが、DMP-UB900はそれを十分に引き出した映像再現力を持っている。4Kディスプレイも最新モデルではかなり4K+HDRの表現力を高めてきているが、絶対的なコントラスト性能など、ディスプレイ側の能力が追いついていないと感じることも少なくない。
現状のUHD BDソフトの再生でポイントとなるのが、このディスプレイ側の実力の問題だ。UHD BDの実力を存分に味わえるディスプレイとなると、各社の最上位モデルが欲しくなる。4Kプロジェクタも同様で、早々にディスプレイの買い換えをするのが難しい。
実力的にUHD BDの映像を満喫できないならば、UHD BD自体が必要ないのではないか? そう思ってしまう人だった多いはず。しかし、そんなことはない。今回の記事はここからが本題で、HDR非対応の4Kプロジェクタでどこまで上記のようなUHD BD本来の映像に迫れるかを追求する。
HDR非対応の4Kプロジェクタで、UHD BDを再生する
というわけで、ここからは自宅の4Kプロジェクタ「VPL-VW500ES」で、UHD BDの再生を行う。HDR非対応のため、DMP-UB900からの映像出力はSDR(スタンダード・ダイナミック・レンジ)となる。これは一般のBDソフトと同じ輝度のダイナミックレンジ(最大100nit)、および色域(BT.709)となることを意味する。ちなみにHDRの場合は輝度ダイナミックレンジは最大1,000~1万nit、色域はBT.2020となる。
UHD BDは、幅広い再生互換性を持っていて、接続するディスプレイに合わせて、解像度、HDR/SDRの切り替えなどを行なう。接続相手がフルHDディスプレイだとしても、2Kダウンコンバート、SDRで出力するし、HDR非対応の4Kディスプレイには4K解像度はそのまま、SDR出力となる。
これに加えて、パナソニックのUHD BDプレーヤーは、「ダイナミックレンジ変換出力」という機能を持っている。これは、SDR出力でもなるべくHDRに近い映像を見るための機能のこと。ディスプレイの能力に合わせて調節してやることで、HDR映像に近い感触の映像を楽しめるのだ。この機能を駆使してどこまでHDRに迫れるかに挑戦したい。
ここからは、主にDMP-UB900の画質調整機能を駆使して、非対応の4Kプロジェクタでの映像を見ていくが、その前にプロジェクタ側の準備を済ませておく。
欠かせないのはランプ使用時間のチェック。必要ならばランプ交換を行ないたい。日常的にプロジェクタを使っていると気付きにくいが、プロジェクタの光源となるランプは使うごとにわずかながら性能が劣化していく。一般に寿命と呼ばれるのは輝度が半減した時期のことを示している。これまでの映像ならば、寿命まで目一杯使っても問題ないが、高輝度表示が求められるHDRのソフトを見るならば、ランプは新品に近いもっとも輝度の出るコンディションのものを使いたい。
自宅では昨年にランプ交換をしたばかりなので、今回は新品のランプは使っていない。だが、VPL-VW500ESにはランプの輝度低下に合わせてカラーバランスを最適に調整するキャリブレーション機能があるので、それを行なっている。キャリブレーション機能ではランプの輝度低下自体には効果がないが、それでも随分と映像がリフレッシュされる。比較してみると一目瞭然だが、カラーバランスが整ったことで、白い空模様がより白さが際立つし、もやのかかった木立の遠近感もよくなっている。今までは半年ほどでキャリブレーションを行なっていたが、毎月あるいはなるべく頻繁にキャリブレーションした方が良さそうだと感じている。
これに合わせて、プロジェクタ側ではいつもの視聴設定から、ランプパワーを「低」から「高」へ、「コントラストエンハンサー」を「切」から「中」として、可能な限りコントラスト感を高め、輝度パワーも出る設定としている。これでプロジェクタ側での準備は完了。あとはDMP-UB900で映像を追い込んで行く。
まずは、冒頭の先住民の襲撃シーンを見て、画質調整を行なった。まずは「ダイナミックレンジ変換調整」を使う。調整値は±12の範囲で選択できるが、マイナス方向に動かすほどにHDRに近いダイナミックレンジの広さに近づく。しかし、画面全体の明るさはかなり暗くなる。強い光を出すために画面全体を暗くすることで、輝度のピーク感が出るようになるわけだ。
とはいえ、暗部が潰れてしまっては映画の醍醐味が台無しだし、特に本作は薄暗いシーンがやたらと多いので、映画が見づらくなってしまう。そこで、本機の画質調整機能で、明るさを持ち上げてバランスを取る。必要に応じて黒レベルも上げて画面全体の明るさも確保する。
画面全体の明るさは文字通り「明るさ」が大きな効果があるが、明るくしすぎると空の雲の陰影が白飛びで消えてしまうのであまり明るくはできない。暗部は「黒レベル」で上げていくが、こちらも黒が沈まないように注意する。
最初のうちはかなり手間取るが、慣れてくるとコツがつかめてくる。「ダイナミックレンジ変換調整」は下げすぎてしまうと暗部の再現が難しくなるので、まずは暗部の再現に注目して「黒レベル」中心で調整し、「明るさ」はほどほどに上げるくらいにしておく。
これで、冒頭の薄暗い森で川のように流れる雪解け水の透明感がしっかりと出れば暗部はOKだ。このあとは先住民との戦闘シーンで朝日が画面に入る場面で、眩しい朝日の輝度ピーク感と周囲の空の階調感が出ているかどうかを確認し、「明るさ」を微調整する。
この調整を暗いシーンと明るいシーンで何度か繰り返して、どちらも満足できるバランスを探していくわけだ。このほか、一面の吹雪のシーンや、山林を遠景で眺めたシーンなどもチェックし、明るさや黒レベルの微調整、解像感の微調整を行なって追い込んで行く。
写真の調整値は、今回の視聴時での最終的な調整結果だが、使用するプロジェクタ、スクリーン、部屋の明るさ(視聴時は全暗)によって変わるので、あくまでも参考程度と考えてほしい。特に4Kテレビの場合は輝度のダイナミックレンジがかなり異なるので、調整値はまったく参考にならないと考えたほうがいい。
このあたりの調整をほぼ自力で行なうのは大変。筆者の場合は何度か4KテレビやHDR対応の4Kプロジェクタで同作を見た経験があるので、その印象を頼りに調整を行なった。HDR映像は現時点では映画館でも上映されない民生用のみの技術で、今後の新作はお手本となる映像を見る機会さえないこともある。厳密に忠実な映像を再現するという意味ではなかなか悩ましいが、見た目に映像が「自然」であるかどうかを頼りにするのが良いと思う。HDRの映像は周囲が切り取られた画面でなければ、肉眼視と誤認しかねないリアリティーがある。そこは制作側も理解しているはずなので、仮にSF映画のレーザー光線であろうと、それがリアルかどうかを頼りに調整すれば、少なくとも実写映画ならば、作り手の目指した映像から大きく外れることはないと思う。
調整がある程度落ち着いたところで、上映を再開しよう。冒頭の先住民との戦いもかなり見応えのあるシーンだが、見どころは山のようにある。次は山中で遭遇した熊との戦い。ここは強烈に生臭いシーンで、熊の攻撃は噛みついて振り回す、前足で体を踏みつける、引っ掻くなどが中心で、どちらかというと地味なもの。それだけに極めて生々しい。噛みつかれただけで人の皮膚は簡単に破れて出血するし、撫でるように前足が触れただけで衣服が破れていく。逃げられないように体を前足で押さえただけでも、ヒュー・グラスは断末魔のような悲鳴を上げる。
暗部の再現性を高めたこともあり、熊の体毛の感触やヒュー・グラスが傷だらけになっていく様子がよくわかる。目を逸らしたくなるような残酷な場面だ。この時、瀕死の重傷を負いながらも、目の輝きがギラリと光っている様子が見え、HDRらしい感触がよく再現できている。
毛皮ハンターの一団は先住民に追われ続け、足手まといになるヒュー・グラスは、数人を残して別行動を取ることにになる。しかし、ヒュー・グラスを襲う困難と悲劇は終わらない。一人残され、復讐を誓うヒュー・グラスのサバイバルがここから始まる。
先住民に追われて激流の滝に呑まれたり、馬で逃げながら崖から落下するなど、何度となく生死の危機を乗り越えていくが、そういった目を引く場面よりも、厳しくも美しい自然の姿が素晴らしい。山野に降り積もった雪、皮膚や衣服に貼り付いた氷、視界を真っ白に覆う吹雪、朝日を浴びた平原で湯気のように舞う朝靄、これらが陽の光を浴びて美しく輝いている。全部が白い世界なのに、極めてカラフルだ。
こうした白の階調は、物理的に輝度ピークは出せないので、朝日の強い輝きは雰囲気が伝われば十分、空模様や上記の白一色の世界をカラフルに描く階調感を重視したものとなっているが、それでも十分に作品の素晴らしさは伝わる。BDソフトを見たときとは、映像が持つ雄大さ過酷さ、生命力に満ちあふれた感じがまったく異なると感じた。この躍動感がUHD BDの素晴らしさだと思う。そうした良さはSDRでも十分に味わうことができる。
ヒュー・グラスの復讐の行方は、ぜひとも自分の眼で見届けてほしい。ここからは、DMP-UB900の音質の印象についてだ。DTS-HD Master Audio 7.1ch収録の音声は、雪を踏みしめる足音のような小さな音から、雪山を登るときの荒い息づかい、野太い銃声のような大きな音まで、極めてリアルな生々しい音で再現される。吹雪の風の唸りや林の中の木々のざわめきなど、細かな音の再現性はかなり優秀で、サラウンド再生もあって自然な臨場感が得られる。
どちらかというと解像感の高い音と言えるが、中低音域にしっかりと厚みがあり、いわゆる硬い音になっていないのは美点と言える。坂本龍一の劇伴もピアノやオーケストラの音色のしなやかさがよく出ているし、雄大なスケールを感じさせる低音の伸びもなかなかに優秀だ。シャーシにコストを投じたDMR-UBZ1には音質は及ばないかと予想していたが、肩を並べるとまではいかなくともかなり健闘している。
これに加えて、音質効果としてDIGAの高級機種でもおなじみの「リ.マスター」や「真空管サウンド」も盛り込まれている。アップコンバート機能は、96kHzまたは192kHzが選択できるので、接続する機器に合わせて使い分けられる。3種の「リ.マスター」は音の滑らかさがより際立つ印象で、6種の真空管サウンドは暖かみや中低音の力感などそれぞれに特徴のある演出が加わる。
現状のテレビやプロジェクタでも、UHD BDの良さは十分味わえる
HDR非対応の4Kプロジェクタでも、UHD BDの実力の高さ、HDRによる豊かな表現力は十分に味わえることがよくわかった。DMP-UB900が備える「ダイナミックレンジ変換調整」や画質調整機能はかなり頼りになると思う。
絶対的な映像の表現力は、優れた4K+HDR対応のディスプレイには及ばない面もあるが、その差よりも、作品ごとに画質調整を追い込む必要がある手間が大きな差だと感じた。これに関しては仕方がないところだろう。
今や動画配信が映像メディアの主流になりつつあり、4K作品やHDR作品を楽しめるサービスも増えてきている。しかし、映像の転送レートなどのスペックはもちろんのこと、HDRらしさを残してSDRのディスプレイで見ることは動画配信では難しい。例えばNetflixの場合は接続したディスプレイに合わせて視聴可能なコンテンツだけが表示されるので、VPL-VW500ESを接続した環境では「4K(SDR)」のコンテンツまでしか表示できず、4K+HDRとなる「HDR」をダイナミックレンジ変換調整では視聴できない。筆者自身もいつかは4K+HDR対応のプロジェクタを導入したいと思っているので、そのときのためにもソフトはUHD BDを所有することにした。
こうした移行期の状態にある人は多いと思うが、そんな人にとって実にありがたい機能をDMP-UB900や下位モデルのDMP-UB90、そして最近発表されたUHD BD対応のDIGAシリーズは備えている。4Kテレビを所有している人は、是非UHD BDの映像を体験してみてほしいと思う。フルハイビジョンの映像が一気に色褪せてしまうほどのインパクトがあるはずだ。
DMP-UB900 | レヴェナント:蘇えりし者 [4K ULTRA HD + Blu-ray] |
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