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【特別企画】そろそろ導入したい、Blu-ray再生環境の勧め

−実売3万円台のAVアンプで「誰もが使えるシアター」に




 

 

ヤマハの低価格AVアンプ「AX-V465」を中心に話を進める
 世代を重ねて値頃感が出てきたBlu-rayレコーダ。新作ラインナップも増加しているBDソフト、PLAYSTATION 3にも注目ゲームが増加し、Blu-ray市場の拡大が本格化している。まだBDの録画/再生環境を導入していない読者の中にも、「そろそろ……」と考えている人が多いだろう。

 先週実施したAV Watchのアンケート結果でも、BDレコーダは「購入予定/検討中」の機器でトップの得票率40.3%。だが、とりあえずBDレコーダ/プレーヤーやPS3を購入しても、フルHD解像度を持つ薄型テレビやプロジェクタ、非圧縮のサラウンド音声をデコードできるAVアンプなどが無ければ、そのポテンシャルを100%引き出せないのが悩ましいところだ。

 前述のアンケートでは、BDレコーダに次いで購入予定/検討中の機器は液晶テレビ(31.5%)、パソコン(26.4%)と続き、4位にAVアンプ(22.8%)が入っている。順序を聞いたアンケートではないが、BD環境構築の優先順位も、おそらくはBDレコーダ、テレビ、AVアンプの順が多そうだ。



■ 意外に安くなっているBD対応AVアンプ

 アンプよりもテレビに重きが置かれる理由は、使用頻度や、音よりも映像にまず投資したいという心理に寄る所が多いだろう。また、Blu-rayの音声フォーマットに対応したAVアンプが高価だというイメージがあるためかもしれない。確かに、各社AVアンプラインナップは、中上級モデルからBD対応がなされていったので、10万円以上のモデルが大半だったのは事実だ。しかし、それは去年までの話。今年は各社エントリークラスのAVアンプでも対応が進み、購入しやすくなっている。

 具体的には、オンキヨーが4月25日に63,000円の「TX-SA507」を、デノンが5月中旬に55,650円の「AVC-1610」を発売。ネット通販ではどちらも4万円台の値が付いている。さらに、3月下旬からヤマハが発売している「AX-V465」に至っては、標準価格は49,350円だが、ネットの通販サイトでは33,000円台で販売しているところもある。

メーカー ヤマハ オンキヨー デノン
型番 AX-V465 TX-SA507 AVC-1610
発売日 3月下旬 4月25日 5月中旬
価格
(4月28日
 現在の実売)

49,350円
(33,000円程度)

63,000円
(42,000円程度)
55,650円
(49,800円程度)
最大出力 140W×5ch(6Ω) 160W×5ch(6Ω) 130W×5ch(6Ω)
HDMI入力 4 4 3
HDMI出力 1 1 1
HDMIアップ
スケーリング
× × ×
音声入力 光デジタル×2
同軸デジタル×2
アナログ音声(RCA)×5
ステレオミニ×1
Dock接続用端子×1
光デジタル×2
同軸デジタル×2
アナログ音声(RCA)×7
ポータブル端子
(ステレオミニ)×1
光デジタル×2
同軸デジタル×1
アナログ音声(RCA)×6
Dock接続用端子×1
音声出力 アナログ音声(RCA)×2
プリアウト×3
(サラウンドバック/
サブウーファ)
アナログ音声(RCA)×2
プリアウト×3
(サラウンドバック/
サブウーファ)
アナログ音声(RCA)×2
プリアウト×3
(サラウンドバック/
フロントハイト/
サブウーファ)
映像入力 D4×2
コンポーネント×2
コンポジット×5
D4×2
コンポーネント×2
コンポジット×4
コンポーネント×2
S映像×1
コンポジット×4
映像出力 D4×1
コンポーネント×1
コンポジット×1
D4×1
コンポーネント×1
コンポジット×2
D4×1
コンポジット×2
消費電力 175W 370W 未定
外形寸法
(幅×奥行き×高さ)
435×364×151mm 435×329×151.5mm 434×377×171mm
重量 8.4kg 9.5kg 9.2kg

 AX-V465と組み合わせる場合、例えばパイオニアのBDプレーヤー「BDP-120」(5月下旬発売/オープンプライス/実売29,800円前後)であれば、合計6万円台半ばで収まる。80GBモデルのPS3(CECHL00)は約39,980円なので、合計しても約7万円。低価格なBDレコーダではソニーの「BDZ-T55」や、パナソニックの「DMR-BR550」が7万円程度で販売されているので、それらと組み合わせても10万円程度だ。BD環境構築のハードルは大きく下がっていると言えそうだ。

 そこで、ここではヤマハの低価格AVアンプ「AX-V465」を使用感を中心に、Blu-rayとAVアンプに関する基本的な情報をおさらいしてみたい。


■ DVD時代から進化したBlu-rayの音声

 Blu-rayでは、DVD時代のドルビーデジタル/DTSの音声フォーマットに加え、より高音質なサラウンドを収録可能とするフォーマットが採用された。大きくわけると不可逆、可逆フォーマットの2種類あり、不可逆圧縮フォーマットでは、DVDよりもビットレートが向上したドルビーデジタル・プラス(DD+)と、DTS-HD High Resolution Audio(DTS-HD HRA)がある。音声のビットレートはDD+が1.7Mbps、DTS-HD HRAが6Mbpsまでをサポートしている。しかし、現状のBDビデオタイトルはクオリティを重視し、不可逆圧縮フォーマットを高ビットレートで収録するタイトルは多くない。

 主流となっているのは、ロスレス(可逆)圧縮タイプの「ドルビーTrue HD」、「DTS-HD Master Audio」だ。デコードすれば、原音と同じ音声データに復元でき、非圧縮のリニアPCMをマルチチャンネルで収録するよりも音声が占めるデータ容量を抑えられるのが特徴だ。

 ディスク容量の余裕があるタイトルでは、PCMの非圧縮音声を、5.1chや7.1chなど、そのまま複数チャンネル収録しているタイトルもあり、PCM/ドルビーTrue HD/DTS-HD Master Audioが組み合わされている。なお、こうしたDVDを越える高音質サラウンドフォーマットを「HDオーディオ」と呼んでいる。

【Blu-rayで導入された新コーデック】
フォーマット True HD DTS-HD
Master Audio
DTS-HD
High Resolution Audio
DD+
圧縮方式 ロスレス(可逆) 非可逆
最高ビット
レート
18Mbps 24.5Mbps 6Mbps 1.7Mbps

 Blu-rayに収録されたHDオーディオを楽しむためには、大きく分けて以下の3つの方法がある。

  • (1) プレーヤー/レコーダ側でデコードし、アナログ音声として出力。それをアンプで増幅する
  • (2) プレーヤー/レコーダからリニアPCM音声にデコード。
      それをHDMI端子を介してデジタル信号のままアンプに入力し、増幅する
  • (3) HDオーディオデータを圧縮されたままアンプへ送り、アンプ側でデコード/増幅する

  (1)の利点は、アナログ音声入力さえ備わっていれば、古いアンプでも使用できるということ。しかし、アナログへ変換してから増幅するため、音質の劣化要因になる可能性がある。また、当然ながらプレーヤー/レコーダ側にアナログマルチチャンネル出力が備わっていなければならない。同端子はプレーヤーやレコーダの中高級機にしか搭載されていない事が多いので注意が必要。PS3にもアナログマルチチャンネル出力は無い。

 (2)は伝送時の劣化が1つ目よりも少なくなるが、アンプ側の制約が厳しくなる。リニアPCM音声は、2ch以上を光/同軸デジタルで出力(S/PDIF)できないため、5.1ch/7.1chなどはHDMIで伝送しなければならない。つまり、AVアンプ側がHDMI端子を備え、マルチチャンネルのリニアPCM入力に対応していなければならない。デノンの「AVC-2308」や、ソニーの「TA-DA3200ES」など、2007年頃に発売されたモデルに多い。HDオーディオのデコーダを搭載していなくてもBDの高音質が楽しめるのが特徴。プレーヤー側の代表的製品はPS3で、現在のPS3はHDオーディオをリニアPCMに変換してしか出力できない。

 クオリティ面の理想的な組み合わせは(3)。プレーヤー/レコーダからHDオーディオを圧縮されたデータのまま出力。HDオーディオ対応のデコーダを内蔵したAVアンプで、それをデコードするという流れだ。リニアPCM変換せずに出力することを「ビットストリーム出力」と呼び、AVアンプ側は「ビットストリーム入力対応のアンプ」と呼べる。

 原理的に、プレーヤー側でPCM変換してから転送しても、ビットストリーム伝送してからAVアンプ側でデコードしても違いはないが、デコーダの性能やノイズ対策などで実際に聞き比べると音質が異なる場合が多い。送り側と受け側の機器のグレードによって差が出るが、AVアンプ側でデコードした方が良い結果が出る事が多いようだ。実際にPCM変換とビットストリームを聞き比べ、良い結果が出た方を採用するのがベストだが、その聞き比べはビットストリーム環境が構築できていなければ不可能な比較でもある。

実売29,800円という低価格で登場するパイオニアの「BDP-120」
 前述のようにPS3はHDオーディオのビットストリーム出力には対応していないため、HDオーディオ対応AVアンプの機能を活かすという面では機能的に不満が出る。その点、単体BDプレーヤーは低価格なモデルでもビットストリーム出力に対応しており、PS3に対するアドバンテージとなっている。注目機種は、5月下旬発売のパイオニア「BDP-120」(オープンプライス/実売29,800円前後)、パナソニックのDLNA/YouTube対応モデル「DMP-BD60」(オープン/実売45,000円前後)、シャープの「BD-HP21」(オープン/実売3万円程度)、ソニーの「BDP-S350」(オープン/3万円程度)などが挙げられる。

 BDレコーダのビットストリーム出力は、ソニー、シャープ、パナソニックの現行モデルでは全て対応している。境目は2007年末で、以下のモデルからはビットストリーム出力に対応したモデルが登場している。


  • 【ソニー】2007年11月発売
      BDZ-X90/BDZ-L70/BDZ-T70/BDZ-T50 〜
  • 【パナソニック】2007年11月発売
      DMR-BW900/DMR-BW800/DMR-BW700 〜
  • 【シャープ】2007年12月発売
      BD-HDW20/BD-HDW15 〜

  機器の接続で注意したいのは、プレーヤー/レコーダ側のHDMI出力初期設定が、リニアPCM変換になっている事が多いこと。その場合は設定画面で「ビットストリーム出力」を選ぶ必要がある。「オート」などの場合は、HDMI経由でAVアンプの対応フォーマットを機器自身がチェックし、デコーダを内蔵しているならばビットストリームで出力してくれる。BDビデオ再生時に、DTS-HDやドルビーTrueHDを選んでも、アンプのディスプレイに「PCM 5.1ch」などと表示されている場合は、PCM変換されているので設定をチェックしてみよう。 

常にリニアPCMと表示される場合はプレーヤー側の設定を確かめよう ドルビーTrueHDフォーマットをデコードしている場合の表示 BDレコーダ(ソニーBDZ-X90)のHDMI出力設定画面

■ 端子や機能の取捨選択で低価格化

AX-V465

  ヤマハのAX-V465は、最大出力140W×5ch(6Ω)の5.1chアンプ。同社AVアンプラインナップでは最安モデルで、同モデルの登場により、ヤマハのAVアンプは上から下まで、HDオーディオ対応完了する。

 外観はオーソドックスなAVアンプだが、仕様面に最新AVアンプらしい特徴がある。HDMI接続機器の増加に伴い、必要な機能や端子類を見直しているのだ。従来モデルの「DSP-AX463」と比べると、2系統だったHDMI入力が4系統に増加。光デジタル音声入力は2系統を維持し、同軸デジタル入力は1系統から2系統に増加と、HDMIとデジタル音声入力が強化された。

 反面、S端子を排除。3系統あったD4入力は2系統に、アナログ音声入力(RCA)も6系統から5系統に削減。アナログマルチチャンネル入力も無くなっている。その結果、背面はAVアンプとしてはスッキリしているが、HDMIが4系統も用意されているので接続性は十分。必要な端子のみを取捨選択することで低価格を実現しているわけだ。

 映像と音声をHDMIケーブル1本で伝送できるようになったことで、接続の難しさが軽減されたのもBD時代のAVアンプの特徴。例えばBDレコーダ、PS3、液晶テレビを接続する場合でも、繋ぐケーブルはHDMI×3本で終了。後はスピーカーを繋ぐだけだ。「AVアンプを導入してみたけれど、ゴチャゴチャした背面を見るだけで躊躇していた」という人でもチャレンジして欲しい。

背面

HDMI入力部

HDMIケーブルを接続。これで音声も映像も両方伝送できる

 AX-V465には、スピーカー接続後のセットアップをサポートする「YPAO」も、低価格モデルながら搭載している。付属のマイクをアンプに接続し、普段座っている椅子などに設置。スピーカーの再生音を測定することで、スピーカーの種類や設置距離などに合わせた設定を自動で行なってくれるというものだ。変則的なスピーカー配置でも再生音を整えてくれるため、初心者には心強い機能と言えるだろう。技術名称は各社で異なるが、AVアンプでは標準機能と言っていいほど広く採用されている。

付属の測定用マイクを前面端子に接続

マイクはネジ留めが可能

カメラの三脚などに装着して測定することもできる


■ AVアンプの敷居を下げるSCENEボタン

  安さが目を引く「AX-V465」だが、使い勝手を向上させる大きな工夫がある。フロントパネルに用意された「BD/DVD」、「TV」、「CD」、「RADIO」のSCENEボタンがそれだ。入力プログラムと適用する音場プログラムをセットにして各ボタンに割り当てる機能で、例えば初期設定でBD/DVDボタンには入力ソース「HDMI 1」、音場プログラム「Straight」が割り当てられている。

 Straightプログラムは音場効果をかけずに再生するモードで、BDビデオ再生時にもマルチチャンネルソースに最適なデコーダでデコードしてくれる。つまり「HDMI 1」にBDレコーダ/プレーヤーを繋いでいる場合、BDビデオ再生時には「BD/DVD」ボタンを押すだけで、ソース選択を含め、最適な設定が完了する。「CD」ボタンに「同軸デジタル入力 1」と、広がりを生む「Hall in Munich」モードを割り当て、ステレオCDを広がりのある音で楽しむ……といったカスタマイズも可能だ。

ディスプレイの下に4つ並んでいるボタンがSCENEボタン

付属のリモコン

リモコンにもSCENEボタンを用意。白くカラーリングされ、目立つようになっている

 使い勝手の追求が徹底されていると感じるのは、この「BD/DVD」ボタンを押すだけでAVアンプそのものの電源までONになること。つまり、「プレーヤーにBD/DVDソフトを入れたら、とにかくAVアンプのBD/DVDボタンを押せばOK」なのだ。機能や入力が豊富なAVアンプは、AV機器に詳しくない人には触れにくいもので、「リビングに設置しているが、お父さん以外、家族の誰も使えない」などという状況も多い。せっかく設置してあるアンプやスピーカーも、誰もが好きな時に使えなければ意味がないので、AVアンプの利用頻度の増加に大きな役割を果たすボタンと言えるだろう。

 HDMI CECへの対応も使い勝手を向上させる大きな要素。「AX-V465」の場合、パナソニック、東芝、日立、シャープ、三菱、ソニーのテレビやレコーダに対応。電源ON/OFFと音量調整、入力切替もテレビ側のリモコンから行なえる。

 また、従来モデルから47%大型化したフロントディスプレイに表示するソース機器名のカスタマイズにも対応している。Blu-rayやiPodなど、プリセットされたもの以外に、「PS3」や「Wii」など、英数字で最大9文字まで、自由な名前が登録できる。別売のiPod用DockやBluetoothアダプタを接続するための専用端子も備えているので、様々な機器をわかりやすい表示で切り替えられるのはAVアンプの敷居を下げる機能と言えるだろう。

フロントディスプレイの機器表示はカスタマイズが可能 iPodという表示名はプリセットされている 自由な名前の登録が可能だ

■ 清涼感のあるサウンド

 試聴にはBDソフトの「ポーラー・エクスプレス」、「ウォンテッド」、「AKIRA」、「Suara/Suara LIVE TOUR 2007〜惜春奏歌〜」、「Celine Dion:Live in Las Vegas」(輸入)などを使用した。

 音楽作品ではヤマハらしい、スピード感と清涼感のあるサウンドが印象的。付帯音が少なく、高域の伸びも良好。低価格なAVアンプでは中低域を強調し、モコモコした音になるモデルもあるが、可能な限りニュートラルな音を出そうという姿勢が感じられ、好感が持てる。

 10万円、20万円クラスのアンプを比較すると、全体的に音の厚みが薄く、中低域の張り出しが弱い。「ポーラー・エクスプレス」で星空を眺めて子供達が歌うシーンも、低域の沈み込みと、胸にズーンと迫る圧迫感が弱く、感動的なシーンだが描写が淡白に感じられるが、実売3万円台の価格を考えると妥協は必要だ。SACD/CDで2ch再生するとその傾向はより強く感じられる。BD/DVDではアクティブサブウーファのボリュームを上げたり、バスを若干ブーストするとバランスは良くなる。低域の駆動力を考えるとフロントやリアをブックシェルフスピーカーにして、低域はトランジェントの良いアクティブサブウーファに任せると良い結果が得られそうだ。

 音場プログラムの豊富さは同社上位モデル譲りで、左右の広がり感を重視しつつ、クリアで力強い空間表現をする「Adventure」、モノラル映画を雰囲気良く再生する「Mono Movie」、レースやFPSゲーム用に明瞭な方向感を提供する「Action Game」など、様々なモードが用意されている。ゲーム機と接続しても活躍してくれそうだ。

ゲーム用モードやCD再生時に利用するモードなど、様々な音場プログラムが用意されている

■ BD時代の、新しいタイプのAVアンプ

 テレビの大画面/薄型化が進んだことで、映像のサイズ/クオリティが向上する一方、筐体の容積が減っているため、CRT時代と比べると“テレビの音”はチープ化している。DSP処理などで克服を図る機種もあるが、アンプとオーディオスピーカーの再生音とは、歴然とした差が存在する。

 5.1ch、7.1chと、複数のスピーカーを一度に導入するとなると大事だが、とりあえずAVアンプと2chスピーカーだけを導入し、テレビや映画を楽しむところから始めても、テレビ単体と比べて大幅な音質向上が図れるだろう。映像と音のクオリティバランスがとれれば、映画やゲームへの没入感も飛躍的に向上する。リアやセンターなどの追加は後からでも構わないが、映画の迫力を楽しむ意味で、サブウーファの導入順序は上位に置いたほうがいいだろう。

 ヤマハの「AX-V465」は、HDMI接続機器が増えた現状に合わせ、端子類の取捨選択を行なったことや、SCENEボタンの導入により、非常に使いやすいAVアンプに仕上がっている。単に低価格というだけでなく、わかりやすさという面からも入門モデルとしてお勧めだ。

 しかし、デザインや筐体サイズ的には従来のAVアンプを踏襲しており、一見して真新しさを感じないのが残念な点だ。これまでAVアンプに触れてこなかった人にも訴求する新時代のAVアンプとして、アナログ端子のさらなる削減や、デジタルアンプの採用によるAVアンプの概念を越えた小型/薄型化、斬新なデザインの採用なども今後は求められていく要素だろう。

 フルサイズのAVアンプは、その大きさや重さなどで、一度購入/設置した後はそうそう買い替えるものではない。非圧縮フォーマットに対応し、「Blu-rayの次」が明確でない現状では、かなり長期間の使用が想定される。音質を重視すると個人的には10万円台のモデルを入門として推したいが、「AX-V465」の場合は音質のみを重視する従来のAVアンプとは違う、“使いやすさ”という尺度で測りたくなる。新しいタイプのAVアンプ像を提案するモデルと言えそうだ。


2009428日)

[ AV Watch編集部 山崎健太郎]


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