ミニレビュー

Sonos“真の7.1.2ch”サウンドバー聴いてきた。ポータブルスピーカ連携もチェック

「Sonos Beam Ultra」

Sonosは、9月2日に発表したDolby Atmos対応サウンドバー「Sonos Beam Ultra」と、ワイヤレスヘッドフォン「Sonos Ace Ultra」のメディア向け製品体験会を開催し、発売に先駆けて実機をチェックした。また、日本国内のビジネスは順調に伸長していること、米国本社も日本を含むアジア圏やラテンアメリカ、東ヨーロッパでのバックアップ体制を強化していることなどが明かされた。

サウンドバーのBeam Ultraは、既存のSonos Beamのコンパクトフォルムを維持しつつ、上向きドライバー2基を含む9基のドライバーを搭載し、「真の7.1.2 Dolby Atmos」を実現するというモデル。10月9日発売で、価格は99,800円。9月25日から先行予約を受け付ける。カラーはブラックとホワイト。

再設計されたセンターチャネルにより、セリフもさらにクリアに再生できるほか、これまで最上位モデル「Sonos Arc Ultra」にのみ搭載されていたAIスピーチエンハンスメントも利用できるようになり、より明瞭にセリフを聴き取れる。

Sonosの代名詞とも言える「TruePlay」を利用可能。iOSだけでなく、AndroidでもQuik Tuneで対応する

自動音質補正機能の「TruePlay」や、ワイヤレスでサブウーファーやリアスピーカーを追加することも可能。また「ポータブルサラウンド」機能により、ポータブルスピーカー「Sonos Play」をリアスピーカー化することも可能になった。

Sonosのサウンドバーラインナップは全4機種に

なお、既存のSonos Beam(Gen2)は併売され、SonosのサウンドバーはArc Ultra、Beam Ultra、Beam(Gen2)、Rayの4製品ラインナップとなる。

Sonos Japanの吉田庸樹代表は、「Beam(Gen2)は5年を超えるロングセラーとなっていて、去年発売したArc Ultraも大変好評です。その橋渡しになる、さらなるプレミアムモデルがBeam Ultraです」とした。

「Sonos Ace Ultra」(ブラック)

ヘッドフォンのAce Ultraは、ブランド初のヘッドフォン製品として2024年に登場した「Sonos Ace」の上位モデル。10月30日発売で、価格は69,800円。先行予約は10月16日から。

最新のマグネットを採用することで駆動力を高めた独自設計の40mm径ドライバーを搭載するほか、Aceより2基多い10基のマイクによるアダプティブANC(アクティブ・ノイズキャンセリング)に対応する。

従来モデルと同様、対応するサウンドバーと組み合わせると、サウンドバーで再生しているテレビの音をヘッドフォン側に切り替えられる「TV音声スワップ」が可能。Dolby Atmos対応サウンドバーの場合、ヘッドフォンでもダイナミックヘッドトラッキングによるDolby Atmosサウンドを楽しめる。

対応サウンドバーはArc Ultra、Arc、Beam Ultra、Beam(Gen2)、Beam、Ray。

また、最新の「Headphone Engine 2」により、Ace UltraとSonosシステムが連携する「Headphone Linking」が利用可能。ヘッドフォンをSonosシステムに直接リンクすることで、Ace Ultraのボタンを1回押すだけで、サウンドバーやWi-Fiスピーカーで聴いているサウンドを、Ace Ultraにスワップでき、もう一度ボタンを押してサウンドバー/Wi-Fiスピーカーにサウンドを戻すことができる。

この連携機能は先行アクセスとして提供するもので、対応モデルはArc UltraやArc、Beam Ultraといったサウンドバーのほか、Era 100、Era 100 SL、Five、Moveなど。

左がブラック、右がホワイト
左が新色のサンド、右がアガベ。

また従来モデルはブラックとソフトホワイトの2色展開だったが、Ace Ultraはアガベ、サンドを加えた4色展開となる。

画像左が「Sonos Ace」、右が「Sonos Ace Ultra」。シルバーのスライドボタン下にあるANC用ボタンが大きくなった

そのほか従来モデルとの違いとしては、イヤーカップ外側のSonosロゴのデザインが変わったほか、ANCボタンの大型化、電源ボタンの位置変更などのアップデートが施されている。

Sonos Japanの吉田代表は「(Aceは)昨年4月から展開していて、かなりブランド認知が深まりました。今回、それをさらに深めるべく、Aceの“援軍”としてAce Ultraを導入し、ヘッドフォンカテゴリーでさらに強いポジションを作りたい」とした。

実機を聴いてきた

短時間ながら実機を試聴することができた。まずはサウンドバーのBeam Ultraから。今回は75型テレビと組み合わせ、「トップガン マーヴェリック」を視聴した。

まずはサウンドバー単体で試聴。身体に響くような低音をしっかりと味わえるが、それでいてセリフが聞き取りにくいといったことはなく、とてもクリア。AIスピーチエンハンスメントはOFFの状態でも十分明瞭だったので、再設計されたセンターチャンネルの恩恵が強い印象だった。

サウンドバー天面には音量操作などができるタッチバーを装備

また印象的だったのはサウンドの立体感。Beam Ultraは上向きスピーカーを備え、上方向からのサウンドも正確に再生できるのが特長で音に包まれるような体験ができるが、特にBGMは横方向に大きく広がる印象で、75型テレビの画面のさらに横から音が聞こえてくるような感覚だった。

Beam Ultra自体の推奨TVサイズは最大65型とされているが、サウンドの広がり方、パワフルさでは75型と組み合わせても遜色ないだろう。

Sonosといえば、ワイヤレスでリアスピーカーやサブウーファーを追加できるのが特長。今回はポータブルスピーカー「Sonos Play」をリアスピーカー化してみた。

「Sonos Play」

Sonos Playは4月に発売されたBluetooth対応のポータブルWi-Fiスピーカー。これまでWi-Fi経由でほかの部屋にあるSonosスピーカーと連携してグループ再生などが可能だったが、サウンドバーのリアスピーカーとして使うことができなかった。しかし、先日提供が始まった最新ソフトウェアを導入することでリアスピーカー化できるようになっている。

アプリでサウンドバーと2台のSonos Playをあらかじめサラウンドとしてペアリングすれば、Sonos Playをサウンドバーの近くに持ってくるだけで自動的にサラウンド化される

Sonos Playをリアスピーカー化するには、対応するサウンドバー(Arc Ultra、Arc、Beam Ultra、Beam Gen 2)と2台のSonos Playを用意し、「Sonos」アプリで、これらをサラウンドシステムとしてペアリングすると準備完了。あとはセットアップしたSonos Playを、サウンドバーの近くに置くだけで自動でリアスピーカーとして認識、再生される。またSonos Playを移動させるとリアスピーカー化が解除され、通常のポータブルスピーカーとして使えるようになる。

この自動認識には、Sonos Play内蔵の加速度センサーと、サウンドバーに搭載されているマイクを活用。加速度センサーでSonos Playが移動したことを検知し、サウンドバーから高周波を出して位置を特定、サウンドバーと近いエリアに置かれたと認識すると、自動でリアスピーカー化される。

そのため、普段はSonos Playをキッチンや寝室などでポータブルスピーカーとして使い、映画などを楽しむときはリビングに移動させてリアスピーカー化する、といった使い方が可能。Sonos Playはバッテリー内蔵式のため、電源ケーブルを用意することなく、ワイヤレスでサラウンドを楽しめる。

実際にリアスピーカー化して、サラウンド環境を構築すると、映画の臨場感、没入感が格段にアップする。Sonos Playを使えば電源ケーブルの配線も不要で、気軽にサラウンド化できるのも大きな魅力に感じた。

なお、Sonosのスピーカーシステムを使ったサラウンド環境については、以前レビュー記事を掲載しているので、気になる方はそちらもチェックしてほしい。

「Sonos Ace Ultra」(アガベ)

続いては、ワイヤレスヘッドフォンのAce Ultraをチェック。iPhone 16 ProとBluetooth接続して、Apple Musicで音楽を聴いてみた。

「ダイアナ・クラール/月とてもなく」では、冒頭のウッドベースの弦が唸る様子やボーカルのリップノイズ、艶のある歌声の質感など、小さな音やニュアンスもしっかりと表現される。低音もパワフルでありつつ、ボーカルの解像感がしっかりとあるため、歌声が埋もれてしまうといったこともない。ただ、ボーカルの反響音が少し強調されて再生されるような印象があった。

「Sonos Ace Ultra」(サンド)
付属ケース。Sonosロゴのカラーは本体とマッチしたものに(画像はサンドのもの)

「HANA/ROSE」も聴いてみると、サビの高音域も耳に刺さるようなトガリはなく、しっかりと伸びる印象。音場には奥行き感がありつつ、パワフルな低音が味わえるので、思わず身体を動かしたくなるほど、楽曲の世界に没頭できた。

イヤーカップは柔らかく、耳に優しくフィット。側圧は少し強い印象だが、締めつけられるような強さではないので、長時間でもストレスなく使用できそう。ANCも強力で、周囲の話し声がほとんど聞こえなくなるほどに騒音をカットしてくれる。

外音取り込みも、マイクの音をそのまま使っているような“人工っぽさ”はほとんどなく、自然に会話もできそうなイメージだったが、屋内では「コーッ」というエアコンの駆動音を少し強めに拾っているような印象もあった。

Sonos本国のバックアップ体制も強化。「来年はさらなる成長を」

Sonos Japanの吉田庸樹代表

Sonos Japanの吉田代表は「グローバルでは、当然アメリカ本国が好調なのですが、会社のイニシアチブとして西欧・アメリカ以外で新たな成長の柱を作ろうということで、アジア、ラテンアメリカ、東ヨーロッパという地域(の業績)を伸ばそうと、本社のバックアップ体制が強化されています。これは日本も例外ではありません」とした。

「本社のサポートを受けつつ、いろいろな取り組みや企画を行なっておりまして、その状況は来年以降も変わらず、さらに投資していく動くになっております。Sonos Japanとしても対前年比で(金額ベースで)20%以上の売上成長しており、来年はさらなる成長を求められております」

吉田代表は「我々は10月から新年度となりますが、そこに向けて3つの大きな柱がある」と説明。オペレーティングシステム全体の革新を図ったアプリ戦略と、サウンドバーのBeam Ultra、ヘッドフォンのAce Ultraの2製品を紹介した。

そのほか説明会では、Sonosがこれまで開発してきたオーディオ・オペレーティングシステムで、ハード、サービス、ユーザー体験をつなぐ包括的なフレームワークを「Sonos 27」、同一ネットワーク下でSonos製品が連携する機能を「Sonos Fabric」、そのSonos Fabricのなかに、Ace UltraとSonosシステムが連携する「Headphone Linking」、Sonos Playをリアスピーカー化する「ポータブルサラウンド」機能が含まれることなどが説明された。

これまでSonosでは、OSやフレームワークに名称をつけていなかったが、今年は「Sonos 27」として展開する。末尾の27は「2027年」から
Wi-Fi上でSonos製品が互いを検出、役割を識別して、連携するシステム機能も「Sonos Fabric」と呼称する
酒井隆文