同イベントは、ケーブルテレビ業界の最新ハードやサービス提案を展示する総合コンベンション。出展規模は709小間で、7万人の来場者を予定している。今回は「ブロードバンドテレビ! -新時代へチャレンジ-」をテーマに掲げ、ADSL、FTTHと並ぶ、ブロードバンドインフラとしての側面が強調された。 ただし、放送分野も「デジタル化」、「双方向」、「110度CS」といった新分野への取り組みが目立ち、見所の多いイベントとなっている。特に、通信との融合から派生する新しいビジネス提案が見られた。 ブロードバンド系の記事は僚誌「BroadBand Watch」にまかせ、AV WatchではCATV用 STB(セットトップボックス)などの放送分野をレポートする。
■ 松下電器がHD配信システムを展示 松下電器ブースでは、デジタルCATV用STBでHDストリーミングを受信するデモを行なった。これは、FTTH経由できたHDデータをCATV STBでデコードして再生するというもの。今回のデモでは、ブース裏にある仮設サーバーから、「ホームゲートウェイ」に送信、ホームゲートウェイからIEEE 1394経由でCATV STB「TZ-DCH100」にMPEG-2データを送信していた。 ホームゲートウェイは、4月に行なわれたデジタルシネマ・研究コンソーシアムの研究発表会で展示されたものとほぼ同じ。IEEE 1394、IEEE 802.11b(無線LAN)などをインターフェイスに備え、IEEE 802.11b経由でWeb EPGと呼ぶ番組データをPocektPC 2000に送信し、そこからコンテンツを選択できるようになっていた。配信にはIPv6の使用を想定しているという。
また、7月から販売が開始されるHDD内蔵STB「epステーション」も出展していた。ディスプレイされたのは「EP-P100」で、実際に蓄積型サービスを再現していた。各コンテンツの視聴や、メールなどの諸機能を試すことができる。メニューの切り替えなども高速で、文字も大きく見やすい印象。 なお、蓄積チャンネルは、「楽天市場」、「アルクのClick & Voice English」、「円谷チャンネル」など32番組の開始がアナウンスされていた。 そのほか、国内向けの双方向デジタルCATV STBの参考出品もあった。ブースでは、地方公共団体と住民をつなぐチャンネルを例として挙げていた。また、BSデジタル/110度CSデジタルに対応した新デジタルSTB「TZ-DCH250」も出展。発売は今夏になるという。
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■ HDD付きSTBなどを展示したパイオニア CATV STBで大きなシェアを持つパイオニアは、次期デジタルSTB「BD-V2TC」を参考出品した。BSデジタル/110度CS/HITSに対応し、JCTA日本ケーブルラボの「BSトランスモジュレーション」に準拠している。今年度中には出荷される見込み。背面には、D4出力端子や、AAC出力用の光デジタル音声端子などを装備している。 パイオニアブースでは、このV2TCの筐体を使い、双方向通信などのデモを行なっていた。ヘッドエンドとは別に、PCを中心にした双方向システムを組むことで、WSTBの状態監視、視聴データの収集などが行なえる。 また、Webブラウザ機能も付加できるので、地域密着型のポータルサイトをケーブルテレビ事業が構築するなど、STBを核にしたビジネスを展開できるという。 そのほか、北米向けのHDD内蔵型デジタルSTBも参考出展していた。HDDを使った蓄積型サービスに対応し、下り860MHz、上り42MHzの双方向システムも可能。さらに、HDにも対応し、出力端子にはコンポーネント端子やDVI-D端子を備えている。日本市場への投入は未定。
■ その他ハードウェアおよびシステム
NECも110度CSに対応したデジタルSTBを出展した。型番は「CM-4210T」で、出荷は11月ごろになる予定。本体やリモコンも見た目はほとんど変わっていない。また、ブースタも110度CS対応モデルが各社から出展されていた。 Webストリーミングを主目的にしたインターネットSTBも何点か見かけた。PCをベースにしたものがほとんどで、Webブラウザ、メーラーを備えている。どれも提携先を探している段階で、日本での発売は未定。 ヘッドエンドでは、JCTA日本ケーブルラボに準拠したものが多かった。たとえば、シスコシステムズは、MPEG-2多重化システム「6920 RateMUX」を展示の中心にしていた。リマックスシステムに対応し、MPEG-2ながら劣化のない切り替えが可能だという。
また、ラボ準拠ではないが、カノープスはMPEG-2配信システム「MEDIAEDGE」の導入を小規模CATV局や公共団体向けに提案していた。地域内のVODや、自主放送チャンネル送出が低価格で可能になるという。
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■ 今年も盛り上がったコンテンツサプライヤーゾーン 同イベントには、コンテンツサプライヤーのコーナーも設けられている。放送内容の紹介が中心だが、熱心な一般ファンの姿が見られるなど、ここだけはほかのゾーンとはまったく異なる雰囲気が味わえる。グッズなどの手渡しもあるので、興味のある方は一度足を運ぶのも良いかもしれない。
□ケーブルテレビ 2002のホームページ (2002年6月12日) [orimoto@impress.co.jp] |
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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp