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松下、HighMATに関する説明会を開催
-MPVとの違いを強調。AVC社の全機器がHighMAT対応へ


3月26日開催


 松下電器産業株式会社は26日、報道関係者向けにデジタルコンテンツの統一規格「HighMAT」に関する説明会を開催した。

AVCネットワークス社 AVテクノロジーセンター 商品開発第2グループ 水上俊彦グループマネージャー

 HighMATは、同社とMicrosoftによる、PC上のデジタルコンテンツのAV機器での利用を簡便化するための保管/再生/検索に関する統一規格。

 説明会は同社が3月19日に発表した、HighMAT対応DVDプレーヤー「DVD-S75」、「DVD-S35」と、5CDチェンジャ搭載コンポ「SC-PM77MD」の紹介を兼ねて実施され、HighMAT対応製品のロードマップや、今後の展開予定などが語られた。

 まず、パナソニックAVCネットワークス社 AVテクノロジーセンター 商品開発第2グループ グループマネージャーの水上俊彦氏がHighMATの目標について解説。PCとAV機器との間のフォーマットの互換性や、検索性の向上などによるユーザーのメリットについて説明したほか、BHAやアプリックスなどのライティングソフトメーカーが、HighMAT対応ソフトを開発中で、5~6月にリリースされるとの見通しを示した。

 また、HighMATでは対応コンテンツに応じて、WMA/MP3のオーディオ再生のみに対応した「レベル1」、オーディオと静止画表示(JPEG)に対応した「レベル2」、レベル2に加え動画(WMV、MPEG-4)の再生に対応した「レベル3」を用意。認定ロゴによりレベルが区別できるようになっている。

 先日発表されたHighMAT対応製品では、DVDプレーヤー「DVD-S75/S35」がレベル2、ミニコンポ「SC-PM77MD」がレベル1対応となっている。現在、レベル3対応機種は発表されていないが、DVDプレーヤーなどで対応を進めていく方針という。

HighMAT提案の狙い HighMATのレベルとロゴ

 水上グループマネージャーは、「今後AVCネットワーク社で発売するほとんど全ての製品でHighMATに対応し、ユーザーの利便性を高めていきたい」とし、積極的にHighMATを展開していくことをアピールした。

マイクロソフトはライティングソフト「Shell Burn Wizard」を開発中

 続いて、マイクロソフト株式会社ニューメディア&デジタルデバイス本部マーケティング部 エグゼクティブプロダクトマネージャー 河野万邦氏が、マイクロソフトのHighMAT展開について解説した。

 1月にリリースしたWindows Media 9とムービーメーカー2の紹介し、WM9では2ステップでHighMAT対応CDを制作できるなどの特徴を簡単に解説。さらにHighMAT対応のライティングソフト「Shell Burn Wizard」を開発中とコメントした。

 Shell Burn Wizardは、ウィザードに沿って画像をHighMAT CDに保存し、メニュー構造を自動生成するソフトウェアで、音楽や映像、画像が混在したHighMAT CDの作成も可能となるという。リリース時期については、「現在開発中のため、正式な回答はできないが、松下さんから今後多くの機器が出てくる予定とのことで、それに間に合うようにリリースしていきたい(河野氏)」という。

 質疑応答では、米国の光ストレージ業界化団体OSTAが策定したマルチメディアタイトルの業界標準規格「MPV」との競合について質問が及んだが、「MPVは、もともとKodakなどが立案し、フォトラボ用の規格としてスタートしている。HighMATは民生機器用ということで位置づけが異なっている。また、MPVはそうしたプロ向け用途を考慮した“重い”規格となっており、LSIへの負荷が高いが、HighMATは民生機器で100円ぐらいのマイコンでハンドリングできる(水上氏)」と両規格の位置づけの違いを強調した。

 なお、HighMAT形式でCDに書き込む際に、高ビットレートのWMA9やWMA9 Losslessなどのファイルを用いると低ビットレートにコンバートされてしまう問題については、「対応機器の互換性などを考え、HighMAT形式の場合ビットレートを64~160kbpsに制限している」という。

 また、現在HighMAT形式で書き込みが行なえる民生機器は登場していないが、「現状のLSIの能力ではやや無理があるため、実現は難しい」としながらも、LSI能力の向上などにより実現可能になれば、対応する予定としており、「そうした場合は、新しいロゴやレベルの策定を行なう」という。また、HighMATは現在CDメディアのみのサポートとなっているが、今後DVDへの対応などの際には、やはり新しいレベルの策定などを考えていくとしている。

 なお、HighMAT対応機器は、現在松下電器以外の会社から発表されていないが、「(HighMAT対応機器で)先行できるという意味でアドバンテージはあるが、各社のDVDプレーヤーやコンポなどで対応してもらいたいと考えている(水上氏)」という。また、現在発表されているHighMAT機器では、自社製のLSIにより対応しているが、こうしたLSIの外販も見込んでいるほか、4月中旬以降にライセンス開始を予定。他のチップメーカーなどでもHighMAT対応が可能になるため、各社のサポートが期待されるという。

DVD-S75 マルチチャンネル出力に対応する
SC-PM77MD スピーカーはバイアンプ駆動
「DVD-S75/S35」にWMA/MP3やJPEG画像を書き込んだCDを挿入すると、大量のファイルがディレクトリ表示される(左)が、HighMAT(右)ではジャンルごとに振り分けられる

□松下電器産業のホームページ
http://matsushita.co.jp/
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(2003年3月26日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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