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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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株式会社日立製作所は20日、ディスプレイパネルとチューナ部を自由に組み合わせられるプラズマテレビおよび液晶テレビ「アドバンスド Wooo Selection(ウーセレクション)」を発表した。 ディスプレイ6機種(プラズマディスプレイ4機種、液晶ディスプレイ2機種)、チューナ・入出力部の「AVCステーション」4機種から選択可能。組み合わせは24通り。AVCステーションには地上デジタルチューナ搭載タイプも用意する。 また、AVCステーションは現行のプラズマテレビ「3000シリーズ」と組み合わせることも可能。さらに、HDDレコーダ機能を搭載したAVCステーションもラインナップしている。 価格、発売日は以下の通り。組み合わせに制限はない。組み合わせた場合のメーカー希望小売価格は、単純に両者を足した額となっている。
■ 輝度1,100cd/m2の新ALISパネルを採用 偶数ラインと奇数ラインを交互に発光させることで、32V~42V型のサイズで縦1,024ドットの高解像度を実現した「ALISパネル」採用のプラズマディスプレイ。2001年のPDH-2000シリーズから数え、今回で5シリーズ目になる。今回も全機種ハイビジョンに対応。ただし、50V型のパネルはALIS方式ではなく、他メーカーからの供給品となる。 32V/37V/42V型のパネルには新開発の「アドバンスドALIS(アリス)パネル」を採用。放電ガスと蛍光体を見直し、42V型でピーク輝度1,100cd/m2、37V/32V型で1,000cd/m2を実現した。従来モデルは42V型が1,000cd/m2、32V/37V型が900cd/m2。 また、青色の純度を向上することで、従来9,300Kだった色温度を12,000Kまで引き上げた。これは、「テレビの世界的な傾向として、ディスプレイの色温度が高まっている」(同社)ため、それに倣ったもの。「清潔感のある鮮やかな白色を実現する」という。
パネル寿命も向上し、従来の約1.6倍以上にあたる6万時間以上(42V型、ナチュラルモード標準設定時)となっている。 ファンレス機構も前モデルから継承。3000シリーズから搭載された電動スイーベル機構も踏襲している。ただし、今回も50V型のみ非対応となる。 スピーカーは全モデルとも取り外し可能なセパレートタイプで、32V型以外は80mm径×2のダブルウーファを装備。25mm径ツイータを中心に仮想同軸に配置している。SRS TruSurround 5.1も搭載。アンプにはΔΣ変調のデジタルアンプを使用する。 解像度は3000シリーズと同等で、32V型が852×1,024ドット、37V/42V型が1,024×1,024ドット、50V型が1,280×768ドットとなっている。 発表会には、FHPが18日に発表した55V型パネル搭載モデルも参考出品された。W50-M3100に換わる最上位モデルになる見込みで、発売時期は来春を予定している。
■ 液晶ディスプレイは視野角を改善したAS-IPS液晶 液晶ディスプレイは32V型と28V型をラインナップ。2002年12月発売の20V型「W20-LC3000」と同じく「アドバンスドスーパーピュアカラー液晶(AS-IPS)」を採用し、従来のS-IPSより開口率を約30%向上させている。「高輝度で鮮明な映像再生が可能」としている。解像度は28V型、32V型とも1,280×768ドット。 また、新開発の「ワイドビューフィルター」を装備。斜め45度からの画質劣化を改善し、実質上「視野角依存はなくなった」という。パネル輝度は450cd/m2で、パネル寿命は6万時間。
応答速度は業界トップクラスの13ms以内。液晶シャッタの動作特性を予測し、駆動電圧波形を制御する「オーバードライブ技術」によるもので、さらに、60分の1秒ごとに黒データを書き込む「スーパーインパルス技術」を採用。従来の液晶パネルに対し、残像感を大幅に低減している。 2機種ともリモートスイーベル機構も搭載。さらにプラズマディスプレイにない前方約3度、後方約5度のチルト機構も備えている。スピーカーは独立式で、2ウェイ3スピーカーのバスレフ式。デジタルアンプの採用など、音のコンセプトはプラズマディスプレイと共通だという。 プラズマ、液晶ともに32V型をラインナップしたのは、「プラズマをシアター用途中心、液晶をテレビ用途中心」と想定したため。特に「DVDの普及でテレビの楽しみ方が変わった」(同社)ため、比較的暗部に強いプラズマテレビをシアター用として提案したいという。店頭ではプラズマを「シアターリビング」、液晶を「カジュアルリビング」というコピーで訴求する。
■ 新回路「アドバンスドDIPP」を搭載したAVCステーション
また、すべての機種に従来の画像処理回路「DIPP(デジタル・イメージ・ピクセル・プロセッサー)」を強化した「アドバンスドDIPP」を採用。映像のフルデジタル処理に加え、今回は「アドバンスドダイナミックコントラスト」と「アドバンスドデジタルカラーマネージメント」の2つの技術が加わった。 アドバンスドダイナミックコントラストは、画面の明るさをもとにコントラストを自動調整する機能で、明部・暗部でそれぞれの輝度レベルにあったガンマ調整を行なうのが特徴。白とびや黒つぶれを抑えるという。W32-L5000、W28-L5000接続時には、シーンに応じてバックライトの明るさを自動制御する「ダイナミックバックライトコントロール」も動作する。
アドバンスドデジタルカラーマネジメントは、色合いや色の濃さなどを独立調整できる独自の「デジタルカラーマネジメント」を強化したもの。新パネルにあわせ、設定や特性を見直している。
また、480i/480pを1080pにアップコンバートした後、1024iで表示する「1024プログレッシブ処理」や、受信状態に応じてノイズを軽減する「巡回型オートノイズキャンセラー」、「デジタルゴーストリダクション」といった高画質化回路も搭載している。
地上デジタルのEPGも表示でき、受信チャンネルの全チャンネルを自動的にキャッシュする。また、3代前の2200シリーズから採用したチャンネル登録機能「かんたんチャンネル選局」も引き続き搭載している。裏番組を子画面で表示する「かんたんチェック」や、画面上のソフトウェアリモコンでDVDプレーヤーなどの外部機器を操作できる「かんたん操作」も継承している。
AVC-5000以外の3機種はSDメモリーカードスロット(MMC対応)を装備し、デジタルカメラで撮影した静止画像をディスプレイに表示可能。また、「拡張端子」と呼ぶUSB端子も装備し、USBカードリーダーが接続できる。同社が動作保証しているのはメルコの「MCR-8U/U2」など。
■ HDD録画はハイビジョン記録に対応 AVC-HR5000のみHDD録画機能を内蔵している。フラットテレビでは業界初。ハイビジョン(1080i)の録画も可能で、ハイビジョン録画時にも追いかけ再生やタイムシフト再生が行なえる。追いかけ再生時には、リアルタイム映像と録画映像の2画面表示も可能。MPEG-2 TS形式のハイビジョンをそのまま記録するほか、地上波アナログはMPEG-2 PSで記録する。最大14時間のハイビジョン放送を録画できる。 地上アナログの録画モードは4種類。解像度、ビットレートといった各モードの詳細は現在公開されていない。音声はMPEG-1 Layer 2で記録する。最低レートのEPモードで最大205時間の録画が可能。なお、H5000以上の3モデルはEthernetを搭載するが、録画データのPCなどへの移動には対応していないという。 なお、記録型DVDやBlu-rayの装備については「時期は発表できないが、今後の計画の中にあるにはある」と回答した。 AVC-HW5000のインターネット機能は、2002年11月発売の「PDW3000シリーズ」と同等。Webブラウズとメールの送受信が行なえる。メール作成時には、携帯電話と同様の10キー文字入力が可能になった。ブラウザは地上デジタルのデータ放送にも対応する「NetFront Ver.3.0 DTV Profile」。
■ 単体地上デジタルチューナの発売も示唆
こうした追い風などにより、2003年度の国内フラットテレビ市場を、プラズマテレビが30万台、26V型以上の液晶テレビが23万台と予測。「見るWOOO」(フラットテレビ)、「映すWOOO」(DVDカム)、「記録するWOOO」(DVDレコーダ)の3分野を「WOOOワールド」と定義し、「拡大に全力を尽くす」と宣言した。
また、単体の地上デジタルチューナについては「もちろん発売を考えている。近々発表したい」と、参入意欲をほのめかした。
□日立のホームページ (2003年8月20日) [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
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