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CeBIT 2005の開幕日となる10日に、ブルーレイディスクを推進するBlu-ray Disc Association(BDA)はプレスカンファレンスを開催。既報の通りAppleのBDA加入を発表したほか、各社の代表がブルーレイのアドバンテージをアピールした。 ■ BDAにAppleが加入。H.264やPRに期待 カンファレンスでは、冒頭にSony Corporation of AmericaBlu-ray Disc GroupのVictor Matsuda副社長が、AppleがBDAの16社目の幹事会社として参加することを発表。さらに、EU各国でのHDTV市場が立ち上がりつつあることを受けて、「2008年には12%の家庭でHDTV視聴が始まる」と予測、この市場に向けて、大容量で拡張性に富んだブルーレイが優位となることをアピールした。
また、ソニーによる8層/200GBまでの拡張計画を披露しながら、「他の規格(HD DVD)は最大30GB。ブルーレイはより息の長い規格になる。拡張性やセキュリティ、インタラクティブ性などあらゆる点で、他のフォーマットより優れており、110のパートナー企業がBDAに参加している。対応製品も既に発売されているほか、カムコーダなども開発中」とブルーレイの優位性を強調した。
また、TDK Europeのマーケティングディレクター Jean-Paul Eekhout氏は、BDのロードマップを披露。容量としては4層 100GBまでの検討を進めているほか、転送速度は現在の1倍速(36Mbps)から、2倍速(72Mbps)を策定中で、4倍速(144Mbps)や8倍速(288Mbps)についても検討しているという。 BDA内でのAppleの活動については、「MPEG-4 AVCなどのアドバンスドコーデックやコンテンツプロテクションでの積極的な参加のほか、もっとも期待されるのはPR(Sony America Victor Matsuda氏)」とコメント。なお、AppleのBDA加入については、「特にHD DVD関連製品を出さないといった排他的な種類のものではない」としている。 また、BDAの新規参加メーカーに、AppleなどのコンピュータメーカーやEAなどのゲームメーカーが増えている点については、「映画スタジオはブルーレイと、HD DVDとで明確に分かれてしまい、しばらくは大きな変化は見込めない。ゲームやコンピュータ関連メーカーが増えている理由については、ブルーレイディスクの広い用途や拡張性、IT/AVとの親和性などをアピールし、理解していただけている結果と考えている」としている。 また、会場では各社がBD-ROMプレーヤーやBD-REレコーダなどを参考出展。大手家電メーカーは、Hall1、Hall2に集中しており、各社の新製品が展示されている。BD-ROMについては、著作権保護規格の「AACS」やアプリケーションフォーマットなど、確定していない要素もあるため、明確に発売時期が設定されているものは少ないが、関係各社がCES 2005の展示製品からアップデートした参考モデルを出展している。 ■ 松下電器産業
パナソニックは、BD-ROMプレーヤーの実働デモを実施している。現在発売しているブルーレイレコーダ「DMR-E700BD」とほぼ同サイズの筐体を利用しながらも、ベアディスクのBD-ROMメディア(Ver 2.0)を再生可能なBD-ROMプレーヤー。発売時期については「2006年の早い段階を考えている」という。 デモの映像は、Blu-ray Disc Associationのボードメンバーでもある20世紀FOXから提供を受けた「アイ・ロボット」。1080iのMPEG-2 TS映像をBD-ROMディスクに記録し、再生している。2層/50GB BD-ROMの再生も可能という。ブースの通路側の広いエリアを使って、同社の65型PDP「TH-65DX300」に出力するデモンストレーションでは、多くの人が立ち止まり、映像に見入っていた。 レコーダ機能は現在のところ搭載していないが、製品化時にはマーケットの要望を見ながら検討していくという。また、実働モデルではないが、薄型化したBD-ROMプレーヤーのモックアップも展示。「あくまでイメージだが、実際に発売する製品ではデモ機より薄型化したいと考えている」とのこと。
また、CESに引き続き、PC用のブルーレイドライブも展示。デスクトップPC用のATAPI内蔵型と、ノート用のスロットローディング型/トレー型の3タイプが用意されており、いずれもBD/DVD/CDの記録再生に対応。DVD-RAMの記録再生にも「もちろん対応する」とのことで、2層DVD±Rについても「規格が出そろえば問題なくサポートできる」という。 価格や発売時期については未定で、「マーケットの要求を聞きながら決定する」としており、発売時期は「BD-ROMプレーヤーよりは早く、デスクトップ用であれば2005年内発売の見込み」としている。 ■ 日立製作所
日立もブルーレイレコーダを参考出品。同社が現在発売している、地上デジタルチューナ内蔵HDD/DVDレコーダ「DV-DH400T」をベースにしながら、BD-REの記録ドライブを搭載しており、実際に録画した映像の再生デモを行なっている。 現在は、市販されている日立マクセル製の23GB/BD-RE Ver.1.0のカートリッジ付きのメディアに録画して再生デモを行なっているが、製品化時にはベアディスクのBD-RE Ver.2.0に対応する予定。ドライブは日立LGデータストレージ製となる。 レコーダ機能に加え、BD-ROMの再生機能も搭載する予定。現在発売しているハイビジョンレコーダ「Wooo」シリーズの上位モデルと位置づけていることもあり、HDDを内蔵したハイブリッドレコーダとなる予定。価格や発売予定については、「2006年の前半に20万円での発売を目指している」という。 【3月16日追記】
■ その他 Philipsは、BDAのカンファレンス会場にBD-REレコーダや、PC用BD-REドライブを出展している。目新しいのはPC用ドライブで、BD-REメディアへの書き込みデモが行なわれている。ライティングソフトには「Nero」を利用している。
Samsungは、BD-ROMプレーヤー「BD-P1000」と、BD-REレコーダ「BD-R1000」を参考出展。BD-P1000はCES 2005に出展していた製品と同様でBD-ROM Ver.2.0の再生に対応するプレーヤー。「2005年内から遅くても2006年初頭には発売したい」という。 また、2倍速/2層記録対応を謳うPC用BD-REドライブ「SH-B022A」も参考出展。ベアディスクのBD-RE/BD-R記録再生と、BD-ROMの再生に対応する。
ソニーは既報の通り、PC用BD-REドライブで記録したディスクを、BD-ROMプレーヤーで再生するデモを実施。また、MPEG-4 AVC/VC-1の再生デモも行なっている。
□CeBIT 2005のホームページ (2005年3月11日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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