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ロケーションフリーが、Mac/PDAでも利用可能に
-W-ZERO3でもロケフリ。ケータイへの展開も


ベースステーション「LF-PK1」と連携するW-ZERO3とPSP
5月18日発表


 ソニー株式会社ACCESS加賀電子株式会社の3社は18日、「ロケーションフリー」の新展開を発表。ACCESSがPocket PC用の「NetFront ロケーションフリープレイヤー」(仮称)とW-ZERO3への対応を、加賀電子がMac OS用のロケーションフリープレーヤーソフト「TLF-MAC」をそれぞれ発表した。

 ロケーションフリー(ロケフリ)は、ソニーのベースステーションに接続したテレビやAV機器の映像/音声を、外出先などからネットワーク経由で楽しめるネットワークAV製品の名称。これまでは専用端末のエアボードやPSP、専用Windows用ソフトのみ対応していたが、ソニーはロケフリソフトのライセンス提供を開始。ACCESSと加賀電子への提供を発表しており、今回はそれらが実際の製品として公開された。


■ NetFront ロケーションフリープレイヤー(仮称)

 ACCESSは、Pocket PC向けのクライアントソフト「NetFront ロケーションフリープレイヤー(仮称) Pocket PC用」を発表。対応プラットフォームはMicrosoft Pocket PC 2003以降、Windows Mobile 5.0以降で、2006年夏頃のダウンロード販売を予定している。価格は未定で、ライセンスは1コピー、1台となる予定。

 デモでは日本ヒューレット・パッカードのPDAを利用し、無線LANを介して映像の受信/ベースステーション接続機器の制御を行なっていたが、製品版ではインターネット経由での受信/制御もサポート。ウィルコムの「W-ZERO3」でも利用できるという。

HPやDELLのPDAでロケフリクライアントを使用するデモ W-ZERO3でも利用できるという

 対応画面サイズは320×240/640×480ドット。ロケフリの配信フォーマットはMPEG-4だが、同ソフトではテクノマセマティカルのMPEG-4デコーダを採用している。

 PDAのデモでは256/324kbpsで10fps程度のデータを受信。W-ZERO3は512kbps/10fpsのデータを表示していた。対応ビットレートや映像の品質はインストールする機器によって異なり、現在設定をつめている段階だという。

□ACCESSのホームページ
(5月18日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.access.co.jp/top.html


■ Mac用ロケフリクライアント

 加賀電子はMacintosh対応のロケフリクライアントソフト「TLF-MAC」をTAXAN製品として発売する。6月初旬の発売を予定しており、価格はオープンプライス。実売は3,000円程度の見込み。パッケージソフトとしてリリースされ、ダウンロード版も検討しているという。ライセンスは1コピー、1台。

PowerBookやIntel Macにも対応する

 対応OSはMac OS X 10.2.8以降で、QuickTime 6.4以上が必要。Intel Macにも対応している。詳しくはPowerMac G5/G4(AGPグラフィックス以降)、PowerBookG4、MacBook Pro、iMac G4/G5、Mac mini、eMacでCPUが867MHz以上の機種。

 機能や画面デザインは、ソニーが発売しているWindows用ソフト「LFA-PC2」(実売2,000円程度)とほぼ同じ。ソフトウェアリモコンを備え、ベースステーションに接続したAVマウスを使ってリモコン操作も伝送可能。最大約2Mbpsまで対応したVBR機能を備えており、ネットワークの回線速度に応じてビットレートは自動的に変更される。150kbps以下の低速度モードも設定可能。

 Mac版独自の機能としては、プレーヤー画面を最小化し、画面下部のドック内に格納した状態でも、小画面でテレビが閲覧できる。マウスを近づけ、アイコンが拡大された状態でも滑らかに映像が再生されているのが印象的だった。

インターフェイスのデザインはWindows用ソフトとほぼ同じ チャンネル設定やビットレート設定などもWindows用と同様の機能が利用できる Mac版オリジナル機能として、最小化した際でも小画面で動画表示が可能

□加賀電子のホームページ
http://www.access.co.jp/top.html
□ニュースリリース (PDF)
http://www.taxan.co.jp/news/pdf/06.05.18.pdf


■ 携帯電話への展開も

 ACCESS執行役員 技術戦略企画本部の植松理昌本部長はロケフリの革新性などを説明した後、「普及拡大のために、ロケフリ技術をソニーの中だけで使用するのではなく、ライセンス供給を行ない、他のメーカーでも対応機器をリリースできるのは素晴らしいこと」と、ソニーの戦略を評価。

 さらに、今後は予定として「PDA以外の家電機器、携帯電話などへも展開していきたい」と説明。「ACCESSからソニー以外の各社へサブライセンス、および実装支援も行なっていく」とした。

ACCESS執行役員 技術戦略企画本部の植松理昌本部長 加賀電子グループ事業戦略室の守口英室長 ソニーのテレビ・ビデオ事業本部LFX事業室の前田悟事業室長

ロケフリワールドの広がりをイメージした図。内側の青いラインがソニー、外側が他社の展開を示している。ソニーから近い内に1機種、他社から2機種のロケフリ対応機器が発表されるのだろうか?

 ソニーのテレビ・ビデオ事業本部LFX事業室の前田悟事業室長は、ロケフリのライセンス事業について「1月に外部へのライセンスを表明した際、ACCESSと加賀電子がいち早く手を上げていただいた。ロケフリとしては3社共同で製品発表を行なうのは初めてのことで感激している」と喜びを語る。

 また、ショールームでのアンケートなどを結果、ロケフリの認知度が3割に及んでいることに触れ「家電では認知度が25%を超えると一気に普及が広がるという法則があり、ロケフリは大きなマーケットになる予感を感じている。ソニーとしても得意な分野で、また対応機器の拡充を続けいくが、ソニーだけでなく、他社にも対応製品を出してもらったほうが、より“ロケフリワールド”を広げられるはず」という。

 さらに、「今回の2社だけでなく、他の企業からも声をかけてもらっている。また近いうちに、もっと多くのパートナー企業と一緒に、凄い商品群を発表する機会を持てたらと思っている」とし、今後への期待を語った。

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20051007/dev131.htm

(2006年5月18日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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