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総務省は1日、情報通信審議会15回総会を開催。総会では「地上デジタル放送の利活用の在り方と普及に向けて行政の果たすべき役割」の第3次中間答申が提出され、地上デジタル放送におけるコピーワンス運用を見直し、出力保護付きでコピー制限無し(EPN運用)の導入を前提に検討を進めるよう求めている。 中間答申では、放送番組を「EPNの取り扱いとしていく方向で検討し、12月までのできるだけ早期にその検討状況を公開すること」を要請するとともに、受信機メーカーにも、コピーワンスにより生じるムーブ失敗などへの対応のあり方を検討し、12月までの早い時期に検討状況を公開するよう要求している。 コピーワンスは、地上デジタル/BSデジタル放送の原則として全ての放送に、「1回だけ録画可能」の制御信号を加え、暗号化して送信するもの。コピーワンス信号を付加された番組は、対応メディアに“一回だけ”録画できる。そのため対応レコーダのHDDからDVDやBlu-ray Discなどへ“ムーブ“すると、HDDに記録したデータは、光ディスクに転送した後、HDD上から消去される。 一方EPN(Encryption Plus Non-assertion)は、全ての送出信号に暗号化処理を施して、ライセンスを受けたPN対応の機器でのみ再生可能となるという方式。対応機器であればDVDなどへのダビングは自由で、コピー数やコピー世代制限も無く、例えばメモリーカードへも元データを損なうことなくダビング可能となる。i.LINKやIP伝送に利用されるDTCPやDVD-R/RW/RAMのCPRM、映像出力のHDCPなどの現行の技術保護を継承できる。ただし、コンテンツがあらかじめ暗号化されているため、再生には対応機器が必須となる。 2005年7月の第2次中間答申では、「私的利用の範囲での視聴者の利便性を向上」のため、コピーワンスの運用見直しを提案し、2005年内に一定の結論を得るよう求めていた。それを受け、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が、現行の運用規定に定めらている、出力保護付きでコピー制限無しとする「EPN運用」の導入を提案していた。しかし、その後の検討でも結論が出ない状態が続いていた。 □総務省のホームページ ( 2006年8月2日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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