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JEITA、「コピーワンス見直し」について提案内容を説明
-現行機器での対応は「各メーカー次第」


1月11日発表


 社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は11日、地上デジタル放送のコピーワンス運用の見直しについて、同協会による修正案の説明会を開催した。

コピーワンス見直しの検討状況

 地上デジタル放送で適用されている「コピーワンス」の見直し方針は、2005年7月に総務省に提出された「地上デジタル放送の利活用の在り方と普及に向けて行政の果たすべき役割」の第2次中間答申の中で提案され、機器メーカーや放送事業者などが対応の検討を始めている。

 今回の説明会では、12月22日に開催された総務省の「地上デジタル放送推進に関する検討委員会 第19回」でJEITAが機器メーカーを代表し、提案した内容についての解説が行なわれた。同提案では放送局が番組送出時に付加するコピー制御信号を、現行の「1世代のみコピー可(COG)」から、「出力保護付きでコピー制限無し(EPN運用)」への変更することを要望している。

 EPN(Encryption Plus Non-assertion)による運用は、全ての送出信号に暗号化処理を施して、EPN対応の機器でのみ再生可能となるというもの。対応機器であればDVDなどへのダビングは自由で、コピーの回数制限は無くなる。ただし、コンテンツがあらかじめ暗号化されているため、再生には対応機器が必須となる。

 なお、ARIBが定める現行の運用規定(TR-B14)でもEPNが規定されており、導入に当たり運用規定の変更は必要ない。ただし、放送局側の送出装置などでの対応が必要となる。

EPN提案の背景 現在の運用規定内でもEPNを規定している

JEITA デジタル家電部会 コンテンツ保護検討委員会 田胡委員長

 ホームネットワークや、モバイルユースへの対応は継続して検討していく。JEITAではこれらの提案を放送事業者による「RMP協議会準備会」に提案しており、今後も同協議会との間で議論を進め、早期に方向性を整理する方針という。

 JEITA デジタル家電部会 コンテンツ保護検討委員会 委員長で、日立製作所 ユビキタスプラットフォームグループ コミュニケーション・法務部の田胡修一部長は、「(COGについて)ユーザーからわかりにくいという意見が、各メーカーのサポートに相当数来ている。これから地上デジタルが本格普及するにあたり、さらに増えて大変なことになるという認識はある」とし、「地上デジタルという基幹放送を普及させるために、ユーザーの利便性向上が必要。現行の運用規定を生かせるEPNが適している」とEPN提案の理由を説明した。

 具体的なスケジュールについては「今後の協議次第。対案も出ているので協議を続けて早期に決めたい」とした。なお、今回の提案は地上デジタルに限定される。「BSデジタルは有料放送があり、同じ考え方で同じ運用という訳にはいかない。まずは基幹放送の地上デジタルからというのが基本方針」と説明した。


JEITAコンテンツ保護検討委員会 技術検討WG主査 野中氏

 JEITAコンテンツ保護検討委員会 技術検討WG主査で、東芝デジタルメディアネットワーク社 コアテクノロジーセンター AV技術開発部 参事の野中康行氏は、EPNの技術概要を解説した。

 「HDDレコーダの普及により、ユーザーの録画環境が変わってきており、適切なコンテンツ保護が必要」とし、「いままでの使用環境になるべく近い仕組み」で、「正しくコンテンツ保護される機器の提供が必要」と述べ、EPNがその解決策となると訴えた。

 EPNは、COGと異なり放送波の段階で暗号化されているため、ライセンスを受けた機器でしか動作しない。ただし、指定の方式で保護された機器については、コピー数やコピー世代制限無しでダビングなどができ、例えばメモリーカードへも元データを損なうことなくダビング可能となる。EPN運用でも、i.LINKやIP伝送に利用されるDTCPやDVD-R/RW/RAMのCPRM、映像出力のHDCPなどの現行の技術保護を継承できる。


現行のCOGの運用 EPN運用の例

現行の保護技術で各段階の著作権保護が可能となる

 また、いわゆる“コピーフリー”では無いという点も強調。「EPNは全てが暗号化され、コピーコントロールを主張しない方式。コピーコントロールは主張しないが、(DTCPやCPRMなど)保護技術のチェーンで守られる。ライセンスのチェーンで保護されている受信機でしか再生できず、コンテンツの保護が担保される」とコンテンツ保護への配慮をアピールした。

 なお、現行のデジタル放送対応機器でのEPN対応については、「運用ルールは現行の規定のままなので、今ある製品での対応は各社の作り込み次第。そのため、EPN対応できなかったり、ソフトのアップデートで対応できるなど、メーカーによって異なるだろう(田胡委員長)」という。また、「テストストリームも出ており、受信機の開発環境については問題ない」としている。


□JEITAのホームページ
http://www.jeita.or.jp/
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(2006年1月11日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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