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ソニー、下期テレビ事業黒字化へ向け「BRAVIA第2幕」
-フルHD液晶やSXRDリアプロTVなど。「感動には色がある」


9月15日より順次発売

標準価格:オープンプライス

 ソニーは、薄型テレビの「ブラビア(BRAVIA)」シリーズを一新。フルHDソニーパネルのX2500シリーズなど液晶テレビ3シリーズ9モデルと、SXRDリアプロジェクションテレビ1シリーズ2モデルを、9月15日より順次発売開始する。価格は全てオープンプライス。


液晶テレビ
シリーズ型番画面
サイズ
解像度発売日実売価格
XシリーズKDL-52X250052型1,920×1,080ドット10月20日80万円前後
KDL-46X250046型9月15日55万円前後
KDL-40X250040型45万円前後
VシリーズKDL-46V250046型1,920×1,080ドット10月20日50万円前後
KDL-40V250040型40万円前後
KDL-32V250032型1,366×768ドット11月10日24万円前後
SシリーズKDL-46S250046型10月20日45万円前後
KDL-40S250040型35万円前後
KDL-32S250032型23万円前後

リアプロジェクションテレビ
シリーズ型番画面
サイズ
解像度発売日実売価格
AシリーズKDS-60A250060型1,920×1,080ドット9月15日60万円前後
KDS-50A250050型50万円前後

SXRDフロントプロジェクタ
型番発売日標準価格
VPL-VW5010月20日735,000円

BRAVIA新製品

 液晶テレビ最上位モデル「X2500」シリーズは、フルHDソニーパネルを採用するほか、DRC-MF v2.5を中心とした新高画質化エンジン「ブラビアエンジンプロ」を搭載。全入力映像を1080pに変換してパネル表示する。また、新しい色空間規格「xvYCC」を民生用テレビとして初めて搭載した。

 また、地上/BS/110度CSデジタルチューナを搭載。さらに、3系統の1080p入力対応HDMI端子も備えている。ボディカラーはシルバー/ブラックのほか、ホワイト/ブラウン/ブルー・レッドの受注生産も行なう。

 V2500/S2500シリーズはベーシックモデルで、V2500の46/40型はフルHDパネルを採用する。

 さらに、SXRDを採用したリアプロジェクションテレビ「A2500」シリーズもラインナップ。60型、50型の2モデルで、それぞれで0.61型のフルHD SXRDデバイスを搭載。新光学エンジンやダイナミックアイリスを内蔵し、コントラスト比10,000:1を実現。高画質化回路「ブラビアエンジン・プロ」も搭載する。


A2500シリーズは60/50型 SXRDフルHDプロジェクタ「VPL-VW50」は735,000円で10月20日発売 52型のX2500シリーズ「KDL-52X2500」


■ BRAVIA第2幕は「色」で勝負

ソニー井原副社長

 ソニー株式会社 テレビ・ビデオ事業本部 事業本部長の井原勝美副社長は、同社テレビ戦略の概要を説明した。

 「BRAVIA」立ち上げ1年弱ながら、世界各地でソニーのBRAVIAが周知されたことや、製品の競争力、供給力向上や、設計体制改革などの取り組みを簡単に説明。「シェアも10%を切る水準から、BRAVIAを投入した2005年第3四半期以降は20%弱まで上げることができた。ナンバーワンポジションをつかんだ。まだ“ソニーテレビ復活”とはいえないが、少なくとも復活の入り口に立った。これから、収益の出るビジネスに変えていく」と意気込みを語り、「BRAVIA第2幕がここから始まる」と、新BRAVIAを披露した。

 井原副社長は液晶テレビ市場での、差別化戦略、収益改善の方策として「大型化」を掲げる。液晶テレビの平均単価は業界平均で14万円程度だが、ソニーではBRAVIA投入以降大型化を推進し、平均単価19万円を確保している。製品の差別化と単価の向上を図れることから、今後も大型化を進めていく方針で、「年末に50型以上が急拡大するわけではないだろうが、トレンドとしては“一層の大型化”に尽きる。第8世代のファブも来年稼働するが、大型化のトレンドを牽引して、なるべく付加価値の高い製品を提供し、売値をキープしていく」という。

 年末商戦に向けた新BRAVIAのテーマは「感動には色がある」。新しい映像エンジン「ブラビアエンジンプロ」、バックライト技術「ライブカラークリエーション」などによる映像表現を前面に出して、マーケティング活動を行なう。また、ソニーの推進する「HD World」の中心としてBRAVIAを位置づけ、AVCHD/HDVハンディカムやPLAYSTAION 3、VAIOなどHD対応製品とあわせて、「“録る、見る、貯める”の全てでHD化を提案し、年末に向けてキャンペーンを展開する」という。

 井原副社長は、「昨年、2006年の下期にテレビ事業を黒字化という目標を掲げたが、もう一歩で実現するところまで来た。全世界で新BRAVIAを展開し、“ソニーのテレビ”が復活した、と感じてもらえるポジションまで引き上げたい」とテレビ事業黒字化の見通しを示した。

 なお、目標シェアについては、「(数字を挙げた)デジタル表現は差し控えるが、調査会社のデータ(20%弱)より、もう少しいけるのでは」とし、「特に欧州での地位改善に力を入れている。四半期ごとにコンスタントにポジションの改善ができてきているが、新商品で年末のさらなるシェア向上を図る(井原副社長)」と説明した。

 また、パネルの外部調達については、「ソニー全ての需要を(サムスンとの合弁会社)S-LCDだけではまかなえない。これまで通り一定の割合で調達を続けていく」とした。

HD Worldの中心にBRAVIA CRT買い換え層を狙う 感動には色がある
ソニーマーケティング鹿野清 執行役員常務

 ソニーマーケティング株式会社の鹿野清 取締役 執行役員常務は、新BRAVIAのマーケティング戦略を解説。2006年12月には、全国の基幹局で地上デジタル放送が開始され、およそ80%の世帯をカバーすること、また、'98年頃に販売された29~32型ブラウン管テレビが買い換えサイクルに入ったことから置き換え需要が狙えることなどを挙げ、年末商戦の拡大を予想する。

 また、画質については「美しさ=精細感+色の鮮やかさ」と定義し、画質の向上による「本質的価値」と、デザイン性という「新たな価値提案」でBRAVIAブランド価値の向上を目指す。「“感動には色がある”、この言葉でBRAVIA第2幕を開幕する」と締めくくり、年末商戦にむけ、新BRAVIAをアピールした。


□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200608/06-0830/
□関連記事
【8月30日】ソニー、フルHD/BRAVIAエンジンプロ搭載の新BRAVIA
-1080p HDMI×3、xvYCC対応。ベーシックモデルも一新
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060830/sony2.htm
【8月30日】ソニー、「SXRD」採用フルHDリアプロテレビ「BRAVIA」
-50/60V型の2モデル。「ブラビアエンジンプロ」搭載
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060830/sony3.htm
【8月30日】ソニー、73万5,000円のフルHD SXRD採用プロジェクタ
-「VPL-VW50」。高圧水銀ランプ採用で小型・低価格化
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060830/sony5.htm
【4月11日】ソニー、色再現性を向上させた液晶テレビ新「BRAVIA」
-32/40/46型の2シリーズ6モデル。HDMI搭載
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060411/sony.htm
【2005年9月14日】“ソニーテレビ復活”に向け、「ブラビア」発表
-年内目標シェア30%で、「ソニーここにあり」を証明
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050914/sony1.htm
【2005年9月14日】ソニー、フルHD対応モデルなど液晶「ブラビア」3シリーズ
-切り札は“ソニーパネル”。新バックライトで色再現向上
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050914/sony2.htm

( 2006年8月30日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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