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社団法人日本映像ソフト協会(JVA)は29日、2006年度の事業報告及び2007年度事業計画の発表を行なった。 また、同日開会した定例理事会において、2007年度役員人事を決定。会長には、元JVA副会長の高井英幸氏(株式会社東宝 代表取締役)、副会長には桐畑敏春氏(株式会社ポニーキャニオン 代表取締役)が新たに就任した。 なお、元会長の角川歴彦氏(株式会社角川書店 代表取締役)は、顧問に就任した。 ■ 2006年度は、DVDビデオが初の前年割れ 2006年1~12月までのビデオソフト出荷実績は、前年比89.2%の3,308億200万円。そのうちビデオカセットは同23.9%の55億2,200万円で、全体を占める構成比も1.7%となり「メディアとしての終焉を迎えようとしている」と分析。 DVDビデオについては、前年比93.6%の3,252億8,000万円で初の前年割れ。特にこれまで市場拡大を牽引してきた「販売用」DVDビデオが、同84.5%と落ち込んだことが影響している。 一方で、ビデオカセットとDVDビデオを合わせた「レンタル店用」の売上金額は前年比102.4%の1,057億6,100万円と堅調な伸びで、その内訳として、DVDビデオが96.3%を占めていることから「レンタル店でもDVDビデオへの移行が進み、在庫拡張が図られている結果」と分析している。 HD DVDビデオやBlu-ray Disc(BD)ビデオについては、コンテンツ保護技術の1つであるAACSをめぐるライセンス料などについて、ソフトメーカーとAACSメンバーとの協議が続いているほか、ハード普及の勢いもなく、製品の出荷規模が小さいことから「市場を形成するに至っていない」と判断。 ネットワーク映像配信など、ノンパッケージのコンテンツビジネスについては、米国でアップルがiTunes Storeによる展開を開始したほか、動画投稿サイト「YouTube」への日本からのアクセス数が、月間で1,000万を超えるなど、ネットワークによる動画視聴の形態も広まりつつあるとしている。 また、海賊版については、警察当局により露天商が21件、販売店が5件、ネットオークションが8件、ゲームセンター及びディスカウントストアが各1件検挙され、88件の告訴状が受理された。これら事件で押収された海賊版はDVDビデオが10,505枚、ビデオカセット225本となっている。
□関連記事 ■ 2007年度は次世代メディアの調査・研究を強化 2007年度事業計画としては、映像メディアの現状と今後に関する調査・研究として、映像配信事業に関する調査・研究を実施。ブロードバンド映像配信など、多様な流通チャネルが提供されている諸外国への視察団の派遣なども行なう。 そのほか、HD DVDビデオやBDビデオなどの次世代パッケージメディアの技術や流通に関する調査・研究なども実施する。 同協会では、「DVDビデオに次ぐ新たな商材として、業界にとって歓迎すべき物である反面、コンテンツ保護技術の一つである『AACS』のライセンス問題や、両規格のリージョンコードの採用の仕方など、解決していかなければならない課題が多く残されている。これら課題については業界全体としてじっくり取り組んでいく姿勢が必要」としている。 また、映像ソフトの調査・研究では、これまで同様、ソフトの売上出荷統計調査などを実施するほか、次世代メディアに対するニーズを含め、パッケージソフトの消費者動向をさらに深化させるための調査も実施していく。 □JVAのホームページ ( 2007年5月29日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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