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社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)や社団法人日本レコード協会(RIAJ)など権利者86団体で構成する「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」は17日、12日に開催された総務省の情報通信審議会で検討された地上デジタル放送の「コピーワンス」見直し案を受けて“緊急声明”と題した記者会見を実施。「コピーワンスの規制緩和は、私的録音録画補償金制度の維持が大前提」、「JEITAの主張は関係者の努力を無視し、ユーザーの私的録画を否定する」と主張した。 ■ 「JEITAは見直しを望んでいないのか」
会見では、JASRACやRIAJ、日本作曲家協議会などから10名が登壇。第19回 情報通信政策部会 デジタルコンテンツ流通促進等に関する検討委員会で提案された「COG+9回のコピー」について「納得のいく数字ではないが、最終的にこの制限案を尊重する」とした一方で、6月に実施された私的録音録画補償金制度の見直しについて検討する文化庁の文化審議会著作権分科会私的録音録画小委員会において、JEITAが「補償金制度は不要」としたことを強く批判。 社団法人 日本芸能実演家団体協議会(芸団協) 実演家著作隣接権センター(CPRA)の椎名和夫氏は「今回(コピーワンス見直し)の合意が目前に迫っていた時期に、あたかも制限緩和案の成立、すなわち関係者間の譲歩の成果を否定するような主張をされたことについては遺憾」と述べ、「コンテンツに対するリスペクトやクリエイターに対する適正な対価の還元として補償金制度は大前提。JEITAの主張がまかり通れば、ユーザーはこれまでのように私的録画をするにも、権利者の許諾が必要になる。そんな社会をユーザーは望むのでしょうか?」と投げかけた。
また、椎名氏は今回のコピーワンス見直しについて、これまでの検討経緯を改めて説明。EPNの運用を主張したJEITAがかつて「EPN以外の緩和策を採用する場合、(国際ルールである)DTCPルールの変更を申請するなどの必要があり非現実的」と発言していたが、DTCPを管理するインテルの説明では、「同一筐体内でのコピーについてはDTCPに縛られない」とされたことを挙げ、「EPNの根拠が大きく崩れた」と指摘。「JEITAはコピーワンスの見直しを望んでいないのでは」と語気を強めた。 一方で、「補償金に替わる新たなコンテンツ課金やDRMといった技術なども小委員会で提案されているのでは? 」という質問に対しては「中身のある提案はされていない。補償金制度は、お金が欲しいということではなく、コンテンツを楽しむのをキープするために必要なインフラ」とした。また、「JEITAに噛み付いているわけではない。会議の進行は一つの方向で向かっており、悲観的には捉えていない」と付け加えた。 今後の方針については、芸団協の立場としては改めて「補償金制度の廃止や、海賊版の横行などの事態に至った場合には“COG+n回”のn回について状況に合った回数をもう一度検討せざるを得ない。たとえ製品がラインに乗った後だとしても、必要とあれば見直さなければ」との姿勢を示した。
□総務省のホームページ ( 2007年7月17日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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