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松下電器産業株式会社は、HDD内蔵のBlu-rayレコーダ「ブルーレイDIGA」3モデルを11月1日より発売する。最上位モデルのDMR-BW900では1TB HDDを搭載。また全モデルでフルHD解像度のままMPEG-4 AVC/H.264形式にエンコードして録画が可能な「フルハイビジョン4倍録画」機能を搭載している。 さらに、DVD搭載の「ハイビジョンDIGA」も3モデルをラインナップ。フルハイビジョン4倍録画に対応する。
■ フルHD/AVC録画に対応した新「ブルーレイDIGA」
ブルーレイDIGA全モデルで地上/BS/110度CSデジタルWチューナと地上アナログチューナを搭載。HDDへの録画のほか、BD-R/RE、DVD-R/RW/RAM、DVD-R DLへの記録に対応し、4倍速BD-Rにも対応する。 特徴は、デジタル放送のストリーム録画(DRモード/MPEG-2 TS)だけでなく、MPEG-4 AVC/H.264形式でのデジタル放送録画に対応し、ハイビジョン映像のまま圧縮して録画が可能となったこと。 AVCの記録モードは、HG(12.9Mbps)/HX(8.6Mbps)/HE(5.7Mbps)の3モードを用意し、記録解像度はいずれも1,920×1,080ドット(地上デジタルなどの1,440×1,080ドットのソースは、1,440×1,080ドット)で、MPEG-4 AVCのHigh Profileを採用している。
HEモード利用時には、1枚の2層BD-R/REディスクに約18時間のハイビジョン録画が可能(DRモードでは約4.2~6時間)となることから、同社では「フルハイビジョン4倍録画」と命名している。ブルーレイDIGAだけでなく、記録型DVDドライブを搭載した「ハイビジョンDIGA」3モデルでも同機能を搭載している。 AVCエンコーダは1系統のため、2番組同時のAVC変換録画はできない。ただし、DRモード録画した番組をHDD上でAVCに変換して保存できるため、電源を落とした後、深夜などのAVCエンコーダの空き時間を利用してDRモード番組を圧縮できる。 DRモード記録時の音声はデジタル放送のストリームと同じAACだが、AVC圧縮して録画した場合は、音声形式がドルビーデジタルとなり、最大5.1chまでの記録が可能。なお、データ放送領域については、DRモード/AVC圧縮ともに、録画時に記録はされているが、再生時に表示することはできない。
世界初となる45nmの製造プロセスで生産された、同社のデジタル家電向けシステムLSI「UniPhier」により、ワンチップでAVCのフルHDリアルタイムエンコードに対応する。さらにパナソニックハリウッド研究所(PHL)におけるBD-Videoオーサリング技術のノウハウを導入し、記録/再生品質の向上を図っている。 また、同社のAVCHD対応ハイビジョンムービー「HDC-SD1/SD5/SD7/DX1/DX3/SX5」で撮影した映像をフルHD解像度のままBD-R/REに出力できるほか、DVD-Rなどに記録できる。ただし、SDカードから直接BD-R/REやDVDに記録することはできず、一度HDDに取り込む必要がある。 さらに、Blu-ray Disc Associationで策定したDVDディスク用の記録規格「AVCREC」にも対応予定。録画したデジタル放送番組もDVDに書き出し可能となる予定で、「Dpa(デジタル放送推進協会)の認定を待っているが、発売日までには対応できる見込み」という。なお、コピーワンスルールの見直しへの対応については、「前向きに検討はしているが、規格の策定を待っている段階」としている。
なお、DRモードMPEG-2/SD解像度の記録モードとして、XP/SP/LP/EP(6時間)/EP(8時間)の各モードも用意。SD解像度でもDVD-R/RW、DVD-RAMへの書き出しに対応する。 録画機能はブルーレイDIGA前モデル「DMR-BW200」などと大きな違いはなく、EPGは最大10チャンネル、12時間の表示が可能な「フルハイビジョン番組表」を採用。番組表タイトルの“新”などの文字を自動検出し、見逃しがちなドラマやアニメの新番組の第1話目を自動で録画する「新番組おまかせ録画」も搭載している。チャプタ編集機能も搭載。チャプタマークの作成やチャプタ結合/削除が行なえる。 携帯電話やパソコンから、DIGAの録画予約が可能な、「携帯&パソコン録画機能」も搭載。Ethernetを介し、DIGAをブロードバンド接続する必要があるほか、携帯電話からの操作時には「Gガイドモバイル」に、パソコンからの利用時には「ディモーラ」への登録が必須となる。 i.LINK(DV/TS)も装備。DMR-BW900/BW800は2系統、DMR-BW700は1系統のi.LINKを備えており、D-VHSや同社製のCATVチューナなどとの連携が可能となっている。
■ PHLのノウハウ導入やビットストリーム対応など画質/音質も強化 前モデルDMR-BW200から比較して、部品点数を約27%、部品点数は約36%削減。さらに、最新製造プロセスを利用したUniphierの採用などで、外形寸法は430×313×59mm(幅×奥行き×高さ)、重量5.2kg(DMR-BW900)/5.1kg(DMR-BW800/BW700)を実現。高さ59mmは、「BDレコーダとして業界最薄」という。 出力端子はHDMI、D4、S映像、コンポジット、同軸デジタル(DMR-BW900/BW800のみ)、光デジタルを各1系統、アナログ音声を2系統装備する。HDMI出力はDMR-BW900/BW800が1080p(60p/24p)に対応、DMR-BW700は、1080iまでとなる。 BDビデオ再生は、本編と同時にコメンタリなどを子画面表示する「ピクチャインピクチャ(PinP)」などの新機能に対応。さらに、PHLがオーサリング時に使用している高精度色信号処理技術を搭載し、映画フィルム画質の再現性を向上。BDビデオの再生品質を高めている。さらに、DeepColor(RGB各色12bit)に対応する。デジタル放送特有のブロックノイズやざわつきノイズを低減する「HDオプティマイザー」も搭載する。
音質面では、ドルビーデジタル・プラス、DTS-HD、ドルビーTrueHDの各音声をHDMIからビットストリーム出力可能となった。また、最上位モデルのDMR-BW900には、ピュアオーディオ用コンデンサや銅フレームオペアンプ、OFC電源ケーブルなど音質にこだわったパーツを採用している。 デジタル放送のAAC音声から高調波成分を復元して、高音質化する「マルチチャンネル デジタル リ.マスター」も搭載する。 リモコンは新デザインの「新かんたんリモコン」。新たに地上/BS/CSなどの放送切り替えボタンを独立して配置したほか、BD/HDDの切り替えボタンも各ドライブ用に用意。ディスクトレイ開閉ボタンも新搭載している。
■ 関連機器連携を効果。セキュリティも“留守録” 関連機器機器との連携機能も強化。薄型テレビ「VIERA」とのHDMI連動機能「VIERA Link」はVer.2に対応し、VIERAのリモコンからDIGAを制御できるほか、VIERAの設置情報をDIGAに引き継ぐなどの連携が可能となっている。 本体前面にSDカードスロット(SDHC対応)を装備。SDカードに記録したAVCHD映像やMPEG-2映像(SD-VIDEO形式)、AAC音声、JPEG画像の再生に対応する。なお、AVCHD映像はSDカードから直接再生はできず、HDDに一度取り込む必要がある。 音楽CDをAAC(SD-Audio)形式でリッピングして、HDDに蓄積可能。リッピング速度は最大12倍速で、約35万曲の楽曲データベースを内蔵し、曲情報も自動付与する。また、ネットワーク接続時にはGracenoteのCDDBからネット経由で楽曲情報を取得する。 静止画は、テレビのワイド画面いっぱいにフルハイビジョン画質で表示する「フルハイビジョンテレ写」に対応。デジタルテレビ情報化研究会の「ネットTV仕様(印刷機能)対応プリンタを接続し、写真のプリントも可能となっている。 また、新機能として「ドアホン録画」にも対応。同社製の対応ドアホンをドアに設置し、ドアホン用PLCアダプタパック「VL-SP880」をDIGAに接続することで、ドアホンの映像をDIGAで視聴/録画可能となった。 プラズマテレビ「VIERA PZ750シリーズ」でもドアホン映像を画面で確認可能としていたが、DIGAではドアホンに映し出された来客者の映像を最大400件録画可能となった。なお、2番組同時録画中はドアホン録画は実行されず、日時と着信の履歴を表示する。
なお、松下ネットワークマーケティング株式会社が運営する松下グループ直販サイト「パナセンス」では、ブルーレイDIGA 3モデル、ハイビジョンDIGA 3モデルのモニター販売も実施。募集人数は各50名で合計300名。受付期間は10月16日13時まで。 購入金額はユーザーの入札額と応募数の兼ね合いで決定されるが各モデルの最低落札価格、最高落札価格は右記のとおり。モニターへの商品の発送は10月下旬頃を予定している。
□パナセンス新商品モニター受付ページ
■ 新DIGAで「ハイビジョンビックバン」
また、ブルーレイDIGAにあわせて、記録型DVDドライブを搭載した「ハイビジョンDIGA」3モデルも11月1日より発売する。 松下電器産業株式会社 パナソニックマーケティング本部の西口史郎本部長は、夏以降の新製品のデジタルカメラ「LUMIX」やSDハイビジョンムービーカメラ、VIERAなどで、各関連機器でフルHDに対応したことをアピール。「フルハイビジョンの大衆化、ビックバンを起こすために新DIGAを発表する」と訴えた。 「ブルーレイDIGAはたっぷりと番組を残したい人に、ハイビジョンDIGAは手軽にハイビジョンを残したい人に。2ラインを用意することで顧客に幅広いニーズに対応していく。フルHDで、お客様の生活をより豊かにしたい」とアピールした。
□松下電器産業のホームページ ( 2007年10月1日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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