| ![]() |
![]() |
フラットパネルディスプレイの総合展示イベント「FPD International 2007」が24日に開幕した。会場は神奈川県・パシフィコ横浜。入場料は2,000円で、事前登録者は無料。 液晶やプラズマディスプレイパネル、有機ELパネルをはじめ、検査装置、部材、設計支援、応用製品などフラットパネル関連業界の各社が出展している。出展社は10カ国330社、主催は日経BP社。
■ エプソンやSamsungが有機ELディスプレイを出展
セイコーエプソンは8型/800×480ドットの有機ELディスプレイを初披露。低分子材料を蒸着方式で製膜して製造し、コントラスト比は10万:1以上、輝度は200cd/m2。 寿命は輝度半減時間で約5万時間で、「実際の製品で採用できるレベル」としている。エプソンでは、すでに小規模量産が可能な開発/製造ラインを構築している。 同社ブースでは、車載用やポータブルテレビなどの応用例を紹介しており、今回の展示などにより、関連各社へ採用を呼びかけていく方針。
□関連記事 Samsungのブースでは、アモルファスシリコン基板を使った14型/1,280×768ドットの有機ELディスプレイを出展している。コントラストは1万:1以上で、輝度は500cd/m2。14型というサイズについては「研究用ラインで製造できる最大サイズ」という。製品投入時期などは未定。
Samsung SDIブースでは、中小型を中心に多数の有機ELパネルを出展している。 世界最薄の薄さ0.37mmを実現した2.4型/240×320ドット有機ELディスプレイも出展。輝度は200cd/m2で、コントラストは1万:1以上。量産時期は未定という。
また、折り曲げ可能な4.3型有機ELディスプレイも開発。実用化のめどは現時点では無く、技術デモ用と位置付けているが、解像度は480×272ドット、コントラストは1,000:1、輝度は200cd/m2。 有機EL用として初となる画質改善IC「OLED MAX」も開発。同社の有機EL関連製品向けにすでに提供開始しており、有機ELに最適化したカラーマネジメントやシャープネス、コントラスト制御を実現しているという。 3.1型/800×480ドットの高解像度有機ELディスプレイも開発。携帯機器向けの展開を予定しており、輝度は200cd/m2、コントラストは1万:1。そのほか、同社の2.2型有機ELパネルが採用された、auの「INFOBAR 2」や「W53H」などの携帯電話も展示している。
CMOは25型の有機ELディスプレイを開発。解像度は1,366×768ドットで、輝度は350cd/m2。コントラストは1万:1以上。製品化時期はまだ未定だが、製造設備の準備などを進め、2009年ごろの製品化を目指しているという。
■ 10bit FEDも登場。エプソンは組み込みプロジェクタ技術を出展
エフ・イー・テクノロジーズのブースでは、各色10bit表示に対応した「FED」を初公開している。 ドライバICの改良などにより、10bit表示に対応。従来のFEDは各色8bit表示となっていたが、「液晶やプラズマなどで多ビット化がトレンドになっている。従来の8bitでも色表現や階調表現などの不足を指摘されていたわけではないが、FEDでも多ビット化に対応できることを示すため、試作機を作成した」という。
エプソンは、Philipsと共同開発した組み込み用途向けプロジェクタプラットフォームのデモを行なっている。 エプソンが開発した0.47型/800×600ドットの液晶パネルと、Philipsによる出力50Wの小型水銀ランプを組み合わせて、小型のプロジェクタを実現できる。ブランド名は特に決まっていないが、専用の光学系などもパートナー企業と協力して開発しており、製品化を希望するメーカーにすぐに提供できる体制を整えているという。 輝度は約300ルーメンを実現。「輝度を重視するとLEDの採用は、現時点では難しい」ため、水銀ランプを採用している。データプロジェクタ用途ではなく、広告表示などの業務用やおもちゃなどへの組み込みなど、組み込み向けの展開を想定している。
□関連記事
■ 薄型液晶やバックライト 液晶関連ではパネルの薄型化技術を各社がアピールしている。 LG Philipsは19.8mm厚の42型フルHD液晶パネルを出展。120Hz倍速駆動にも対応しており、2008年に出荷予定。また、AUOも32型/1,366×768ドットで20mmの薄型パネルを出展している。
シャープは、2.2型/240×320ドットで業界最薄という0.68型液晶を出展。コントラスト比は2,000:1以上で、視野角は上下左右斜め176度。応答速度は8ms。薄さ29mmの52型液晶テレビなども出展している。
IPSアルファテクノロジは、32型フルHD液晶パネルを展示。22日に発表した32/37型低消費電力パネルのデモも行なっている。 LEDバックライトを使った液晶ディスプレイ技術は、LG PhilipsやAUO、CMOなどが展示。さらにCMOでは、120Hz駆動のOCB液晶と2つのLEDバックライトを組み合わせた「Multiprimary Display」技術のデモを実施している。1つのLEDはRGBを、もう1つのLEDでC(シアン)のみ発光することで、より広い色域表現と動画ボケのない映像再現を可能とするという。
プラズマディスプレイについては、Samsung SDIが、50型フルHDでは世界初というシングルスキャン駆動対応PDPを出展。 また、松下電器はマスターモニター向けにチューニングを施した42型プラズマディスプレイを参考出展している。駆動電圧を若干落として、輝度ピークを若干抑えながら、黒側の表現を改善。コントラスト表現力を向上しているという。同様のアプローチで黒表現やコントラストを向上した業務モニター向け50型フルHD PDPは、すでに販売開始しているが、42型の発売時期などは未定。
□FPD International 2007のホームページ ( 2007年10月24日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
Copyright (c)2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
![]() |
|