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シャープ株式会社は4日、業界最小/最薄サイズのワンセグチューナモジュール「VA3A5JZ922」の製品説明会を開催した。 同社製品としては、第4世代目となるワンセグチューナモジュール。2007年9月発売の「VA3A5JZ912」に比べ、面積比で約35%小型化し、パッケージサイズは5.9×5.9×0.9mm(縦×横×厚み)。2月29日よりサンプル出荷を開始し、サンプル価格は20,000円。量産開始時期は9月30日を予定する。 なお、同社のワンセグチューナモジュールは、2007年12月で累計出荷数1,000万個を突破。生産体制についても、2006年12月の月産50万個から、2007年12月には120万個まで増強している。
説明会では、同社 高周波デバイス事業部の宮本雅之副事業部長がモジュールの特徴や業界動向を解説した。 ワンセグ携帯電話の業界動向については、ワンセグ搭載率が2007年に1,880万台を出荷/搭載比率36.9%を達成したというテクノシステムリサーチの市場調査結果などを紹介。同調査では、2010年に搭載率75%の3,410万台出荷を予測していることなどから、今後もワンセグチューナモジュールの需要は高いとした。
続いて、同社のチューナモジュールの開発コンセプトを紹介。「小型/薄型化」、「低消費電力化」、「高感度特性/妨害耐性向上」の3点を開発における重要なポイントとして個別に説明した。 小型/薄型化のポイントとしては、チューナICの薄型化や、独自の高密度実装技術によるものとしており、「現在の厚みは、現時点で信頼性が確保できるギリギリのところまで薄型化している」という。低消費電力化もチューナICの更新により実現している。 入力感度は、回路レイアウトや基板パターンの最適化により向上し、小型化しながら同社従来品と同等の受信感度を実現した。「OFDM復調ICと、チューナICが同一基板上にレイアウトされているが、これらが互いに干渉しないように配置することで、感度を向上した」としている。
今後の開発の方向性としては、引き続きこの3点を推進していくとしており、「素材の変更や、新たな技術の開発により、さらなる小型/薄型化を目指す」とした。 そのほか、中国市場向けのHD対応デジタルチューナ「VA3C5CZ920」についても解説。中国の地上デジタル放送規格「GB20600-2006」(DTMB)に準拠するチューナモジュール。パッケージサイズは10.7×10.7×1.4mm(縦×横×厚み)と小型化され、モバイル機器への搭載を想定する。 同社では、すでに韓国や欧州向けのDVB-H/T-DMB対応のチューナモジュール「VA3B5EZ915」を出荷しており、今回のDTMB対応モジュールの開発により、現時点で世界中で採用されている全てのモバイル放送の規格に対応できるようになった点を強調。今後も、世界各地域でサービスが開始していくデジタル放送への対応を強化していく方針を示した。
□シャープのホームページ ( 2008年3月4日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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